シネマトゥデイ

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小さいおうち
(C) 2014「小さいおうち」製作委員会
製作年:
2013年
製作国:
日本
日本公開:
2014年1月25日
上映時間:
配給:
松竹
カラー

チェック:第143回直木賞を受賞した中島京子の小説を、名匠・山田洋次が実写化したラブストーリー。とある屋敷でお手伝いさんだった親類が残した大学ノートを手にした青年が、そこにつづられていた恋愛模様とその裏に秘められた意外な真実を知る姿をハートウオーミングかつノスタルジックに描き出す。松たか子、黒木華、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子ら、実力派やベテランが結集。昭和モダンの建築様式を徹底再現した、舞台となる「小さいおうち」のセットにも目を見張る。

ストーリー:健史(妻夫木聡)の親類であった、タキ(倍賞千恵子)が残した大学ノート。それは晩年の彼女がつづっていた自叙伝であった。昭和11年、田舎から出てきた若き日のタキ(黒木華)は、東京の外れに赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働く。そこには、主人である雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)、二人の間に生まれた男の子が暮らしていた。穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。

小さいおうち
(C) 2014「小さいおうち」製作委員会

映画短評

  • 清水 節
    『永遠の0』への大いなるアンチテーゼ
    ★★★★
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     今を生きる若者が老人の追憶を通し、戦争へと向かった時代の真実を知る。骨格は『永遠の0』に似ているが、テーマは対照的だ。主役は、坂の上に建つモダンな家屋に住む小市民。排外的なナショナリズムが強まった昭和初期に、密かに咲いた道ならぬ恋。“小さな家”のささやかな秘密も罪も希望も、全ては“大きな歴史”に踏み潰されていく。
     
     あの頃の日本に美しき幻影を追い求め、やさしい言葉で勇ましく叫ぶ輩がのさばる危うい時代に、山田洋次は「長く生き過ぎた」と嘆息しながらも、いつか来た道を辿ってはいけないと厳かに警鐘を鳴らす。戦時下の営みに想像力を刺激され、悔恨の念にかられた者だけが、さめざめと泣くであろう。

  • 今 祥枝
    見事なまでの山田洋次節に対する驚嘆
    ★★★★
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    恐らく多くの熱烈な中島京子の原作のファンにとっては、冒頭から戸惑いを感じるに違いない。夫婦の関係性や同性愛の要素、タキのある行為をめぐる理由など、原作のキモと思われる部分の設定や解釈が大きく異なる(またはそう考えられる)からだ。

    映画はより戦争が一般市民の生活に落とす影=閉塞感を強調し、”家族”という社会の最小単位に重きを置いた翻案となっている。大筋は変わらず原作のエッセンスを汲んではいるが、その肌触りはかなり違う。最後まで観て改めて、冒頭の戸惑いは見事なまでの中島京子の世界から山田洋次節への変換に対する驚嘆へと変わる。それでこそ映画化の意味もあるというものだろう。

  • 森 直人
    キナ臭い時代の眩い時間――山田洋次の『風立ちぬ』か
    ★★★★★
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    山田洋次に欠いているのはセックスだとよく言われる。しかし今作は不倫、同性愛的な思慕を含む三角関係、脚フェチなど、谷崎的なモチーフで“人間の業”に突っ込む。こんなに艶めかしい山田作品は初めてだろう。

    同じ意味で強い印象を残すのは橋爪功演じる遊び人の作家だ。戦争に突入していく時代の中、「僕みたいなイイカゲンな人間が生きにくい世の中は嫌だね」的なことを呟く。不真面目の肯定。巨匠はここまで踏み込んで「自由」を訴えた。

    今の日本は窮屈な世の中になりキナ臭い気配を増している。そこに放たれた本作は失われた眩い時間と諸行無常を描く痛切なリアル・メルヘンとして、宮崎駿の『風立ちぬ』に相当する傑作ではないか。

動画

映画『小さいおうち』予告編
映画『小さいおうち』特報

ポスター/チラシ

  • 映画『小さいおうち』ポスター
    ポスター
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前売券特典

  • 映画『小さいおうち』香り袋
    香り袋

※数量や販売期間が限定されていたり、劇場によっては取扱が無い場合があります。


スタッフ

監督:
原作: 中島京子
脚本: 平松恵美子
音楽: 久石譲
撮影: 近森眞史
照明: 渡邊孝一
編集: 石井巌
録音: 岸田和美
プロデューサー: 深澤宏 / 斎藤寛之

キャスト

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    映画「小さいおうち」をTVで観ました。 話自体は戦時中に女中として仕えていた若き日のおばあちゃんが、奥様が浮気をしているらしいことを見つけてしまったので、さああどうしようという話です。 山田洋次監督らしい雰囲気でつづられます。 戦後の様子を知るのにいい… ...[外部サイトの続きを読む]
  • 『小さいおうち』を見た【映画】中島京子の直木賞小説を山田洋次監督が松たか子、黒木華、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子らで実写化 from カフェビショップ (2014年9月26日 6時57分)
    これはけっこう好きだなあ。 昭和ノスタルジーなとこもいいし、 秘めたる思いの物語っていうのもいいしで、 なかなかよかったっすね。 ここ最近の山田洋次監督の演出がどうも苦手なんすけどね。 俳優にコント調の演技をさせるのが どうもなあって感じなんすけどね。 … ...[外部サイトの続きを読む]
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    【ネタバレ注意】  山田洋次監督の『小さいおうち』を鑑賞して、こんなことがあるのかと驚いた。  本作は中島京子氏の小説に基づいて山田洋次監督と平松恵美子氏が脚本を書き、山田洋次監督みずからメガホンを取った作品だ。決して山田洋次監督のオリジナル企画ではない。  にもかかわらず、山田洋次監督と原作のシンクロぶりはどうだろう。私はこれが山田洋次監督のオリジナル作品と云われたら信じたに違... ...[外部サイトの続きを読む]
  • 小さいおうち ★★★☆☆ from センタのダイアリー (2014年2月15日 11時39分)
    太平洋戦争前の日本を舞台にした物語はとても興味深かった。 でも、俳優陣が何ともいつもの人たちなところは見ている側としてもマンネリ感があったことは否めない。 昭和初期が舞台のドラマでクリエイティブ系職業の人物はいつも吉岡秀隆というのも芸がないよねえ。 自分の倫理観から他人の恋愛に干渉して逆に後悔の念に苦しむ様は「つぐない」(2007)を思い出させる。 しかしながら、脚本... ...[外部サイトの続きを読む]
  • 原作ファンはつらいよ。巨匠、山田洋次監督作品『小さいおうち』分析 from For James Bond 007 Lovers Only (2014年2月15日 4時10分)
    原作ファンはつらいよ。巨匠、山田洋次監督作品『小さいおうち』分析 ...[外部サイトの続きを読む]
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