シネマトゥデイ

シネマトゥデイ
 シャーリズ・セロン インタビュー
 


『スウィ ート・ノベンバー』で仕事中毒の大富豪(リーヴス)は、毎月のように新しい恋人を作りながら、自 由気ままに生きている女性(セロン)にめぐり逢う。

彼女は彼が抱える心の悩み を解決する手助けをするべく、1ヵ月間彼女と一緒に過ごすようもちかける。彼 は彼女に恋してしまうが、そこで彼はなぜ彼女が一人の男性と長く付き合うこと を避けているのか、その理由に気付くのだった。  

主演のシャーリ-ズ・セロンは、ジョン・アーヴィングのベストセラーの映画 化で1999年度アカデミー賞2部門に輝いた『サイダーハウス・ルール』で、トビ ー・マグワイアとオスカー俳優マイケル・ケインと共演。その他の近作には、ロ バート・デ・ニーロ、キューバ・グッティング・JRと共演した『ザ・ダイバー 』、ウィル・スミス、マット・デイモンと共演したロバート・レッドフォード監 督作品『バガー・ヴァンスの伝説』、そして4月にコメディ“Wakin' Up In Reno”が全米公開されたばかりである。

 


メイクや衣裳は役柄に真実味を 持たせるためにとても重要なものなの
Q 今回演じた女性はヒッピーのような自由人ですが、彼女のそんなところに魅 かれたんですね? 

シャーリーズ・セロン(以下T): ええ。私、思うんだけど、誰でも自分のこ とをサラ(今回の役名)のような人間だと思いたいんじゃないかしら。だって、 彼女みたいに恐れを知らない生き方ができるって、素晴らしいことだもの。彼女は何事にも勇敢に取り組んでいくし、どんな時にも喜びを感じて生きているの よ。それに彼女にはとても楽しく幸せな面と、とても悲しく憂鬱な面があって、 そういう二面性には俳優として演じるのが待ちきれないと思わせる魅力があるわね。そんな役柄の持つ魅力と、作品全体の雰囲気にとても魅かれたの。『スウィ ート・ノベンバー』みたいな作品はほとんど出たことがないし、普段の私って、 サラのような二面性とは無縁だから。

 
この作品のように、女性が男性の人生に大きな影響を与えて、その人のこと を変えていくなんていうことが本当にできると思いますか?
ええ。ただ、誰かのことを変えたいと思うことと、誰かの内面 にある何か、 本人すら自分の内面にあることに気付いていない別の自分の存在に気付かせてあ げるということは微妙に違うと思うの。その人の内面にありもしないものにその 人を変えようとしても、それはできるとは思えないわ。でも、誰かと親しい関係 になると、その人が秘めている可能性を見つけて、そのことに気付かせてあげよ うとすることはできるわ。つまり、誰かのことをただ変えてあげる、ということ とは微妙に違うものなのよ。
  演じる役柄を自分のものにするのには、 外見から入って内面を掴んでいくこともあれば、 その逆の場合もある
皆があなたを見る眼はどうでしょう。これまでと同じような見られ方をして いると思いますか?
ドレスを着て色々な場所に出かけたり、色々な雑誌の表紙になったりする と、人は「ほら、あれが彼女だ、彼女はああいう生き方しかできないのさ。彼女 にはアルマーニのドレスを着て出られる映画を見つけてやらなきゃ」なんて言い 出すのよね。そんな風に皆に思われているかと思うと、今回の仕事はやりにくか ったわ。だって、本当の私はかなりサラと似たような格好をしているんだもの。 バギー・ジーンズを履いてたり、Tシャツを着てたりね。サラは皆が私に抱いて いるイメージとはかなり違うから、そういう意味では私はこの役には適役じゃな いかもしれないわね。時々自分が、綺麗なドレスしか着られないような女性とは 違うんだって認められるために頑張っているような気がするんだけど、今回の作 品ではキアヌ(リーヴス)も、(プロデューサーの)アーウィン・ストッフも、 『ディアボロス』で私のことを知っていてくれたでしょう。彼らは私がこの役を 魅力的に演じてみせるって信じてくれていたから、そのことを認めさせるのに必 死になる必要はなかったわ。
演じている役柄の女性のような格好をすると、その役柄になりきれると感じ ることはありますか?

ええ、まさにそう感じるわ。演じる役柄を自分のものにするのには、外見か ら入って内面を掴んでいくこともあれば、その逆の場合もあるんだけど、サラ役 はその両方の組み合わせだったの。サラの格好をすることは、彼女がどんな女性 なのかをより深く掴むためにとても役立ったわ。映画を見ていると、完璧なメイ クに完璧なヘアスタイルで目を覚まして「私とても疲れてるの」なんて言うシー ンがあるでしょ? でも、それって人が疲れている時の顔じゃないわよね。つま り、私にとってメイクや衣裳は、役柄に真実味を持たせるためにとても重要なも のなの。俳優として、演じる役柄になりきってその気持ちを掴もうと思ったら、 その役柄に外見上なりきろうとするっていう方法があってもいいと思うのよ。 『バガー・ヴァンスの伝説』の時は帽子と手袋が役に立ったわ。手袋をはめて帽 子を被るだけで「私は南部の女よ。ミント・ジューレプを持って来てちょうだ い」っていう気分になったもの。

Q あなたのお母様は、映画の中のあなたをご覧になるのが辛いと思われること があるんじゃないでしょうか。
ええ。時々、ママが撮影現場からいなくなっちゃったことがあったんだけ ど、私はただママが退屈して帰っちゃったんだと思ってたわ。でも、本当は撮影 を見ているのがちょっと辛かったのね。ママは撮影を見ていると感情的になっち ゃうの。実際にそうなったところを見たことがあるけど、ママは映画を見てとて も感情的になってたわ。おかしな話だけど、ママだけではなくて私も映画を見る と感情的になってしまうの。今もよく覚えているけど、『ディアボロス』や『ト ゥー・デイズ』を初めて見た時、人が死ぬシーンで本当に怖くなっちゃったの。 そういう場面を見るのって、時々本当に辛い気持ちになるわ。
  皆が感動して涙を流してくれたって聞くと本当に嬉しいわ
Q あなたはご自分自身の出演作品はご覧になるんですか?
同じ映画を二度見ることがあるわ。映画の中の自分を見て「なんて声を出 しているのかしら!」とか「ああ、もう見ていられないわ!」なんて思ってしま う時はとても辛いのよ。リハーサルもして、台詞も覚えて、やるべきことは全て やったのに、出来あがったフィルムを見て「ああ、もう一回だけ撮り直しをさせ てくれたら、もっと上手にできるのに!」なんて思ってしまうのは本当に辛い わ。でも、それは映画を創造していくのに避けては通れないプロセスなのよね。 二度、三度と映画を見ていくうちに、そうやって後悔ばかりする辛い時間を何と かやり過ごすことができて、やっと映画そのものを楽しめるようになるんだわ。 これは全ての俳優、何かを創造しようとする誰もが経験していることだと思う。 自分の作品を見て「うん、これは完璧だ」。なんて思える瞬間はあり得ないと思 うの。創造的な人ほど、そんなことを感じることはできないと思う。だって、そ う思った途端、創造的なプロセスは止まってしまうもの。
Q この映画であなたが演じた女性は、人生や仕事についてとても優れた視野を 持っていて、物事を正しく判断できる人物ですが、あなたの実生活の中ではどう やってそのような視野を持つことができるでしょうか?

そうね、親に叩かれて叱られるということも時にはいいのかもしれないわ ね。私のママはそういう意味でとてもいい親なの。私を叩いてもママは外国人だから逮捕されないし(笑)。だからママは今でもそうやって叱るのよ。もっと簡 単なのは、信頼できる人達に周りにいてもらうことじゃないかと思うわ。自分の ことを本当によく理解してくれて、頼りになる助言をしてくれるような人達に ね。そういう人達は、私が間違った方向に進みそうになるとちゃんとそのことを 教えてくれるでしょ。

だから正しい生き方が見つけ易くなると思うの。時々、 「どうしてこの飛行機に乗らなきゃいけないの?」とか、「どうしてあの飛行機 じゃダメなの?」とか、「どうしてここにいちゃいけないの?」とか、そんな風 に思ったりすることがあるの。皆だって「私、何がいけないのかしら?」とか、 「私どうして文句を言っているのかしら?」なんて思うことがあるでしょう?そ んな時、自分のことを真剣に考えてくれていて、何か間違ったことをしたらそれ を正してくれようとする人達が周りにいて、適切な助言をしてくれると、自分が どうしなきゃいけないかっていうことが見つけ易くなると思うの。

Q この映画を見て、多くの観客が涙を流しているようですね。
ほんと、素敵なことだわ。自分の仕事が他の人々を感動させることができ るなんて、とても素晴らしいことだと思う。映画の中の世界が非現実であること を忘れて感動してもらえるなんてね。そんな風に(多くの人が自分の作品に感動 したと)言ってもらえるのは、私にとってこれ以上ない誉め言葉よ。だって私達 俳優はまさにそのために頑張っているんだもの。映画を見てくれる人達の感情を 解き放ってその心を揺さぶりたいと思っているんだから、皆が感動して涙を流し てくれたって聞くと本当に嬉しいわ。
  年上の男性ってとっても素敵
Q 何かお気に入りの恋愛映画はありますか?
ええ、『ある愛の詩』とか『ティファニーで朝食を』とか、昔のラヴストー リーが好きなの。一番のお気に入りはラッセ・ハルストレム監督の『ワンス・ア ラウンド』ね。最も悲しい恋のお話だと思うわ。この映画の中のホリー・ハンタ ーとリチャード・ドレイファスの関係って、何と言ったらいいかしら、私この映 画を16歳の頃に見たんだけど、2人を見てあんな風に年上の男性にめぐり逢うこ とができたらどんなに素敵かしら、なんて考えていたのよ。本当にそういう映画 が大好きなんだと思うわ。
Q 年上の男性には魅力を感じますか?
ええ、年上の男性ってとっても素敵。アンソニー・ホプキンスなんて、特に 素敵だわ。特に『羊たちの沈黙』と『ハンニバル』でレクター博士を演じている 時の彼に魅かれるの。瞬きもせずにクラリスをじっと見つめている彼といったら ……どうしてそんな彼に魅かれるのかしら。私、他の人達が何歳なのか、全然わ からないのよ。友達の歳も知らないし、そのせいで時々友達を怒らせちゃうこと もあるけど、年齢がそんなに重要なことだなんて思ったこともないの。人との関 係で、歳なんて気にしたことはないわ。そうは言っても、男の子とのお付き合い は17歳以上の子にしなさいって言われちゃったからそうしているけど。でも、年 齢のことを気にし過ぎるあまり、おかしくなっちゃうことってあるじゃない。 私、自分の犬が5歳だと思っていたんだけど、ママに「何言ってるの、あなたの 犬は6歳よ」って言われて、私って飼い主として失格かしらなんて思ったりした けど、そんな風に考えるのはおかしいでしょ。本当に、年齢なんて私にとって全 然重要なことじゃないのよ。
リース・エスポジット/訳 東條太 郎
[PR]

この記事を共有する

映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
スポンサード リンク
スポンサード リンク