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やなせたかしさん最後の「アンパンマン」映画は今年7月公開 テーマは「望郷と故郷の再建」

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「ありがとう! やなせたかし先生95歳おめでとう!」の会に飾られたやなせたかしさんの写真
「ありがとう! やなせたかし先生95歳おめでとう!」の会に飾られたやなせたかしさんの写真

 昨年10月13日に心不全のため94歳で逝去した漫画家のやなせたかしさんに感謝の意を表する「ありがとう! やなせたかし先生95歳おめでとう!」の会が、やなせさんの誕生日である6日、新宿NSビル内のイベントホールで行われた。この日の発表によると、今年7月5日に公開される映画『それいけ!アンパンマン りんごぼうやとみんなの願い』がやなせさんの関わった最後の映画になるといい、同作のテーマが「望郷と故郷の再建」であることが明かされた。

やなせたかし氏「94歳になりました」報告…画像ギャラリー

 本会が開催された2月6日は、やなせさんの誕生日。もしご存命ならば、この日に95歳になるはずだった。「アンパンマン」シリーズの原作を手掛けるフレーベル社のアンパンマン室の天野誠室長によると、本会はやなせ先生の生前の意向を汲んで「お別れ」ではなく、「ありがとう」という前向きな意図が込められた。かつて三越宣伝部に所属していたやなせさんは、昨年5月に日本橋三越本店で行われた「アンパンマンとやなせたかし展」の開催を非常に喜んでいたそうで、そのときに撮影された写真が祭壇に飾られた。

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 この日は、没後の昨年11月に出版された、やなせさんの最後の絵本「アンパンマンとりんごぼうや」を原作とした映画シリーズ第26作『それいけ!アンパンマン りんごぼうやとみんなの願い』の公開日が発表。昨夏にやなせさんがスタッフに向けたというラストメッセージも公開され、その中でやなせさんは、東日本大震災でバラバラになった村民が、困難に屈せずにもう一度愛する故郷を再建しようと努力する姿を伝えた新聞記事に感動したことを明かし、「これをもとに今回は望郷と故郷の再建ということをテーマにしました」とつづっている。

 世界にリンゴの木を植えるために旅をしている「りんごぼうや」が久しぶりに故郷を目指してくるという同作は、2012年から続く「復興3部作」の完結編。やなせさんは東日本大震災後に生涯現役を宣言すると、「復興3部作」として映画の原作に着手。2012年の『それいけ!アンパンマン よみがえれ バナナ島』は「復興」が、2013年の『それいけ!アンパンマン とばせ!希望のハンカチ』は「希望」がテーマとなっていた。

 この日はほかに、会場には近所の幼稚園児などおよそ200~250名の児童が来場。「愛と勇気」を送り続けてくれた「アンパンマンの先生」に「ありがとう」の言葉を送っていた。(取材・文:壬生智裕)

映画『それいけ!アンパンマン りんごぼうやとみんなの願い』は7月5日より全国公開

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