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霊的なものが見えてきて…『リング』脚本家・高橋洋の監督最新作を女優陣が振り返る

『ザ・ミソジニー』の高橋洋監督、中原翔子、河野知美、横井翔二郎
『ザ・ミソジニー』の高橋洋監督、中原翔子、河野知美、横井翔二郎

 24日、映画『リング』(1998)などの脚本家・高橋洋の監督最新作『ザ・ミソジニー』のワールドプレミア上映会が、新宿シネマカリテで開催中の特集上映「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2022」内で行われ、高橋監督と主演の中原翔子河野知美横井翔二郎らキャスト陣が出席し、撮影を振り返った。

【動画】映画『ザ・ミソジニー』予告編

 『ザ・ミソジニー』は、映画『リング』『女優霊』などJホラーを代表する作品の脚本家にして、映画監督としてもコンスタントに作品を発表し続ける、高橋洋の監督最新作。女優で劇作家のナオミ(中原)は、かつて自分の夫を略奪した女優ミズキ(河野)を夏の間だけ借りた山荘に呼び寄せ、芝居の稽古を始める。題材となるのは、ある謎めいた母親殺しの事件。母親を殺した娘を演じるうちにミズキは、事件が起きたのはこの屋敷ではないかと疑い始め、次第に二人の現実と物語の境界が曖昧となっていく。

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 ナオミ役の中原と高橋監督にとって、本作は10年ぶり、5度目となるタッグ作。「『怪談新耳袋』というシリーズから始まって、この作品で5本目になるんですけど、もう10年ぶりなんですよね」と振り返った中原は、「10年経っても、やっぱりこの人は変わらないなと思いました。前半は霊的なモードでいくんですけど、後半になるにつれて、だんだんとさく裂していく感じが、やっぱり昔から無邪気な監督だったよね……と思って。非常に楽しく演じることができました」と作品の出来栄えに手応えを感じている様子。

 一方の高橋監督は、本作のキャラクターについて「今回の映画って、登場人物がひとりで何役もやっているような、よくわからない輪郭があって、そもそも人間と幽霊の境界があやしい役。何かと交信している状態で、どんどん精神が拡張していく。現場でもわからないことを言い出したり、別人のようになる役なんです」と前置きしながら、「中原さんとは付き合いが長いので、勘どころをわきまえているというか。ひとつ間違えるとものすごく混沌としてしまう現場を締めていただきました」と中原に対する全幅の信頼を明かした。

イベントでは、水晶を鳴らした「邪気払い」も行われた

 さらに高橋監督が、今回の撮影について「だいたい物語の順番通りに撮ったんですけど、最初はお二人ともゴージャスな美女という感じで出てきたのが、だんだんとやつれていっていましたね」と語ると、ミズキ役の河野は「今回は現場自体がホラー。実際に霊的なものが見えてしまったり。いろんなものが降りてきた感じがあった」と告白。「顔も含め精神が病んで闇に墜ちていく感じがあって。追い込まれていく感覚と、台本のミズキがどんどん分離していって。だんだんどれが本当の自分がわからなくなって。このカオスになった状態が最終的には正しいんだなと思いました」という河野の言葉に、高橋監督が「そう言ってもらって、すごくうれしかったですよ」と笑顔を見せると、河野は「なんだか告白されたみたい」と照れくさそうな顔を見せた。

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 最後に中原は、観客に向けて「ワールドプレミアということで、皆さんと一緒に拝見できてうれしかったです。受け止めきれない部分もあるかもしれませんが、9月からの本公開であらためて観ていただければ、こういうことなんだとわかると思いますし、シスターフッド映画でもあると思うので、女性同士が共闘していくところも何度も楽しんでいただければ」とメッセージ。高橋監督も「最近は悔しいことに台湾ホラーの勢いがすごくて、日本はなかなかお金をかけられる映画を作ることができないですが、低予算なりの戦い方で、日本からでしか発信できないものをやってみようと思って作りました。これはこれで、新しいエンターテインメントの形としてつながっていくんじゃないかなと思っているので、気に入ったらぜひ話題にしていただけたら」と呼びかけていた。(取材・文:壬生智裕)

映画『ザ・ミソジニー』は9月9日より新宿シネマカリテほかにて公開予定

Jホラーの先駆者・高橋洋監督作『ザ・ミソジニー』予告編 » 動画の詳細
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