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まほのハリウッド日記10

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ドラマより凄い!!ERで、おいら腰抜かすの巻

第9回私が保険金をかけて、彼を殺せない理由の巻】を読む

                             

森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り, 現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々が続く。

 さてさて、前回お話ししたように、スケボーですッ転び、大泣きのなッさけない彼をつれた私は、いよいよ、公立病院のERにとやって参りました。

泣いてる彼には、悪いけど、ERといやー、Dr.ロス! ロス先生といえば、もちろんジョージ・クルーニー様!

 キャーーーーッッなんて、心躍らせる私なのでありました。うふふうふ。 …が!!!!

着いたERには、なぜか待ち合い室が。そして、大勢の人が…。 私は、?な状態で、受付に行くと、おばちゃん看護婦さんが無愛想に、順番待ちリストを差し出した。そうです。カラオケが、チョー込んでる時に書くあれです。でも、名前だけ。病名書くとこはなし。

私「あのー。ここERですよね。救急ですよね」 うなずく看護婦。

私「いや、あの、彼骨折してるみたいなんですけどー」

「じゃー私立の病院行って下さい。みんな待ってんです。」 と冷たいお返事。

ななななんてこった。いつもテキパキ動いてるあの映画の中の看護婦さんたちはどこ?? Dr.ロスはどこ?? モー一体なんてー国なんじゃ!! ここは、商売繁昌の日曜日のデニーズか!! 一通り、自分の中で、ガン切れした後。はっッと我に帰ると、遠くに心細そうに座っている彼を発見。

とりあえず、事情を説明しに、行く私。 なんか相当長引きそうだよーみたいなことを話していると、隣にいた、スパニッシュのおじさんが、話しかけてきた。 「にーちゃん覚悟しといたほーがいいゼ」 よく見ると、その人、右手に巻いたタオルは血だらけ。片手に、氷の一杯はいったビニール袋を持っている。い、いったいどうしたんすか??

聞けば、その人は、機械の事故で、過って指切っちゃって、もう3時間待ちとのこと。そして、もちろんそのビニール袋の中身は…。私、血圧10下がる。

彼は、まだまだ喋り続ける。 「いやいや、おれなんてまだイイって。あのおッさんは、もっとひどい」 その人は、BFと同じく、足をタオルでぐるぐる巻きにしていた。い、いったいどうしたんすか?? 聞けば、銃の手入れをしてて間違って自分の足の甲を撃っちゃったらしい。血圧またも低下。 そんな風に、まじでER!!ER!!して、余りの待ちの長さに、イライラしている人たちが、いっぱいいた。

そして、その人たちは、みーーんな、スパニッシュか、メキシカン、等の御国柄の人たち。英語を話してるのは、私のBFぐらいだったのでした。 なんか、アメリカってやっぱヘビーな国だ。なんて考えているうちに、けんか勃発。 メキシカンのおっちゃんvsメキシカンのおばちゃん。

待ち合い室に一個しかないテレビのチャンネルを巡り、死闘が、始まっていた。日本の口げんか王なんて、ほんと甘い。私は、スパニッシュわかんないにも関わらず、まじで、びびりまくり泣きそうに、なっていた。 スパニッシュも話せる、BFに訳してもらうと、どうやら、おっちゃんは、野球、おばちゃんは、電話相談のトークショー(アメリカ版みのさん番組みたいなもの)を見たいらしい。

まあ、日本でもよくある話ですな。夕食の場に。でも、この人たちは、夫婦でもなく、全くの赤の他人。しかも誰も止めない。そりゃそーだ。  さて、喧嘩も、大詰め。おばちゃんやや優勢かと思っていると、4歳くらいのちっちゃい子が、とことこやってきて、いきなりチャンネルをかえた。

 「ピカチュウウ!!!」 であります。
われらが、日本人で、今もっともアメリカでの人気者、ポケモンは、ここでも、大活躍なのでありました。

さすがに、これには、おじちゃんも、おばちゃんも、やる気をなくしたのか、結局、みんなでポケモンを見るはめに…。 ここで、私の血圧は、ついに最低値まで落ち込んだのでございます。いらつく病人。血だらけの人。ここは野戦病院かっちゅーねん!!
もーいや。ここには、いられません。

ふらふらの私は、 「PLESE!! PLEASE!! DONユT LEAVE ME!! (お願い!置いてかないで!!)」 と、スカートの裾を握りしめる彼の手をふりほどき、 「すまねーな」 と、泣いてる彼を見殺しにして、私は、そそくさと、マックさがしの旅へと旅立ったのでした。

それから、4時間後に、ようやく治療を受けた、彼を見て、私は、心の中で、「お家帰りたい…」と呟いたのでありました。 しかし、あの待ち合い室。ちょっと出番がおくれるだけで、スタッフに当り散らす、ビッチなどっかの女優さんどもに、見せてやりたかったなーーー。

森田まほ

                             

来週に続く…

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(皆様からいただいたメールから、まほちゃんはパワーをいただいているそうです。メールは編集部で1度受け取ってからまほちゃんへ渡されます。本人へ直接メールされるわけではありませんのでご了承下さい。また、いただいたメールはまほちゃんが必ず読んで出来る限りお返事を書きたいとのことです。)


FLiXムービーサイト内「まほのハリウッド日記」
maho@flix.co.jp

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