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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
(C) 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
英題:
BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)
製作年:
2014年
製作国:
アメリカ
日本公開:
2015年4月10日
(TOHOシネマズシャンテほか)
上映時間:
日本語字幕:
稲田嵯裕里
配給:
20世紀フォックス映画
カラー/ビスタサイズ

チェック:『バベル』などのアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督を務め、落ち目の俳優が現実と幻想のはざまで追い込まれるさまを描いたブラックコメディー。人気の落ちた俳優が、ブロードウェイの舞台で復活しようとする中で、不運と精神的なダメージを重ねていく姿を映す。ヒーロー映画の元主演俳優役に『バットマン』シリーズなどのマイケル・キートンがふんするほか、エドワード・ノートンやエマ・ストーン、ナオミ・ワッツらが共演。不条理なストーリーと独特の世界観、まるでワンカットで撮影されたかのようなカメラワークにも注目。

ストーリー:かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡(ふうび)した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の才能がリーガンを追い込む。さらに娘サム(エマ・ストーン)との不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始め……。

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
(C) 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

映画短評

  • 轟 夕起夫
    HEY YOU WHAT'S YOUR NAME? なんてね
    ★★★★
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    端的にいえば「世の中はすりばちで、人生はすりこぎ」とシャウトした左とん平師匠の名曲の映画化のような。崖っぷちの、ベテラン役者の苦悩とジタバタの日々……そこに目を付けたイニャリトゥ監督に「今どき、フェリーニの『81/2』をやる?」とツッコミつつ、自意識を可視化したバードマンほか分かりやすく現代批評を織り交ぜた今回の作風はウェルカムで、哀愁のブルースをシニカル(ドタバタ)コメディに巧みに転換してみせている。

    相手に不幸な身の上話をし、同情させといて「嘘だぴょーん、俺にだってこれくらいの芝居出来るわ!」とM・キートンが逆切れするところ最高。で、ラストは、スピッツの「空も飛べるはず」で劇終である。

  • ミルクマン斉藤
    M.キートンよりむしろE.ノートンやE.ストーン!
    ★★★★
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    物語を語るのに手管を弄しすぎるのがイニャリトゥ最大の欠点だが、いくらE.ルベツキが『ゼロ・グラビティ』でライヴアクションとCG(今回は主人公の自我)の融合による長回しを完成させたからとて、この撮影プランはあまりにあざと過ぎる(前作『BIUTIFUL』はほぼ普通の話法で成功していたのに)。大衆意識としてのヒーロー希求を結果的には肯定しているにせよ、ハリウッド人種の舞台&芸術コンプレックスにもいささか辟易。しかし劇場裏の狭隘なロケーションをも厭わぬ挑戦的なロングテイクが演者たちのグルーヴ感を促進させているのはびしびし感じられ、それをA.サンチェスのドラミングが煽る快感は凄いのだ。

  • 森 直人
    勝負作、あるいは(緻密な計算がもたらす周到な奇跡)
    ★★★★
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    いかにも「勝負作」で、実際勝利したのだから見事! イニャリトゥは『アモーレス・ペロス』から運命の悪循環を一貫して描いてきたが、同様の主題をアルトマン的諧謔の業界物として軽妙にスライドさせた。批評家とのバトルは『シェフ』に比べると極端だが、そのぶん爆笑!

    『ゼロ・グラビティ』の宇宙空間をトリッキーなロングテイクに応用したルベツキのカメラは素晴らしいが、むしろ作品組成を象徴しているのはA・サンチェスのドラムスコアだろう。フリージャズ的な即興のようで、実は極めて緻密なアンサンブルの賜物。

    思えば監督・撮影・音楽がメキシコ人。幻想と現実が混濁した表現はマジック・リアリズムの最新型とも呼べそうだ。

  • なかざわひでゆき
    映像もドラマも圧倒的なパワーを持った傑作
    ★★★★★
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     ヒーロー物やシリーズ物で溢れかえったハリウッド映画界、古臭い権威主義に凝り固まった演劇界、安上がりな名声が日々消費されるSNS文化など、あちらこちらに毒を吐きつつ、舞台に再起を賭ける落ちぶれた映画スターの受難を通じて、人間誰しもが持つ承認願望の根幹に切り込んだ傑作だと言えよう。
     さらに、ほとんど全編ワンカットにしか見えないばかりか、時間も空間も現実も妄想も自在に取り込み操りながら、縦横無尽に駆け回っていくカメラワークの見事なこと!これまでなんとなくお高くとまっているようで苦手だわ~と思っていたイニャリトゥ監督だが、このブッチギリに痛快なエネルギーとパワーにはひれ伏すばかり。

  • くれい響
    ブロードウェイ版『ブラック・スワン』…だけではない。
    ★★★★
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    デビュー作から鼻につく作品ばかりだったイニャリトゥ監督だが、一世一代の名演技を魅せるマイケル・キートンや未だにタイラー・ダーデンが抜け切れてないようなエドワード・ノートンなど、芸達者な俳優たちがガンガンぶつかり合り、ブラックな笑いを取る流れは、まるで三谷作品のよう。ショウビズ界内幕モノの展開も、まさに「ショウ・マスト・ゴー・オン」だ。つまり、構成も含め、ストレートで、万人受けしやすいところに落ち着いた感がある。もちろん、エマニュエル・ルベツキの功績はデカいし、同じフォックス・サーチライト作品『ブラック・スワン』のブロードウェイ版の印象は否めないが、イニャリトゥの最高傑作であることに間違いない。

  • 山縣みどり
    ダウナーからアッパーへ! イニャイトゥ監督が路線変更。
    ★★★★★
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    『バベル』や『21グラムズ』『ビューティフル』と勿体ぶった&ダウナーな作風だったイニャリトゥ監督作なのに、ミニマルな世界に人間の本音を小気味よくぶち込んだアッパーな物語に仕上がっていてうれしい驚きだ。とにかく登場人物が通り一遍の人間じゃないのが素晴らしい上、主要キャラが心情を露吐するモノローグも見る人のハートにキリキリと食い込む鋭さ。やはり人間、負けを認めることが大事だとつくづく思いました。底辺にいるからこそ起死回生できるしね。マーティン・スコセッシを含む脚色チームに神の恵みがあらんことを! 個人的にはブロードウェイ近辺のロケ地もツボで、セント・ジェームズ劇場の裏側が見えたのに感動。

  • 平沢 薫
    この映画には途切れがない、生きることのように
    ★★★★★
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     最初から最後まで、映像が途切れることがない。全編が1カットに見えるように撮影されているのは、生きることにもまた、カットによる場面転換などないからだ。主人公の行動についていく音楽が、予め構成を持つ曲ではなくドラムの即興演奏なのも、生きること自体には定まった構成などないからだ。

     そして、生きることのありとあらゆるものが詰め込まれている。自分の資質を否定し、それ以外になろうとすることの葛藤。ライバルとの戦い。家族への愛憎。人間ドラマで家族劇で舞台裏もの。スーパーヒーロー映画の大流行へのコメントもある。あらゆる瞬間が、真摯で悲愴なのに、笑おうと思えば笑うことも出来る。生きること自体のように。

  • 清水 節
    元ヒーロー役者の苦悩と悪夢を通し、「映画」の現状を鋭く射る!
    ★★★★★
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     元祖スーパーヒーロー映画で注目され、栄光にさいなまれ、もう一度認められたいと願う初老の男を“元バットマン俳優”が演じる。そう、虚構が現実に侵入する。認知されるだけならたやすいネット社会を揶揄し、壮大な幻想が支配する映画界をブラックな笑いで牽制しつつ、俳優の身体性とは? 真のエンターテインメントとは? と問う。時折ヒーローの囁きを聴く主人公の“超自我”ともいえる主観描写のキレ味が鋭い。それは、夢を抱かせる映像にどっぷりと浸かってきた現代人の内面そのものだ。ハリウッドの現状を憂いながらも、心の奥底にある飛翔願望が、実はヒーローを希求しているというメビウスの環のような作品構造に舌を巻く。

動画

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写真ギャラリー

Fox Searchlight Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

ポスター/チラシ

  • 映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』ポスター
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スタッフ

監督・脚本・製作:
プロダクションデザイナー: ケヴィン・トンプソン
衣装デザイナー: アルバート・ウォルスキー

キャスト

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