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『マッドマックス』ジョージ・ミラー監督がディストピアな未来設定に込めたもの

『マッドマックス』ジョージ・ミラー監督がディストピアな未来設定に込めたもの
ジョージ・ミラー監督

 巨匠ジョージ・ミラー監督が、アカデミー賞ノミネート作品『マッドマックス 怒りのデス・ロード』について語った。

 本作は、核戦争勃発後の荒廃した世界で、愛する者を失い荒野をさまようマックス(トム・ハーディ)が、砂漠を支配するイモータン・ジョーの一団に捕らわれて深い傷を負うが、ジョー配下の女戦士フュリオサ(シャーリーズ・セロン)が反旗を翻し、マックスと手を組んで強大なジョーの勢力に戦いを挑んでいくというアクション大作。

 飛行機内で今作の企画が頭に浮かんだものの、それから10~12年以上かけてようやく製作できたそうだ。「今作はディストピアな未来設定だが、過去に回帰するつもりで手掛けた。なぜなら、一定の歴史の中では、人間の行動は同様なパターンが繰り返されている。例えば、(専制政治の)暴君が多くの人々を支配し、多くの人々がそんな支配者のために死を捧げてきた。そんなことは歴史では何度も繰り返されてきたが、今のわれわれの時代も、全く違うとは思わない。それは、いつの時代も似たようなことが起きているからだ」と語った。

 火炎放射器付きのエレキギターを演奏するキャラクター、ドゥーフ・ウォリアーについて「今作は、内容としては倫理的な部分もあるが、全体的に『混乱』を描いている。観客もそれを理解すれば、そんな(エレキギターを演奏するキャラクターの)世界観に賛同してくれるはずだ。それに、かつて歴史上の戦争では、バグパイプやドラムなどを鳴らしていた。もっともバグパイプやドラムでは、今作のディストピアの世界には適さないため、それならギターとスピーカーを使ったらどうだろうか? と思ったんだ」と明かした。その発想が観客を見事に引き付けた。

 撮影で困難だったことは「人里離れたアフリカ大陸南西部での撮影で、体力的に厳しかったことだ。全てリアルに俳優を使ったため、もし彼らの体力が消耗し、注意が少しでも散漫になったら、大事故が起きていたかもしれない。そのため、撮影陣全員にとって忍耐力のテストのようなものだった。幸いにも素晴らしいクルーがしっかり下準備をし、自分たちを見失わず、安全な撮影を行ってくれた」と感謝した。

 映画は、間違いなく昨年スタジオが製作した大作の中でもナンバーワンの作品であろう。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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