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驚異のインド映画『RRR』二大スター、日本人とのコラボ希望!いつかマーベル参戦も?

再来日も約束したラーム・チャランとNTR Jr.
再来日も約束したラーム・チャランとNTR Jr.

 世界中で話題を呼び、日本でも大ブームを巻き起こしたインド映画『バーフバリ』シリーズのS・S・ラージャマウリ監督が放つ最新作『RRR』(全国公開中)で主演を務めた二大スター、N・T・ラーマ・ラオ・Jr(NTR Jr.)とラーム・チャランが初来日。超絶アクションが連続するハードな撮影の裏側と共に、インド映画の未来について語った。

【動画】ダンスもキレッキレ!『RRR』ナートゥダンスシーン!

 1920年、英国植民地時代のインドで出会った、英国総督に連れ去られた村の少女の奪還に燃えるビーム(NTR Jr.)と、ある目的のために警官として英国政府に仕えるラーマ(ラーム)。敵対する立場にある二人の熱い友情が、やがてインドを揺るがす壮大なバトルへと発展していく本作。7,200万ドル(約97億円/1ドル135円計算)もの製作費が投じられ、常識を超越した怒涛のアクションの連続で、日本でも観客を興奮の渦に巻き込んでいる。

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実在の英雄が超アクション!

(C)2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.

 ビームとラーマは、実在したインド独立運動の英雄がモデル。そこに、ラージャマウリ監督が敬愛する叙事詩マハーバーラタとラーマヤナに登場するキャラクターのイメージが重ねられており、アメコミヒーロー顔負けの大活躍を見せる。

 実在の人物をスーパーヒーロー並みに描くことについて、NTR Jr.は「彼らはインドの自由のために戦った人物ですから。文化的な背景もありますが、インド独立や自由のために戦った人たちはみんな神のような存在で、聖なるヒーローのようなものなんです」と証言。ラームも「マハーバーラタの登場人物であっても、完全なフィクションではなく、同じような存在が、かつていたのではないかと皆が思っています。僕らにとっても、幼いころから触れていた物語ですから、俳優として責任を感じていました」と同意する。

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 そんな本作では、アイデア満載の超絶アクションが連続。数万もの群衆にラーマが一人で戦いを挑む冒頭のシーンから強烈なインパクトで、肉体的にも過酷な撮影だったという。「群衆の人数はデジタルで増やしていますが、それでも大勢のエキストラを動員して、リハーサルに40日、撮影に20日は費やしました。数千人もいる撮影なので、カットがかかると『ラームはどこだ!』ってなるんです。そこで白い旗を持ったスタッフが『ここにいまーす!』と確認して運び出される(笑)。とても大変な撮影でしたね」

 ただ派手なだけではなく、『バーフバリ』と同じく、登場人物の感情と連動したアクションになっているのが、ラージャマウリ作品ならでは。NTR Jr.も「ビームとラーマが肩車で戦うシーンがあって、お気に入りの場面のひとつなんです。友情と信頼で結ばれていれば、二人の人間が巨大な一人の人間にだってなれるのだということが表現されていて、とても美しい。アクションでそうした描写ができることが素晴らしいし、気に入っています」

 一方で「監督は映画の主人公をスーパーヒーローにしたがるので、体が出来上がっていないとダメなんです。ワークアウト自体は皆さんがやっているものと変わらないと思いますが、今回はそれより少し頑張ったかな。その分、お金をいただいていますからね」とジョークを飛ばすNTR Jr.。ただ、過酷な撮影でも弱音を吐くことはないという。

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 「ラージャマウリ監督の求めるものは非常にハイレベルですが、僕らならできると思って起用してくれている。それに、監督はいつも多くのインプットをくれるし、居心地のいい場所を作ってくれているので、それに応える演技を引き出せるように、集中することができるのです」というNTR Jr.に、ラームも「どんな映画も常にチャレンジだと思っていますが、特に監督が提示してくれるチャレンジはワクワクするものばかりなんです。映画を終えた時に、人間としても俳優としても成長できるので、大変だとは思いません」と満足そうに続ける。

日本のクリエイターともコラボ希望!

「日本の映画監督と仕事をしてみたい」(C)2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.

 『アベンジャーズ』シリーズのジョー・ルッソや、ジェームズ・ガンといったマーベル映画の監督たちが絶賛するなど、世界中で評価の高まる『RRR』。NTR Jr.は、ラージャマウリ監督が切り開いた、インド、なかでもテルグ語映画をめぐる現状を「黄金時代に入ったような気がしています」と語る。「欧米の文化と出会い、テルグ映画にどんなことが可能になるのか、どんな未来が待っているのかはわかりませんが、こうした時代に、役者として関われていることが嬉しいし、誇らしいですね」

 そしてラームは、日本のクリエイターとの共演も希望する。「ラージャマウリ監督の映画にインスピレーションを受けた人たちがこの流れを継承して、インド映画をもっと盛り上げていってほしいですね。いつか日本の俳優がテルグ映画に出てくれてもいい。僕らだって、日本の映画監督と仕事をしてみたいと思っているし、そういう未来があればいいなと思っています。映画というのは、国と国、違う文化をつなぐものだと思っていますから」

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 「それができれば、西洋の作品を超えることもできるでしょう。日本の侍や、僕らの国の伝統的な英雄がアベンジャーズに入ったりしても面白いと思いますよ。僕らがマーベルヒーローを演じるのではなく、僕らの国のヒーローが参加するんです」

 『バーフバリ』の日本公開時には、観客がペンライトを降りながら声援を贈り、タンバリンや鈴で映画を盛り上げる“絶叫上映”も実施された。『RRR』も応援上映にピッタリの作品だが、今はコロナ禍。NTR Jr.は「『バーフバリ』の絶叫上映の映像は観ていたんです! あれができないことだけが残念ですね」と悔しがりながらも「今度はぜひ、絶叫上映を体験するために二人で戻ってこようと思ってますよ!」と再来日を約束。ラームも「拍手ならコロナも関係ないですよね。ぜひそうやって『RRR』を応援してください」と呼びかけていた。

 短い滞在期間で、多数のインタビューにテレビ出演までこなし、怒涛のプロモーションを展開した二人だが、NTR Jr.は「インドで国中を回りながら、1日で20本分くらい、4日間で100本くらいの取材を二人でこなしたこともあったから大丈夫!」と笑顔。その後の舞台挨拶でも、心からのサービスでファンの熱烈な歓迎に応えていた。「日本の皆さんはとても謙虚で素晴らしい。東京を2つ目の故郷と言いたいくらいに感じています」というラームの言葉を信じて、再来日に期待したい。(編集部・入倉功一)

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