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河瀬直美監督が語る日本の映画界に足りないもの…若手監督たちのために一石を投じる【第69回カンヌ国際映画祭】(1/2)

河瀬直美監督が語る日本の映画界に足りないもの…若手監督たちのために一石を投じる
カンヌで取材に応じた河瀬直美監督

 カンヌ映画祭の常連にして、第69回カンヌ国際映画祭では短編コンペティション部門およびシネフォンダシオン(学生映画)部門の審査員長を日本人で初めて務めた河瀬直美監督(『あん』『2つ目の窓』)がフランスで取材に応じ、今の日本映画界に足りないものや、諸外国と比べて国際的に評価される若手監督が少ない現状を打破するために立ち上げたプロジェクトについて明かした。

 日本の若手監督が海外へなかなか出ていけない現状について、「例えばプロデューサーが『オリジナル脚本なんて無理だよ』『有名な俳優が出ていないとお金なんか集まらないよ』というような言葉を発したときに、監督たちは彼らの言葉にはまろうとしますよね。『そういう風に認められる脚本を書かなくてはいけない』『そんな風な俳優を使わないと映画が撮れないんだ』と。ある種の日本の今の常識にはまってしまうんです」と切り出した河瀬監督。

 「でも、それは世界の常識ではないんですよ。もうちょっと視野を広げて、外の意見も聞いた方がいいと思うんです」と語る河瀬監督自身、日本だけでは製作費をまかなうことができず、ほとんどの監督作にフランスの資金が入っている。「フランスにとっては、日本の有名な俳優が出ているか出ていないかは関係ないんです。純粋に脚本の内容で精査されて、そこに資金が集まるというのが常識」。型にはまらず自分が描きたい内容を掘り下げることが、国際的な評価を獲得することにつながったという。

 また、日本の映画学校については「ちゃんとその先につなげていきたいから言うのであって、何かを否定しているわけではないのですが」と前置きした上で、「世界の映画学校と比べると非常にドメスティック」だと分析する。例えば、今回のシネフォンダシオン部門では同じロンドンの映画学校から出品されていたとしても学生はイラン人やキューバ人とさまざまで、「彼らはそうした中で自分を表現しなきゃ監督にさえなれないという環境で作っているから、やっぱり強いんですよ。日本人は英語もしゃべれないし、意見を交換することにも慣れていない。日本の学生たちは『ちゃんと意見を言い合っている!』と言うかもしれないけど、違う考え方の人間を単に否定しているだけだったりする。それを受け入れて、次を作り上げていくというレクチャーは受けていないと思うんです。単に意見を戦わせているだけだと嫌われて終わり。だけど彼らは、自分の意見をちゃんと形にするためにどういうディスカッションをしなきゃいけないのかということを、身をもって体験するわけですから。そういうことが日本の映画学校の中でまだできていないのではないかな、と」。


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