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同人活動から考えるTPP 著作権侵害、非親告罪化の影響は?

同人活動から考えるTPP 著作権侵害、非親告罪化の影響は?
左から山田太郎参議院議員、香月啓佑氏、荻野稔大田区議会議員、中川隆太郎弁護士、赤松健氏、松智洋氏

 日本を含めた12か国で交渉されている環太平洋パートナーシップ(TPP)では、著作権侵害の非親告罪化などの知的財産分野も議論の対象になっている。そんな中、日本最大の同人誌展示即売会「コミックマーケット88」(コミケ88)を主催する、コミックマーケット準備会が、コミケの会場であるビックサイトで「TPPの著作権条項を考える ~非親告罪化、保護期間延長、そして法定賠償金~」のトークイベントを14日に開催した。

 非親告罪化(著作権者からの告訴がなくとも警察や検察が捜査・起訴できるようになること)や法定賠償金の導入(民事裁判で著作権者が訴えた際に被害を十分に補償するため、実損害分より多い懲罰的な賠償金も求めることができるようになること)などは、ファン同士の交流の場として開かれているコミケで、同人誌の頒布などを行っている参加者にとっては切っても切り離せない内容だ。この日のイベントには、漫画家の赤松健氏や、中川隆太郎弁護士、コミックマーケット準備会スタッフで作家の松智洋氏、大田区議会議員の荻野稔氏、一般社団法人インターネットユーザー協会事務局長の香月啓佑氏が参加した。

 中川弁護士は一番影響の大きい部分として、非親告罪化されると著作権者が黙認してきたことによりグレーゾーン扱いされてきた同人活動が、第三者により著作権侵害と通報される際に警察・検察が独自に動く可能性が出てくることを挙げる。すると「作家側としては作品が好きなファンを、訴えるということで攻撃したくない」と話す赤松氏が、「怖いのは嫌がらせ(での通報)」と危惧。その一方で、甘利明TPP担当大臣が国会質疑でセーフガード(許可範囲)の必要性を認識していると言及したことに話が及ぶと、荻野議員から第三者の通報者に対してもセーフガードを明文化するべきだという意見も出ていた。

 イベントに飛び入りで参加した山田太郎参議院議員は、現在の政府は二次創作よりも、エロティックやグロテスクなどの表現を取り締まりたいという意向があると明かす。著作権を持っている団体が与党にプレッシャーを与えている状況から見て、派手に目立っている団体が起訴される可能性もあると言いつつも、二次創作への萎縮効果が出ないようにとする思惑が政府にもあると語る。しかし、もしも非親告罪化された際には、フェアユース(著作権者の許諾なく著作物を利用しても、一定の規定に当てはまる公正な使用でれば著作権侵害とならないアメリカの規定)も存在しない「日本の著作権法は世界一厳しい法律」になる可能性があると指摘。

 赤松氏は「あおり過ぎることも萎縮効果につながる」と懸念しつつも、「コミケを今のまま生かし続けたい」と話す。香月氏は、ウィキリークスやメディアからリークされた内容には、政府が二次創作に配慮している傾向があると述べつつも、「TPPは不透明なところで交渉していて、自分たちが見ている部分はあくまでもリークの内容である」と主張。ほかのイベント登壇者たちも、TPP妥結までのこれからの時期を重要視すべきであり、政治に対して関心を持ってほしいと呼び掛けていた。(編集部・井本早紀)


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