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12年間も音信不通の娘へあてた手紙…ペドロ・アルモドバル新作 - ニューヨーク映画祭

12年間も音信不通の娘へあてた手紙…ペドロ・アルモドバル新作 - ニューヨーク映画祭
アリス・マンローの短編集を基に描くヒューマンドラマ『ジュリエッタ』 - (C) El Deseo

 第54回ニューヨーク映画祭でスペインの巨匠ペドロ・アルモドバルが、話題作『ジュリエッタ』(11月5日日本公開)について、10月4日(現地時間)ニューヨークのリンカーンセンター開催の記者会見で語った。

 スペインのマドリードで一人生活する中年女性ジュリエッタ(エマ・スアレス)は、ある日、音信不通となっていた一人娘アンティアを知人が見かけたと聞き、ショックを受ける。ジュリエッタは、12年前自分に何も告げずに突然姿を消した娘に、過去を回想しながら手紙を書く。ノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローの2004年の短編集「ジュリエット」(原題:Runaway)に収録された「チャンス」「すぐに」「沈黙」をアルモドバル監督が映画化した。

ペドロ・アルモドバル
強い女性を描くことに定評のあるペドロ・アルモドバル監督

 マンロー作品を手掛けたことについて「この短編は約10年前に出会い、その時はもうすでにマンロー作品のファンだった。短編集『ジュリエット』に収録された三編『チャンス』『すぐに』『沈黙』は同じ主人公ジュリエット(映画ではジュリエッタ)で、原作の冒頭からすぐに引き込まれ、全部を読み終えて映画化できると思った。確かにこれらの短編の主人公はジュリエットだが、短編はそれぞれ独立し、マンロー自身もジュリエットの三つの異なった時代を記していた。そのためどのようにしたら、このユニークなストーリーで、観客の心をつかむことができるかをまず考えた」と語った。

 原作は北米が舞台だが、なぜスペインに設定したのか。「マンローが描いたのは北米の家族で、スペインにはそんな家族は存在しないため、僕の最初の英語作品になると思った。だからアメリカでの製作のために、ニューヨーク州の海岸近くのロケーションスカウトを行った。ただ、何かその過程で満足いかないことがあった。それは物語に、このロケーションが適していると思えなくて、とりあえず脚本から2週間離れて、また戻ったときには確実に英語で手掛けないほうが良いと感じていた。それからスペインの地形に合わせ脚本を構成した」と答えた。脚色にあたっては冒険的なアプローチもしたそうだ。

 これまでの作品で強い女性を描いてきたアルモドバル監督。期せずして現在アメリカでは大統領選がヤマ場を迎えており、ヒラリー・クリントンはアルモドバル作品の女性のように見える。「確かに彼女は強い女性だ。20年前に、今僕が大統領選でヒラリーの勝利を祈っていることは想像できなかった。彼女はアメリカ人初のアルモドバルの女性だ」と太鼓判を押した。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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