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「どうする家康」鳥居元忠役・音尾琢真、伏見城の戦いで「想像もしていなかった最期」

第42回「天下分け目」より音尾琢真演じる鳥居元忠
第42回「天下分け目」より音尾琢真演じる鳥居元忠 - (C)NHK

 松本潤が徳川家康役で主演を務める大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8時~NHK総合ほか)で、“三河武士の鑑”とも呼ばれる家康の忠臣・鳥居元忠(彦右衛門)を演じた音尾琢真。2015年放送の「花燃ゆ」以来8年ぶり、3度目の大河ドラマで約1年をかけて同役を演じた音尾が、クランクアップを迎えた心境や、退場回となった第42回の裏側、劇中で苦楽を共にした徳川家臣団を演じたメンバーとの絆を振り返った(※ネタバレあり)。

【画像】伏見城の戦い、鳥居元忠の名場面集

 音尾が演じた鳥居元忠は、鳥居家代々の家訓に従い、人質時代から家康に付き添い、生涯を通じて主君を守り続ける徳川一筋の忠義者という設定。とりわけ秀吉(ムロツヨシ)が天下をとった以降は、石川数正(松重豊)、大久保忠世(小手伸也)、酒井忠次(大森南朋)ら複数の家臣たちが出奔、死などさまざまな理由で姿を消していった。音尾は、クランクアップを迎えた気持ちを「次々と他の家臣団がアップしていったので、いつか自分もと思ってはいましたが、いざ迎えてみるとやっと抜け出せたような、寂しいような……。長いこと撮影していましたので、本当に終わったんだろうかと、実感が持てず不思議な気持ちです。でもこの作品に参加できて良かったなと、しみじみ感じております」と“ロス”を告白する。

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 元忠と言えば、第36回「於愛日記」では元武田の間者で長らく姿を消していた千代(古川琴音)を匿っていたことが判明し、突然のことで視聴者を驚かせた。千代は家康の妻・瀬名(有村架純)の死にもかかわりがあり、もともとは徳川と敵対する関係にあったが、家康は元忠と千代の関係を認める決断を下した。音尾自身、台本を読む前の段階では「はいつか寝首をかかれるのかなと想像していた」という。

 「役について学ぶ中で、武田家の女性をちゃっかり自分の奥様にしていたというエピソードは知っていたので、今作でも描かれるのかなと気にはなっていました。結果的に千代さんを妻にするという思いもよらない形で描かれました。当初は想定されていなかったそうですが、ある日突然、監督から“千代と結婚することになりそうなんですけど、彦さんどうですか”“武田の女性を見つけ出して妻にしたという言い伝えとジョイントした形にはなるんですけど……”と言われました。相手がまさかの千代ということで、台本を頂く前はいつか寝首をかかれるのかなと想像しましたが、いざ台本が完成すると、彦さんはOKだけど周りの皆が反対するという形。なるほど、と思いました。このエピソードを描いてくれて良かったなと思いましたけれど、これは千代人気が高かったから再登場させたんじゃないか!? と個人的には訝しんでおります(笑)」

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第41回より、家康と元忠が杯を交わしたシーン

 10月29日放送の第41回では、上杉景勝(津田寛治)ら豊臣派との決戦を前にした家康が、元忠に伏見城の留守を任せる場面が描かれた。家康と元忠が言葉を交わす最後のシーンとなり、音尾と松本の涙ながらの演技が視聴者を揺さぶった。撮影前の段階から「これは泣けるな」と松本と通じ合っていたそうだが、音尾は本シーンをこう振り返る。

 「事前に台本を読んでいる時点では、お互い涙する場面なのかなと想像はしつつも、泣けるのかな……一気にそこまでいけるのかな……と一人で考えていました。でも殿と予め読み合わせをして、目を見た時、『これは泣けるな』とすぐに分かりました。殿にもそう伝えると、『俺もやばい、泣く場面のもっと前から泣きそうでどうしよう』と言っていまして(笑)。戦のない太平の世を成し遂げるまでは涙の別れはしない、という思いでやっていたと思いますが、すぐ泣きたくなっちゃうらしいので。あの撮影の間、殿も泣かないように頑張っていたそうです。この作品を振り返ると、改めて殿って本当によく泣くなと思います(笑)。お芝居の中ですけど、松本潤という人は感情がピュアでよく泣けるというか。ストーリーの中にすっと入って涙を流される方で、いつもすごいなと思っていました。それがこのシーンでも、現れていたと思います。単純にセリフとセリフをぶつけ合うのではなく、役としての気持ちと気持ちの交換がきちんと出来る人なんだなと思っていました」

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第42回、伏見城の戦いで千代(古川琴音)と

~以下、第42回のネタバレを含みます~

 5日放送の第42回「天下分け目」では、「関ヶ原の戦い」の前哨戦とも呼ばれる「伏見城の戦い」が展開。家康に伏見城を託された元忠が宇喜多秀家(柳俊太郎)らが率いる西軍にわずかな軍で立ち向かい、奮戦のすえ最期を迎えた。音尾は元忠の最期を「幸せでしかない時間だった」と振り返る。

 「伏見城の戦いと言えば、“血天井”をご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、配下の皆さんとともに戦い抜いて死ぬ、古風な時代の男らしさというか。壮絶で孤独なにおいがするイメージでした。でも今作では千代さんが側にいるので、妙に幸せなムードもあるというのが新しいなと思いました。伏見城で千代と最後に言葉を交わすシーンで、僕は遠くを見ていました。そのシーンの撮影後、監督から『あれはどういう表情だったんですか。殿を思っていたんですか』と聞かれましたが、改めて振り返ると『違うなぁ』と思って……。武士として殿のために死ねるというだけで幸せなのに、隣をみたら千代がいて最期まで一緒にいられて更に幸せで。元忠さんにとっては、本当に幸せでしかない時間だったのかなと思いました。撮影が始まった頃には全く想像もしていなかった最期になりました。元忠さん一人で最期を迎えていたら、もっと混沌とした空気になっていたんじゃないかと思いますし、従来の戦国作品であればこういう描き方にはならないと思いますが、まだまだ幸せが続きそうとさえ思えるような、『どうする家康』ならではの新しい描き方になっていて良いなと思っています」

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 そして、石川数正、大久保忠世、酒井忠次、榊原康政(杉野遥亮)、本多忠勝(山田裕貴)ら徳川家臣団と過ごした日々を「家臣団メンバー皆が、クランクインしてからずっと変わらず持ち続けていた共通の思いがあると思っていて。それは、役として徳川家康という人を支えたいし、役者として松本潤さんという人を支えたいという気持ちです。それを、一人ひとりが、それぞれのやり方で実行してきたという感じがします。誰もが自分勝手じゃなくて。自分が“こうしたい”“こう魅せたい”ということよりも、何より殿を支えたいという気持ちを持って作品に参加していたと思うので、それが素晴らしいし、良いチームだったなと思っています」と振り返った。(編集部・石井百合子)

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