シネマトゥデイ

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淵に立つ
(C) 2016映画「淵に立つ」製作委員会/COMME DES CINEMA
英題:
HARMONIUM
製作年:
2016年
製作国:
日本/フランス
日本公開:
2016年10月8日
(有楽町スバル座ほか)
上映時間:
制作プロダクション:
マウンテンゲートプロダクション
助成:
文化庁文化芸術振興費補助金
配給:
エレファントハウス / カルチャヴィル
カラー/ヨーロピアンビスタサイズ/DCP

チェック:『ほとりの朔子』などの深田晃司監督と、『私の男』などの浅野忠信がタッグを組んだ衝撃のヒューマンドラマ。ごく平凡な夫婦の前に突然ある男が現れたことにより、平穏だった日常に不協和音が響き始める様子を描き出す。『かぐらめ』などの筒井真理子と『下衆の愛』などの古舘寛治が夫婦を熱演。不可解で深淵なテーマに切り込んだストーリーに心揺さぶられる。

ストーリー:鈴岡家は郊外で小さな金属加工工場を営み、夫の利雄(古舘寛治)と妻の章江(筒井真理子)、10歳の娘・蛍(篠川桃音)は穏やかに暮らしていた。ある日、利雄の古い知り合いで、最近出所したばかりの草太郎(浅野忠信)がやってくる。利雄は妻に何の相談もなく彼に職を与え、自宅の空室を提供する。

淵に立つ
(C) 2016映画「淵に立つ」製作委員会/COMME DES CINEMA

映画短評

  • なかざわひでゆき
    夫婦とは、家族とは何か?を冷徹に見つめる問題作
    ★★★★
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     幸せそうに見える家族の日常が一人の異質な闖入者によって崩壊する、という設定は「テオレマ」を彷彿とさせるが、パゾリーニがブルジョワ階級の偽善と腐敗を暴いたのに対し、本作では夫婦や家族の絆と呼ばれるものに疑問を呈する。
     恐らく、見る者の価値観や人生経験によって賛否は大きく分かれるはずだ。実際、密度の濃厚な家庭環境で育ち、その強固な絆によって守られてきた筆者にとって、ここで描かれる家族観には漠然とした居心地の悪さや違和感を覚える。しかし、それこそが本作の意図するところなのだろう。
     夫婦や家族とはこうあるべき。そんな固定概念に風穴を開けるという意味で、これは極めて挑戦的な映画である。

  • 森 直人
    「映画狂」から本気の「闘争」へ――俊英作家のセカンドステージ
    ★★★★★
    »読む«閉じる

    『ほとりの朔子』までの深田晃司のメインエンジンが“自分の好きな映画を作る”=シネフィル的欲望だったとするなら、『さようなら』と今作は“世界を納得させる”ための勝負作に舵を切っていると思う。オルガンの音、赤いTシャツなどアクセントの強い象徴表現が置かれ、意味性を押し出した作り。しかも極めて明晰だ。

    「闖入者」のモチーフは二度目。つげ義春『李さん一家』の影響を公言していた『歓待』に比べると、今回はキリスト教の投入も含めて『テオレマ』度が高い。浅野忠信はあのテレンス・スタンプと同様にセクシュアルな存在だ。そしてパゾリーニのブルジョワ批判を、現代の家族一般を覆う虚偽と欺瞞の問題へ移行させている。

動画

浅野忠信、筒井真理子、古舘寛治ら出演!映画『淵に立つ』予告編
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写真ギャラリー

(C) 2016映画「淵に立つ」製作委員会/COMME DES CINEMA

ポスター/チラシ

  • 映画『淵に立つ』ポスター
    ポスター
  • 映画『淵に立つ』チラシ
    チラシ
  • 映画『淵に立つ』チラシ
    チラシ

スタッフ

監督・脚本・編集:
撮影: 根岸憲一
照明: 高村智
録音・効果: 吉方淳二
美術: 鈴木健介
音楽: 小野川浩幸
編集コンサルタント: ジュリアン・グレゴリー
サウンドデザイナー: オリヴィエ・ゴワナール
制作担当: 三村薫
ヘアメイク: 菅原美和子
スタイリスト: 村島恵子
プロデューサー: 新村裕 / 澤田正道
エグゼクティブプロデューサー: 福嶋更一郎 / 大山義人
制作プロデューサー: 戸山剛
企画プロデューサー: 米満一正
ラインプロデューサー: 南陽
編集協力: 海田恭子
デザイン: サイファ。

キャスト

八坂草太郎:
鈴岡利雄:
鈴岡章江:
山上孝司:
設楽篤:
鈴岡蛍:
鈴岡蛍(8年後):
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    公式サイト。日本=フランス、英題:Harmonium。カンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞受賞作。深田晃司監督。浅野忠信、古舘寛治、筒井真理子、太賀、三浦貴大、篠川桃音、真広佳奈。 ... ...[外部サイトの続きを読む]
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