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クリストファー・ノーランをブチ切れさせたワーナー、復縁希望

戻って来て! - クリストファー・ノーラン監督
戻って来て! - クリストファー・ノーラン監督 - Tony Barson / FilmMagic / Getty Images

 2021年公開の新作映画全てをアメリカでは劇場公開と同時に動画配信サービス「HBO Max」で配信すると決めたことでクリストファー・ノーラン監督をブチ切れさせてしまった米ワーナー・ブラザースが、復縁を希望している。共同CEOのマイケル・デ・ルカパム・アブディがVarietyに語った。

【動画】米ではR指定!ノーラン新作『オッペンハイマー』予告編

 ノーラン監督は、2002年の映画『インソムニア』以降、『インセプション』、『ダークナイト』3部作、『ダンケルク』そして前作『TENET テネット』に至るまで全ての映画をワーナー配給で公開するなど(※『プレステージ』の米配給はディズニーだが海外配給はワーナー、『インターステラー』の米配給はパラマウントだが海外配給はワーナー)、両者は蜜月関係にあった。しかし2020年12月、ワーナーによる突然の同時配信決定の報を受けてノーラン監督は激怒。

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 「われわれの業界の有名なフィルムメイカーや映画スターたちは夜、自分たちは最も偉大な映画スタジオと仕事をしていると思って眠りについた。そして次の朝、自分たちは最低のストリーミングサービスのために働いていると知ったのだ」と The Hollywood Reporter に怒りの声明を発表したほか、Entertainment Tonight のインタビューでも「不信感だ。特に彼らのやり方に対してね」とワーナーを批判。

 「2021年のワーナーのラインナップは、世界トップのフィルムメイカーたちと大スターたちが何年にもわたって作り上げた彼らにとってとても大事な映画で、映画館で鑑賞されるはずのものだった。それが何の相談もなしに、駆け出しのストリーミングサービスの客寄せの激安商品として利用されている。だからこそ大変な物議を醸している。本当に滅茶苦茶だ。本物のおとり商法だ。フィルムメイカーやスターたち、こうしたプロジェクトの数々に力を注いだ人々をこのように扱うべきではない。彼らは彼らの作品に何が起こるのか、事前に相談されるべきだった」と続け、短期的な利益のために、パンデミックが言い訳として利用されていると一刀両断にした。

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 その結果、ノーラン監督はワーナーと袂を分かち、新作『オッペンハイマー(原題) / Oppenheimer』はユニバーサル・ピクチャーズの下で公開することに。ワーナーは稼ぎ頭の一人を失うことになった。

 しかし昨年4月、ワーナーメディアとディスカバリーが統合して新たにワーナー・ブラザース・ディスカバリーが誕生。新CEOデイビッド・ザスラフの下、劇場公開映画を重視する新体制となり、現在はノーラン監督との復縁を望んでいるのだという。

 今回、デ・ルカは「われわれはノーランが戻ってくることを願っています。そしてその可能性はあると思います」と語り、アブディ共々、ノーラン監督との関係修復に希望を持っていると明かす。関係者がVarietyに語ったところによると、ワーナーは過去8か月のうちに『TENET テネット』の“善意のボーナス”としてノーラン監督に数百万ドルの小切手を送っており、これには壊れてしまった両者の関係を修復したいという思惑も込められているとのこと。次回作についてはまたユニバーサルが強大なライバルになる可能性はあるものの、ノーラン監督も『オッペンハイマー(原題)』のポストプロダクションをワーナーで行うなど、ワーナーへの歩み寄りの姿勢を見せはじめたと伝えている。

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 なお、ノーラン監督の新作『オッペンハイマー(原題)』は、キリアン・マーフィが「原爆の父」と呼ばれた米物理学者ロバート・オッペンハイマーにふんした作品。エミリー・ブラントマット・デイモンロバート・ダウニー・Jrフローレンス・ピューラミ・マレックケネス・ブラナーらオールスターキャストが脇を固め、実写撮影にこだわるノーラン監督が核爆発描写をCGなしで再現している。7月21日に全米公開。(編集部・市川遥)

Oppenheimer | New Trailer » 動画の詳細
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