菜 葉 菜、主演作『赤い雪』での難しい役づくり語る
俳優の永瀬正敏と女優の菜 葉 菜が9日、都内で行われた映画『赤い雪 Red Snow』公開記念ティーチイン・トークイベントに出席。菜 葉 菜は観客からの質問に答えながら、今回の役づくりについて語った。
本作は少年失踪事件を軸に、被害者の兄と容疑者の娘の人生が交錯する様を描く作品。観客からの質問に登壇者が応じるティーチイン形式で行われたこの日のイベントには、メガホンをとった甲斐さやか監督も出席した。
客席からは鋭い質問が次々に飛び、「この映画はミステリーと紹介されていますが、わたしはミステリーではないと思います」というファンの率直な意見も。永瀬らはこれに真摯に対応。甲斐監督は「いわゆる世間一般にミステリーというと犯人探しの物語のようなイメージがあると思いますが、この映画に対して、犯人は誰かなという視点で観るのはわたしもちょっと違うと思います」とファンに同調した。
「今はSNSなどを見ていると、結論を急ぐようなところがある時代ですが、実のところ説明しきれないところが一番大切なんじゃないか。この映画も、わからないからこその部分に重点を置いて撮ったんです」と続けた。「犯人探しを楽しみに来た方には違うとらえ方になってしまうんじゃないかって思います」と話すと、永瀬も「ミステリーだから、サスペンスだからとお芝居をしていた人はたぶん誰もいない」と述べ、菜 葉 菜もうなずいた。そして3人で「逆にミステリー以外の(本作を紹介する)言葉があればみなさんに教えてほしい」と笑顔で呼びかけた。
また、菜 葉 菜は今回の役どころについて、「記憶がテーマになっている作品ですが、監督と役を作っていったんです。ここまで壮絶な環境、過去、記憶があるという女性を演じるというのは自分でも難しいと思いながら演じていました」と感想を述べ、「虐待を受けて育った人のその後を書いた本なんかを読んで参考にしたりしました」と紹介。
「モンスターだけど、悲しさとか寂しさもあるんじゃないかってわたしは思っていたんですけど、監督は悲しさとかを全部超えてしまった女性をイメージしていたみたいです。とにかく強くいてほしいと言われました」と撮影を振り返っていた。(取材・文:名鹿祥史)