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『ザ・クリエイター』正しい未来描写にロボット博士驚愕 ギャレス・エドワーズ監督は「スーパーオタク」

古田貴之所長、ギャレス・エドワーズ監督、BE:FIRSTのLEO
古田貴之所長、ギャレス・エドワーズ監督、BE:FIRSTのLEO

 映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)などで知られるギャレス・エドワーズ監督が18日、六本木アカデミーヒルズで行われた、監督最新作『ザ・クリエイター/創造者』来日記念トークセッションに出席、AIと人間との共存などのテーマを、映画好きで知られるダンス&ボーカルグループBE:FIRSTLEO、千葉工業大学未来ロボット技術研究センター・fuRoの所長でロボットクリエーターの古田貴之らと語り合った。

【画像】BE:FIRST・LEO、ギャレス・エドワーズ監督と対面!来日記念トークセッション

 人類とAIの戦争が激化する近未来を舞台にした本作は、人類を滅ぼす兵器の創造者“クリエイター”の抹殺を命じられた元特殊部隊員が、とある理由から超進化型AIの少女・アルフィーを守るために戦うことになるSFアクション。

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 この日の会場内には、報道陣のほかに、ロボット研究者や映画ファンも来場。エドワーズ監督は「アリガト!」と観客に感謝の思いを述べると、「日本がこの映画のプロモーションツアーの最後の場所になるわけですが、日本ほどそれにふさわしい場所はありません。この映画は日本でも撮影されたんですが、昨日はそのロケ地にも行くことができました。自分は日本映画の大ファンなので、本当にうれしく思います」とあいさつ。さらに「この作品は日本へのラブレターなんです。日本には黒澤明作品のような傑作がありますし、日本のデザイン、たとえばソニーのウォークマンや任天堂など、いろいろな製品のデザインを、この映画のロボットや車輌の中に取り入れています。日本の文化的なもののデザインを参考にさせてもらったからこそ、日本にお返しをしなきゃと思っているわけです」と日本への思いを語った。

 本作では、AIと人間との関係性が軸になっているが、エドワーズ監督は「自分は個人的にはAIに関しては楽天的な方。AIからは多くのものがもたらされてきたと思う。この技術がなければ、コロナ禍において、ここまで早くワクチンを開発することはできなかった。自分は、AIが人類の終わりをもたらすかもしれないという、小さな可能性をもとに映画を作ったわけですが、どちらかというとAI寄りの立場の映画なので、将来、僕のことをAIが助けてくれるかもしれないですね」と冗談めかしてコメント。

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 そんなエドワーズ監督について、古田所長は「尊敬と敬意をこめて、スーパーオタクと評させていただきたい」と語ると「ロボット映画は数多くありましたけど、われわれの目から見ると、この映画が正しい未来の描写をしていて。ドキュメンタリーのように見えたんです。自我を持つAIという技術について、意外とこういう映画はうそをついていることが多いんですけど、この映画では、どうしてAIに自我の技術がインストールされているのか、どうしてAIのロボットがあんな形なのか。未来の技術が正しく描かれている。恐るべしです」と絶賛。「僕はこの作品を学会推奨の教育用として上映したい」「学生にもしっかりと見せたい」など大絶賛だった。

 さらにエドワーズ監督は、人間とAIの関係性について「実は数年前にAIで音楽を作れないかなと思って、AIで音楽をつくる会社にアプローチをしたことがあった。そこでお気に入りの作曲家はと聞かれて、(本作の音楽を担当する)ハンス・ジマーと言ったんです」と述懐。そのリクエストをもとに作られた音楽について「とてもいい音楽だったんですが、評価をするなら10点中、7点か8点くらいだった」と振り返った。

 「僕がハンス・ジマーに頼んだのは、10点満点がほしいから」と続けたエドワーズ監督は「AIはいろんな音楽データやサンプルを集めて平均化したものを出してくれるけど、それは天才的なものではない。人間なら、音楽の秀逸な部分、そうでない部分という思考を自然に持っているものだと思う。もしかしたらもっとトレーニングを施せば、AIの思考回路をそこまで育てることができるかもしれない。そうすれば今後、見たことがない新しいアートをもたらしてくれるということもあるかもしれない。だから映画に関してはAI前と、AI後という形に分かれるのかもしれないですが、自分としてはわりとAIに対しては楽観的で、好意的に見ています」とその思いを語った。(取材・文:壬生智裕)

映画『ザ・クリエイター/創造者』は10月20日より全国公開

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