シネマトゥデイ

シネマトゥデイ
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サウルの息子
(C) 2015 Laokoon Filmgroup
英題:
SON OF SAUL
製作年:
2015年
製作国:
ハンガリー
日本公開:
2016年1月23日
(新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか)
上映時間:
配給:
ファインフィルムズ
配給協力:
ミモザフィルムズ
後援:
ハンガリー大使館 / イスラエル大使館
製作会社:
Laokoon Filmgroup
カラー/スタンダード

チェック:ハンガリー出身のネメシュ・ラースローがメガホンを取り、強制収容所に送り込まれたユダヤ人たちがたどる壮絶な宿命に迫る感動作。仲間たちの死体処理を請け負う主人公が、息子と思われる少年をユダヤ人としてきちんと葬るために収容所内を駆けずり回る2日間を活写する。主演を務めるのは詩や小説も手掛けるルーリグ・ゲーザ。第68回カンヌ国際映画祭にてグランプリに輝いた、ホロコーストの過酷な現実を描いた物語に言葉を失う。

ストーリー:1944年10月、ハンガリー系ユダヤ人のサウル(ルーリグ・ゲーザ)は、アウシュビッツ=ビルケナウ収容所でナチスから特殊部隊“ゾンダーコマンド”に選抜され、次々と到着する同胞たちの死体処理の仕事に就いていた。ある日、ガス室で息子らしき少年を発見した彼は、直後に殺されてしまったその少年の弔いをしようとするが……。

サウルの息子
(C) 2015 Laokoon Filmgroup

映画短評

  • 中山 治美
    アウシュヴィッツで正気を保つ方法
    ★★★★★
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    徹底的な一人称のカメラワークが印象的だ。
    周囲が見えないその手法は塚本晋也監督『野火』を彷彿とさせるが、目的は異なる。
    『野火』は目の前のことに精一杯であるのに対し、
    サウルは大量の死体も、ガス室の阿鼻叫喚も、見ないふり、聞こえてないふりをして
    ゾンダーコマンドの任務を黙々とこなしていたのではないだろうか。
    正気を保ち、人間らしくいる為に。
    その中見出した、ガス室で生き残った少年という希望。
    本当の息子かどうかは分からない。
    でも、それはどうでもいいのだ。
    彼を手厚く葬ることで、自分がそこに存在した証を託そうとしたのではないだろうか。
    それをも許さぬ戦争という狂気。
    ただただ、憎悪する。

  • なかざわひでゆき
    全く新しい視点からホロコーストを描いた傑作
    ★★★★★
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     ナチスのユダヤ人強制収容所で大勢の同胞をガス室へ送り、その死体処理までさせられるユダヤ人の男サウルが、自分の息子と思しき少年の遺体を埋葬しようと奔走する。
     通俗的なメロドラマ性を頑なに拒絶し、作劇的な要素の一切を排した本作は、ひたすら主人公の表情や行動にカメラの焦点を合わせることで、死体と汚物と絶望が異臭を漂わす強制収容所の暗澹たる日常を、まるで我々もその場にいるかのような臨場感で追体験させる。
     確かに極めて救いのない作品だが、だからこそ人間は希望なくしては生きられない動物であることも知らしめる。たとえそれが微かな一筋の光であったとしても、我々は確かに生を実感することができるのだ。

  • 山縣みどり
    恐ろしいのに目が離せないホロコースト物語
    ★★★★
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    生き残るためには他人など構ってられないような極限の状況で、捨てられない信念を貫こうとするゾンダーコマンド、サウルの心境がヒリヒリと痛い。サウルに密着する映像の視野は狭いが、それが逆にアウシュヴィッツの残酷な現実を明らかにするカメラワークが印象に残る。ガス室に送られた囚人の阿鼻叫喚とそれを耳にするサウルの表情で恐怖は十分伝わってくるし……。正直な話、物語が進むにつれ見るのが非常に辛くなるが、かといって目を離すこともできない。サウルの物語と平行して進行するゾンダーコマンドの反乱がサスペンス感を加えるが、やはり深く考えさせられるのは人間性を保つのは何なのかということ。

  • 平沢 薫
    目の前にあるものに圧倒され続ける
    ★★★★★
    »読む«閉じる

     最後まで緊迫感が持続する。臨場感にただ圧倒され続ける。カメラ視点がいつも主人公のすぐ近くにあり、長回しで、主人公の目の前にあるものだけを映し出し続ける。音も、音楽はなく、その場所で聞こえるさまざまな物音や人の声が聞こえてくる。なので、観客は主人公のすぐ後にいるような感覚に陥る。監督のメネシュ・ラースローは「ニーチェの馬」のタル・ベーラの助監督出身。モノクロ映画ではないがモノクロームの印象が残るのは、主人公がいつもコンクリートで塗り固められた薄暗い建造物の中にいて、たまに屋外に出ても周囲は夜なので、常に光が少なく色彩が失われているためだが、それは主人公の目に映る世界がそのようだからでもある。

動画

映画『サウルの息子』予告編

ポスター/チラシ

  • 映画『サウルの息子』ポスター
    ポスター
  • 映画『サウルの息子』チラシ
    チラシ
  • 映画『サウルの息子』チラシ
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スタッフ

監督・脚本:

キャスト

ビーダーマン:
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  • サウルの息子 from 映画のメモ帳+α (2016年3月6日 0時1分)
    サウルの息子(2015 ハンガリー) 原題   SAUL FIA 英題   SON OF SAUL 監督   ネメシュ・ラースロー 脚本   ネメシュ・ラースロー クララ・ロワイエ 撮影   エルデーイ・マーチャーシュ 音楽   メリシュ・ラースロー 出演   ルーリグ・ゲーザ モルナール・レヴェンテ       ユルス・レチン トッド・シャルモン ジョーテール・シャーンドル 第88回(2015年)アカデミー賞外国語映画賞受賞。第68回(2015年)カンヌ国際映画祭グランプリ。 ...[外部サイトの続きを読む]
  • カンヌ国際映画祭グランプリ/アカデミー外国語映画賞受賞「サウルの息子」とは何か? from エンターテイメント日誌 (2016年3月4日 15時51分)
    評価:A 公式サイトはこちら。 「サウルの息子」はカンヌ国際映画祭でグランプリ ...[外部サイトの続きを読む]
  • 映画:サウルの息子 SAUL FIA 狂気 vs 正気の狭間、を画く、21世紀ならではの「驚愕の1本」 from 日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~ (2016年2月18日 2時39分)
    カンヌ映画祭グランプリ作品。 なので、公開後はやめに行こうと決めていたが、なかなか足が向かない… 仕事後に、凄惨な状況を描くアウシュビッツ映画を観る気分には、とても なれないのだ!(笑) 結局、かろうじて日曜の仕事帰りに、やっと鑑賞。 オープニングでま... ...[外部サイトの続きを読む]
  • サウルの息子~失われた少年時代を求めて from 佐藤秀の徒然幻視録 (2016年2月16日 19時56分)
    公式サイト。ハンガリー映画。原題:Saul fia。英題:Son of Saul。ネメシュ・ラースロー監督。ルーリグ・ゲーザ、モルナール・レヴェンテ、ユルス・レチン、トッド・シャルモン、ジョー ... ...[外部サイトの続きを読む]
  • 「サウルの息子」:見えないものを見よ from 大江戸時夫の東京温度 (2016年2月13日 0時42分)
    映画『サウルの息子』は、新視点かつ生々しいことこの上ないアウシュビッツ映画。ハン ...[外部サイトの続きを読む]
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