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草なぎ剛、母性に目覚める主人公の役づくり「何かを育てることは男性も女性も変わらない」

優しい笑顔の草なぎ剛
優しい笑顔の草なぎ剛

 俳優の草なぎ剛が9日、都内の公益社団法人・日本外国特派員協会で行われた映画『ミッドナイトスワン』記者会見に内田英治監督とともに登壇、“母性”に目覚める役柄についてどうアプローチしていったのかを語った。

草なぎ剛ら『ミッドナイトスワン』記者会見の様子【写真】

 新宿を舞台にした本作は、トランスジェンダーとして身体と心の葛藤を抱えながら生きる凪沙(草なぎ)が、育児放棄をされていた少女・一果(服部樹咲)を預かったことから、それまでと違う感情を抱くようになる姿を描いたヒューマンドラマ。9月25日に公開初日を迎え、現在もヒット中の本作だが、欧米、アジア、中東などの海外メディアから、本作の会見開催を望む熱烈な声が協会に多数寄せられたことから、今回の会見が実現したという。

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 外国人記者の前に立った草なぎは「いつもの会見とは雰囲気が違っていて。この作品が少しずつですが注目されているんだなという実感がありますし、遠くへ大きく羽ばたいているのかなというのを感じました」とあいさつ。内田監督も「オリジナルの脚本で、これだけのお客さんが入るということはなかなかないことなので。多くの方にオリジナル作品を観ていただいてありがたく思っています」と続けた。

 母性に目覚めるという役柄についての質問が飛ぶと、草なぎは「映画の中で徐々に母性に目覚めていくというところが難しいところではあったけど、何かを育てるということは男性も女性も変わらないんじゃないかなと思います。植物を育てたり、工作などもそうですが、何かを育てたり、育んでいくという気持ちで演じていくうちに、もしかしたらこれが母性なのかなというのは、目覚めていった感じでした」と振り返った。

 草なぎが初のトランスジェンダー役を務めていることが話題となっている本作。外国人記者から「LGBTの友人はいるのか? もしいるなら参考にすることはあったか?」という質問を受けた草なぎは「LGBTの友だちはいないけど、今まで一緒に芸能活動をした人はいました。皆さんとても優しい方で、僕を助けてくれました。役づくりに関しては、あまりトランスジェンダーということを意識せずに、脚本が持っているエネルギーを役にのせようと思いました」と返答。

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 さらに役づくりについても「初めて脚本を読んだときはすごく泣いてしまった。何の涙かわからないけど、それはすごくすてきな涙だと感じられたので、自分が流したエネルギーみたいなものを役にのせるのが僕の役づくりだと。それを意識して演じました」と付け加えた。

 会見中には、東京都足立区議会議員の“同性愛が広がれば足立区は滅びる”という趣旨の発言が波紋を呼んでいる件について、外国人記者からコメントを求められるひと幕も。それについて内田監督は「言葉にならないくらい、とても許しがたい発言だと思います」とキッパリ。「彼のインタビューも読みましたが、保守的なイメージだけで話をしていて、無知なんですね。やはり日本においては一歩一歩進むしかないんで。この作品を観て、この政治家はおかしなことを言っているんじゃないかと、考えるきっかけになってくれればと思います」とコメントしていた。(取材・文:壬生智裕)

映画『ミッドナイトスワン』は全国公開中

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