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井浦新、真木よう子との芝居は幸せ 今泉力哉監督『アンダーカレント』湯布院映画祭でお披露目

井浦新、5年ぶりの湯布院映画祭!
井浦新、5年ぶりの湯布院映画祭!

 俳優の井浦新が26日、大分県由布市で開催中の第48回湯布院映画祭で行われた映画『アンダーカレント』の特別試写に平石明弘プロデューサーと出席。主演の真木よう子との芝居を振り返り、「一緒に芝居をしていくというのは、とても幸せでした」としみじみ語った。

【動画】真木よう子×今泉力哉監督『アンダーカレント』特報

 2004年に出版されてから19年、長きにわたって読み継がれてきた豊田徹也の同名コミックを今泉力哉監督が実写化した本作は、夫が失踪してしまった女性が、ある男性と共同生活を送りながら、家業の銭湯を切り盛りしていくさまを描き出す。真木にとっては、2018年公開の『焼肉ドラゴン』以来、5年ぶりの主演映画。本作が銭湯を舞台としているということもあり、国内でも有数の温泉地として知られる湯布院で上映されることとなった。なお、本作が一般の観客へ披露されるのは、この日が初となった。

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 稼業の銭湯を継いだ主人公・かなえ(真木)のもとに「ここで働かせてほしい」と現れる謎の男・堀を演じた井浦。彼が湯布院映画祭に登壇するのは、2018年に上映された白石和彌監督の『止められるか、俺たちを』以来5年ぶりだ。

 つねづね「真木さんとお芝居がしたかった」と熱望していたという井浦だが、「ただ今回の映画では真木さんと二人芝居のようになるので怖かった。でもその分、怖さが全部楽しみに変わっていくわけですが」と述懐。真木とは大森立嗣監督作『さよなら渓谷』以来の共演となるそうで、「あの時はワンシーンくらいの共演でした。ワンシーンだからこそ、一瞬でお互いを全部出し切るみたいな芝居場だったんですが、今回は時間をかけて、一緒に作品をつくっていくという流れがあった。真木よう子が芝居を越えて、どんどん、かなえになっていく。そういう姿を目の前で見ることができたので、僕は『すごい現場にいる。今、目の前でとんでもないことが起きている』と思いました。今泉監督のもとで、真木よう子さんと一緒に芝居をしていくというのは、とても幸せでした」としみじみ語った。

 真木の迫真の芝居が、井浦の芝居にも大きな変化をもたらした。「最初は台本を読み込んで、頭の中でイメージ作っていくのですが、初日、2日と一緒につくりあげていく中で、かなえと堀のリズムがどんどん反響し合って、仕上がっていく感じがありました」

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湯布院映画祭に登場した井浦新&平石明弘プロデューサー

 辛口で知られる湯布院映画祭の観客だが、今泉監督の新境地ともいうべき新作に心揺さぶられた人が多かったようで、熱のこもった感想が続々と寄せられた。「(143分の)上映時間は長かったが、しかしそれがゆったりとした時間の流れをかもし出していて心地よかった」「ひとつひとつのシーンに意味があって、それが良かった」「撮影も、音響も、俳優も、脚本もすべてがすばらしかった」という意見からはじまり、果ては「今年のベストテンの男優賞、女優賞には、この中(真木、井浦、リリー・フランキー、永山瑛太ら)から選ばれるということは断言しておきます!」という意見まで飛び出した。

 さまざまな解釈ができるラストシーンについても、喧々(けんけん)諤々(がくがく)の意見交換がわき起こった。その中のひとつの意見に、井浦が「その意見は新鮮でした」と感心した様子で語るなど、シンポジウムは終始大盛り上がりとなった。

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 最後に井浦が「今泉監督というのは映画界で、“恋愛映画の旗手”なんて呼ばれていますけど、今までの作品だと、10代、20代の男女のきらめきだったり、葛藤だったり、というものを撮られてきている方でした。でもこの作品は、原作があるということもありますけど、若者たちが出てこない、今までの青春映画とは違うものとなっていて、ある種のチャレンジになったと思うんです」と語ると、「現場でも、俳優部の人数が本当に少なくて。その時点でも今泉作品としては珍しいことだったと思います。しかもその中で、それぞれに主演で立っているような熟練の俳優さんたちが集まってきている。そういうバケモノのような人たちを扱っていくのも初めてだったと思うんです。そういう今泉監督の系譜の中で『アンダーカレント』という作品を観ていただくと、この作品の見方というか。これって今泉作品なの? と思うような面白さがあります」とコメント。

 「この作品は10月6日公開ですが、またそこで観ていただくと違った印象を受けると思います。バケモノみたいな俳優たちが集まっているんですけど、僕もあらためて観ると、けっこうこの人たちも変なことをやってたんだなと気付かされて。それを観ながら笑ってしまうんです。例えば真木さんの芝居も、現場では圧倒されていただけだったんですけど、あらためて観るとけっこういろんなことを仕掛けてきていたんだなと気付かされて。すごいなと思うわけですが。いろんな楽しみ方があるので、ぜひまたご覧ください」と観客に呼びかけた。(取材・文:壬生智裕)

映画『アンダーカレント』は10月6日全国公開

真木よう子×今泉力哉監督『アンダーカレント』特報 » 動画の詳細
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