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草なぎ剛、大河「青天を衝け」は人生のターニングポイント 吉沢亮に受けた刺激

草なぎ剛
草なぎ剛

 現在放送中の大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほか)で、物語のキーパーソンとして注目を浴びてきた徳川慶喜役の草なぎ剛が、約1年にわたって取り組んできた大河への思い、そして主演の吉沢亮から受けた影響などについて語った。すでに慶喜の出演シーンは撮影を終えており、草なぎはその心境を「僕にとっても久しぶりのドラマだったので、人生のターニングポイントになっているんじゃないか、という感覚はありますね」と語っている。

【写真】笑顔たくさん!草なぎ剛インタビューカット集

 草なぎ演じる慶喜は江戸幕府最後の将軍として知られ、側近である平岡円四郎(堤真一)を通じて渋沢栄一(吉沢亮)と出会い、財政改革に手腕を発揮した栄一を重用。江戸幕府が終焉(しゅうえん)の時を迎えたのちも、栄一と終生にわたって厚い信頼関係を結ぶこととなる。「(映像作品で)将軍を退いた後の慶喜が描かれることは珍しいと思うんですが、栄一が慕ってくれていて、慶喜に会いに来てくれるんですよね。一線を退いてからの、2人の友情の中には男の哀愁が見え隠れしますが、同時に栄一と共に過ごした日々は輝かしいものだとも感じている。そういった役どころは僕もやったことがなかった」という草なぎ。慶喜にとっての栄一は「自分の人生を全うする上で、なくてはならない人」と感じたとも。

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吉沢亮が「自分を次のステップに持っていってくれた」

渋沢栄一(吉沢亮)と徳川慶喜(草なぎ剛)(C)NHK

 吉沢にとって草なぎは幼いころからのスターであり、「栄一が慶喜に抱く尊敬と、自分が草なぎさんに抱く尊敬は、形は違うかもしれませんが、リンクしている部分はあると思います。役者としても憧れが強いので、そういう思いが自然と関係に出ればいいなと思っています」と、草なぎへの憧れをしばしば語っていた。そのことに「いろんなところで褒めていただいて、本当にありがたい限りです」と笑顔を見せた草なぎは、「僕の方が長く生きていて。一応先輩ではあるんですけど、役になるとそういうのは関係なくて。亮くんからは栄一という役にかける思いが伝わってきたし、そういうものに僕も感化されるんです。まっすぐな亮くんの素晴らしいまなざしのおかげで、余計なことを考えずに、自分もすごくピュアなお芝居ができたなと思います」と自身の演技に大きな影響を感じている様子。

 さらに大河ドラマに出演したことについて、「初めてのレギュラー出演の大河ドラマということで、たくさんいい思い出ができました」という草なぎは、「すごく大がかりで、規模も大きいですし、準備も必要。時間もすごくかけていますし、やはりすごいドラマだなと思います。こういう仕事をやる人間としては、出演できてとてもうれしかったですね」と笑顔。最も楽しかったことについては「やはり亮くんといられたこと。最後まで吉沢亮くんという、すばらしい役者さんと長くお芝居できたことが一番楽しかった」としみじみ。「大変な役を最後まで妥協することなく、自分の命を懸けて演じていた。そしてその近くにいられたことが、僕にとっても元気になったというか、活力になったというか。自分の次のステップに、亮くんが持っていってくれた」という。

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 吉沢演じる栄一はセリフ量も多く、現場でも吉沢が必死になって覚えようとしていた姿が印象的だったと振り返る草なぎ。「あのセリフ量なので、亮くんとはほとんど話すことはできなかったんですけど、でも何か喋らずとも会話しているという風に僕は感じていたんです。けど、亮くんはどう思ってたのかな」と語る草なぎは、「僕なんか、たまに出ているだけであたふたしているのに、それこそ彼は1年間ずっと台本を手放さずにやっていたんだなと。そういう彼の努力、そして本番での瞬発力を目の当たりにすると、すごく刺激を受けて。お芝居ってもっともっと可能性があるんだな。亮くんのおかげで僕ももうちょっと頑張るよ、という感じですかね」と吉沢の真摯な姿に、大いに刺激を受けたようだ。

川栄李奈との夫婦役共演「すごくかわいかった」

久々の再会を果たした慶喜と妻・美賀子(川栄李奈)(C)NHK

 川栄李奈演じる正室・美賀子をはじめ、家族も慶喜にとっては大きな存在だ。「川栄さんがとても優しいまなざしでお芝居されるので、僕も毎回吸い込まれるように。目の前にいるスタッフの方とかカメラも気にせずに、2人の世界に誘ってくれたというか。川栄さんの包容力と芝居力に、僕はポワーンとしちゃったなみたいな」という草なぎは、「そこがすごく素敵だった。慶喜も家族を愛していたし、家族の力が必要だった。きっとどこかで癒やされているところがあったんでしょうね。なので、慶喜にとっても家族はかけがえのないものだったんだなと思いましたね」とコメント。

 美賀子は当初、慶喜の養祖母にあたる徳信院(美村里江)との仲を疑って自殺未遂騒動を起こしたことも。慶喜が将軍後見職を任じられ上洛してからは長きにわたって離れ離れとなり、紆余曲折あったが、特に印象的だったシーンについてこう振り返る。「冒頭で、僕が能を舞っているところに『何で?』って感じで嫉妬しながら入ってくるところがあるんですけど、そういうところもすごくかわいかったし。だんだん美賀君が、慶喜の妻として大人になってくるところがすてきだったなと思いました」

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 自身の出演シーンはすでに撮影が終わったとのことで、「終わってから、じわじわと寂しくなってきたというか。1年やったからホッとして、そのまま次のステップに進むのかなと思ったら。慶喜のミステリアスな余韻がしばらく残っていましたね」とその心境を語る草なぎ。「でもそういう中で1年間、集中を切らさずにお芝居できたというのが大きな自信となった。僕にとっても久しぶりのドラマだったので、人生のターニングポイントになっているんじゃないか、という感覚はありますね」と力強く語った。(取材・文:壬生智裕)

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