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キャリア31年・山寺宏一 声優と俳優の違いを語る(1/2)

キャリア31年・山寺宏一 声優と俳優の違いを語る
ベテラン声優、山寺宏一の意外な胸の内

 今年の『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」』を含め、これまでのポケモン映画に全て違う役柄で出演し続けている、キャリア31年のベテラン声優・山寺宏一が、俳優と声優の演技の違いについて持論を展開。声優・俳優業をこなす山寺は、「全然、違うとも思わないんですけど、違うんでしょうね」と語る。

 役者と声優の仕事は違うとよく聞く。実際、本作で初のアニメ声優を務め、山寺を“芸能界の父”と慕う「おはスタ」元おはガールの松岡茉優は、山寺に1時間半以上電話で相談したという。山寺は当時のことを振り返り、「『茉優は女優なんだから大丈夫』と答えたら、表現の仕方が違うという。どんな役でもできる子ですけど、声優はかけ離れたものに感じたんでしょう」と話す。またそう感じているのは松岡だけではなく、映画『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』で山寺と共演した綾野剛も、山寺に弟子入りを希望したほどだ。だが山寺は、「教えることなんて、何もない。むしろ、僕が教えてもらいたいくらい」と意外な胸の内を明かす。

 また彼らが声優の演技を“違うもの”として考えた理由について、山寺は「やりにくいんだと思います。自分の心が動かなければ、セリフは言えないけれど、アニメーションの画(え)の口の動きや長さは決まっていますから、どこか客観的でなければならない」と分析。続けて、「ただし、僕から言わせればドラマなどの映像の仕事の方が制約は多い」と切り出す。「ここからここまで歩いてからしゃべるなどの段取りがあり、その上でセリフを言いながら、自分の気持ちを表す。僕にしたらそっちの方が戸惑いを感じます」。そして山寺は「僕はまだ映像では納得できる演技をしたことがない」とポツリ。

 「アニメは基本的に台本の流れ通りに録っていくけれど、映像の仕事はそうじゃない場合も多く、瞬間で気持ちを切り替えなければならない。たまにドラマに出させてもらうと、全然、答えを出せない自分がいる。映像で出演した作品で、『俺、よかったな』って思ったものはひとつもないんです。毎回、必死です。ハリウッド映画の吹き替えもしますから、オスカーを取るような人たちのすごい演技を観ながら、その声だけを担うのも不思議な体験なんです。『器用に表面だけで演じている自分がいるんじゃないか』って常に怖いです。でも、どんな仕事でもそうですが、自分がまだまだこうなりたいという気持ちが持てるのはいいことだと思います」。


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