シネマトゥデイ


情報誌等で活躍するライターや編集者が毎月5本の映画を評価! 映画を観ることに関しては‘プロ’には違いないが、プロといえども人の子。作品の出来の善し悪しに関わらず、好き、嫌いはどうしてもつきまとう。このコーナーでは作品評価の他に個人的な好みを★5段階で表現した。ただしあくまで映画は私的なものなので、ここでの評価が低いからといって読者にとってつまらない映画かといえば……それは劇場へ行って自分の目で確かめよう!

 

-近況など-

映画ライター
テトリスぐらいしかゲームをやった事がない。以前にベン・アフレッ
クが、アメリカでは日本産の格闘ゲームの影響でキャラがしゃべる日本語が流行ってるって言ってた。そんなに熱いのか。入門編は何がいいんでしょう?
ライター
最近の試写で気に入ったのは『ロード・トゥー・パーディション』。父と子の話に不覚にも涙。で、この映画には『トータル・フィアーズ』でロシアの大統領してたシアラン・ハインズが出てた。苦虫かみつぶしたようなオヤジ顔はどうも気になる私。趣味ってやつか?

編集者&ライター
買ったまま放っておいた「ゴッドファーザー」(ソニマガ)を読む。コッポラ、マーロン・ブランド、アル・パチーノらの逸話や舞台裏話はどんな映画よりもドラマチック。それにしても映画製作って心臓に悪いもんだとしみじみ。

アイス・エイジ

ストーリー: アメリカで公開されるや否や、記録的なオープニング興行成績を飾った大ヒットアニメが遂に日本に上陸する。人間が出現し始めた氷河期を舞台に、マンモス、ナマケモノ、サーベルタイガー、そして人間の赤ん坊が、彼らを取り巻く動物たちと共に繰り広げる、ユニークで心温まるロードムービー。予告編で大人気となった"ネズミリス"スクラットなど、個性的なキャラクターが多数登場。CGIアニメーションの映像で描く大自然も、迫力満点だ。
日本公開: 公開中
(日劇3他全国東宝洋画系)
配給: 20世紀フォックス映画
(C)2002 Fox and its related entities. All rights reserved.


フルCGアニメって物凄く手間とお金がかかってるって宣伝されてるので、毛並みやら動きの滑らかさなんてディテールを一生懸命見ちゃう。それで、まあ当然比較しちゃうのが先達のピクサー作品なワケだけど、映像はそれほど見劣りしない。だけどストーリーに工夫がない。あまりにストレートだからモラルの押し売りな感じがしちゃった。子ども向け=ストレートって考え方なら大間違い。ピクサー作品は練りに練って作り込んだ説得力のある脚本で、子供も大人も熱狂させてるんだよ。


マグマ噴出のシーンに氷の洞穴、動物たちの毛並みにCGの凄さを感じ、作り手の意気込みが見てとれる作品。しかも、友情と冒険の物語はわかりやすく、老若男女誰でも楽しめるという点には良心を感じる。夏休みのファミリー映画には最適でしょう。もっとも、個人的には本編に関係なく登場してくる小動物のスクラットの成りゆきの方が気になってしまう。こっちの方がずっとおかしいし、おまけに本編のキャラよりもスクラットの方がかわいいのだ。


本家ディズニー、ドリームワークス、そして本作の20世紀フォックスと各社がしのぎを削るフルCGアニメ。キャラクターものにはさして愛着を持ったりしないので、またかぁと思ってしまうのだが、これがなかなかよくできている。大人もちゃんと楽しめるドラマがあって、ホロリとさせるあたりもよく心得たもの。つい数年前は新規参入組は作品の出来にバラツキがあったが、競争原理が働くのか、あっという間にメガヒット作品を次々と生み出している現状を見るにつけ、ハリウッドの底力を思い知る。

スクービィ・ドゥー

ストーリー: アメリカで60年代から22年にわたってテレビ放映された大人気アニメの映画化。怪奇現象を調査するおかしな4人と臆病な大型犬の大活躍をコミカルに描く。出演は『クルーエル・インテンションズ』のサラ・ミシェル・ゲラーに、『シーズ・オール・ザット』のフレディ・プリンゼ・Jr.、『Mr.ビーンの大冒険』のローワン・アトキンソン。監督のラジャ・ゴズネルは『25年目のキス』のヒットで高い評価を得たコメディ界期待の新星。
上映時間:1時間27分
配給:ワーナー・ブラザース映画
(丸の内プラゼール他)
(C)Lucasfilm Ltd. & TM All Rights Reserved. Digital work by ILM.


ヒーロー物じゃないアニメの実写版て珍しいんだけど、厳しい。元のアニメはチラリと見た記憶があるものの、「チキチキマシン猛レース」みたいにキャラのイメージに縛られちゃうほど印象にない。なのに、生身の人間がアニメ風のカワイイ仕種すると生々しくてダメ。アニメ風のコミカルな動きもやっぱり生々しくてシラけちゃう。考えたら「ドラえもん」の実写版なんて見たくないし……。この手の作品て、『マスク』のジム・キャリーみたいな芸達者がいて初めて成立するモンだろうな。


CGで描写したお犬様、スクービー・ドゥー相手に思いっきりバカっぽくしゃべるマシュー・リラードには笑う。でも、あんまりバカっぽいんで見てるこっちの脳ミソまでトロケそう。作り手はアニメの世界を実写でどこまで再現できるかを楽しんでるようだけど、元ネタに馴染んでない者にはお約束ギャグにハマれず、ハデハデしさに疲れて置いてきぼりを食ってしまう。「カートゥーン・ネットワーク」でアニメ版をしっかり観てから、もう一度、本作観たら大爆笑か、ン?


アメリカで22年も続いた人気テレビアニメの映画版、というだけあって、漫画チックでストーリーもゆるく、ひたすらアメリカンな作品。なのだが妙に気に入ってしまった。なんたってこのキャスト、見てるだけで楽しい。サラ・ミシェル・ゲラーはバービーちゃんみたいでかわいいし、マシュー・リラードが相棒の主役犬スクービー・ドゥー(実は全然活躍してないと思われる)と展開するバカバカしい掛け合いは、30 歳過ぎてるとは思えないハジケ度満点。何も考えずにお気楽に楽しもう!

オースティン・パワーズ ゴールドメンバー

ストーリー: マイク・マイヤーズ主演の超おバカ映画『オースティン・パワーズ』シリーズの第三弾。今回は製作費160億円の超豪華版だ。 シリーズでおなじみのカメオ出演者は過去最高の質と量を誇る。トム・クルーズ、グウィネス・パルトロウ、ケヴィン・スペイシー、スティーヴン・スピルバーグ、ブリトニー・スピアーズ、ジョン・トラヴォルタ……。そうそうたる顔ぶれが見事におバカに染まって大爆笑必至! 監督はこのシリーズばかりでなく『ミート・ザ・ペアレンツ』も手掛けたジェイ・ローチ。
日本公開:8月24日
(渋谷東急他全国松竹・東急系)
上映時間:1時間35分
配給:ギャガ・ヒューマックス共同


このシリーズってムラがあるって思ってた。大笑いできるかと思えば、大ベタでシラけたり、どうやらギャグらしいんだけどマニアック過ぎて分からなかったり……。今回観て思ったのは、コレってマイヤーズの戦略なんじゃないかってこと。人によって笑いのツボって違うものだから、色々なタイプの笑いを用意してどんな人でも一度は爆笑できるようにしてあるんじゃないか? もしそうなら、凄い技術とプロ根性。私はオースティンがミニ・ミーとやらかす、グロ系ドタバタ影絵に大爆笑で満足。


冒頭からオースティン好きはもちろん、本シリーズがパロってる“007”好きの期待もハズさぬ面白さ。おまけに今回の舞台は日本(!?)。それもとんでもなくトホホな日本なので、日本人としては、さらに苦笑&爆笑させられる。「掘ったイモ=ホワット・タイム~?」の逆バージョン、外人の耳には日本語はこう聞こえる、てなギャグも痛快。ミニー・ミーのハジケっぷりも最高だ! それにしてもこんな不景気な時代に、160億円ものカネをとことんおバカなことに使い倒す精神がいいわぁ~。


さすがに3作目ともなるとネタも尽きそうなものだが、なんやかんやで楽しませてくれる。3作品の中では最も無難な“笑い”が多いと思うので、日本人にも受け入れやすいのではないか。カメオ出演の豪華さはやや鼻に付くかなという気もするが、噂の冒頭5分は本当にあっぱれ! オースティンがいかにアメリカで人気が高いかは、推して知るべしという感じ。ただ、3代目オースティン・ガールのビヨンセは思ったよりインパクトがなかった。

バイオハザード

ストーリー: 日本が生んだ大ヒット同名人気ゲームシリーズを映画化したサバイバル・ホラー。巨大企業の地下研究所で開発されたウィルスに感染したゾンビたちと、特殊部隊員たちの死闘をハリウッド最高のVFX技術を駆使して描く。『イベント・ホライゾン』の俊英ポール・アンダーソン監督が繰り出す、ゲーム版とは異なるスリリングなストーリー展開に引き込まれる。タフなヒロインを熱演したミラ・ジョヴォヴィッチがみせる、アクロバティックなアクションも見逃せない。
日本公開:1時間45分
(丸の内ピカデリー2他全国松竹系)
配給:アミューズピクチャーズ


ゲームをやった事がないので、ゲームと映画の関係がどうも分からんのですけど……。これは面白かったですね。過去のゾンビ映画をまんまパクって薄めちゃったような映像はマイナス要因ではあるけど、なんてたってミラジョヴォがカッコイイ。そんで色っぽかった。ベッソンと組んでた時の彼女ってなんとなく背伸びして無理してる感じがしたけど、余裕が感じられた。身体つきまで余裕が出た感じだけど、アクションの切れはイイ。彼女をイメージしてゲームやったら楽しいかな?


ホラー映画が大の苦手なので、冒頭の惨劇のオンパレードでもはやダメ。侵入した隊員たちがコンピュータに攻撃されるシーンの悪趣味な演出にはマイッタ! が、そんな私でも、後半は失笑の連続。うじゃうじゃ出てくるゾンビより、ガン飛ばしまくる女性隊員役のミシェル・ロドリゲスの方が迫力なある存在ってのはどーよ。何より、ミラ・ジョヴォヴィッチの脱ぎっぷりの良さは一体? 『フィフス・エレメント』の包帯コスチュームをしのぐドッキリなお姿には目がテンだ。


世間的には人気ゲームの映画版なのだろうが、私にとってはSFホラー『イベント・ホライゾン』のポール・アンダーソンの新作ということで、楽しみにしていた一作。期待通り、無意味にダークでおどろおどろしいタッチの映像世界を展開するアンダーソン節は健在! 大仰な効果音や、マンソン&ベルトラミの音楽もホラー好きにはたまらない。ストーリーはどうってことないけど、中盤以降の純然たるゾンビ映画のノリも、そこはかとなく郷愁が感じられて嬉しい。この手の映画が好きな人は必見。

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ

ストーリー: 風変わりな“天才ファミリー”の姿を独特のコメディ・センスで描いて全米の有力メディアに大絶賛された作品。監督は『天才マックスの世界』の成功で、次代を担う監督の一人と目されるウェス・アンダーソン。主演は大御所のジーン・ハックマン。共演に『愛しのローズマリー』のグウィネス・パルトロウ、『メリーに首ったけ』のベン・スティラー、『バッファロー66』のアンジェリカ・ヒューストンと超豪華な顔ぶれが揃った。
日本公開: 9月7日
(恵比寿ガーデンシネマ他)
上映時間:1時間49分
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
(C) TOUCHSTONE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED


海外での評判を読んだりして、奇想天外のぶっ飛び物語でビックリさせてくれるんだろうなぁって、『ブギーナイツ』や『マルコヴィッチの穴』並みに期待してたが面白くない。洒落者のオヤジに反発してアディダスのジャージばかり着てる長男、ビヨン・ボルグスタイルの次男とか……だから何? 奇抜さを狙った思いつきだけの、平凡なエピソードの羅列なんだよな。監督の出世作である前作『天才マックスの世界』は、もうちょっとセンスを感じたけどね。ここまでの人なんじゃない?


語り口はすんごく大マジメ。でも、この絵はどこかオカシイという中で描かれる元天才一家の物語好きです。このアンバランスさが。懐かしいようなもの悲しいような心の琴線に触れる音楽も好きです。グウィネス・パルトロウやベン・スティラーのふて腐れた演技も見ものだけど、やっぱり一番はジーン・ハックマン。威厳といかがわしさを使い分けて、最後はしみじみとさせる。さすが名優。


シニカルな笑いと不思議なユーモアに満ちた、コジャレた映画。加えて、この面白さがわからないと、なんだか馬鹿にされそうな気になる知的さも備えている。さらにジーン・ハックマン、グウィネス・パルトロウ、ベン・スティラー、オーウェン&ルーク・ウィルソンと豪華な面々が発揮する個性も光ってるし、衣装や細かいアイテムなんかも微に入り細にわたって気が効いている。にも関わらず、私はこの映画が持つ独特の空気を楽しむことができず、最初から最後まで“蚊帳の外”だった。

 似顔絵イラスト:川合夕香

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