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ブラッド・レンフロ来日記者会見


  取材・文/竹内詠味子


『12歳で俳優デビューしてから、少年役で強い印象を残してきたブラッド・レンフロ。彼の最新作『BULLY/ブリー』は、南フロリダで実際に起きた殺人事件を題材に描く、ラリー・クラーク監督作だ。日本に来るのは、『マイ・フレンド・フォーエバー』『17 セブンティーン』に続き、これが3度目。今回は、自分のバンド「フローダッド・バンド」を引き連れての来日となった。

レンフロ(以下BR):今回、再び日本に来られてうれしいです。皆さんに興味を持ってもらえなかったら、僕もこうして来日はできなかったので。

Q:ラリー・クラーク監督と一緒に仕事をして、いかがでしたか?

BR:ラリーはとても素晴らしかった。彼はアイデアに対してとてもオープンなんだ。彼のこれまでの作品を見ると、うわっ!て思うかもしれないけど、実際はとても普通で、よく喋る人だよ。映画を見て人柄をイメージすると、とてもびっくりするはず。実際、僕もびっくりしたよ。

Q:今回は、アソシエイト・プロデューサーとしても作品に参加していますが、どのような経緯で、実際どんな仕事をしたのですか?

BR:他のキャストよりよく働いた、というわけじゃないんだよ。この名前は、『ゴールデン・ボーイ』でも一緒に仕事をした、製作総指揮のドン・マーフィがくれたんだ。僕は撮影の1ヶ月から現場に入って、色々アイデアを出したり、手伝いをしていたから、それが評価されたんだ。具体的に出したアイデアといえば…撮影前、僕とニック・スタールは監督から体を鍛えるように言われ、2人でエクササイズしたんだけど、僕のほうが筋肉がついてしまった。つまり、いじめられっ子の方が、体が大きくなってしまったんだ。だから、肉体的ではなく精神的にいじめられているようにして、それによって2人の関係がより複雑になるようしたんだ。あとは、物語の後半で、マーティが弟にピアスをあげるシーンは、撮影15分前に監督と話し合って出来たシーンなんだ」

Q:今回、プロデューサーをしたことで役者としてのスタンスに変化はありましたか?

BR:正直、今言われるまで、自分がアソシエイト・プロデューサーということを忘れていたくらいで、スタンスは変わってないよ。

Q:この作品には、セックスやバイオレンスなどがリアルに描かれていますが、それによってアメリカでは18歳以下は鑑賞できないレイティングが付けられましたが、どう思いますか?
BR:そうだね。この描写によってアメリカの公開は限定されたものになってしまった。でも、僕がラリー・クラーク監督を尊敬しているのは、彼がお金のために自分のアート性を犠牲にしないからなんだ。検閲のために、性描写を抑えて描くことはしないし、いわゆるハリウッド的な映画を撮る人でもない。だからこそ、彼を信頼して仕事ができたと思う。僕はいつも、実際の事件を扱う映画にはリアリズムが重要だと思っている。この映画の原作にも同じくらいの性描写があるし、疑問を感じずに演じることができたんだ。

これまでのキャリアを見ても、ハリウッド的な視点で言うとリスキーな作品を選んでいるようですが、自分の俳優としての個性を活かすために、こういった作品を選んでいるのですか?
BR:その通りだよ。毎日ロマンティック・コメディに出演したら、つまらなくて飽きてしまうと思う。別に自負しているわけではないけど、自分の演技力なら今回のような役を演じることができると思うし、僕自身、こういったタイプの役に魅力を感じるんだ。人間はあの世までお金を持っていけないけど、生きている間に集めた尊敬は、少なくとも後に残っていく。僕はそちらを大事にしたいし、俳優として軌跡を残し、皆さんから尊敬される俳優でありたい。幸い今は、住む家もあるし食べ物にも困らない。俳優だからって、豪邸に住んで高級車を乗り回す必要はないんだし、僕は、芸術性のある作品を選んでいきたいと思うよ。

Q:現在、来日をキャンセルするスターが多いけれど、今回あえて来日を決めたのはなぜ?

BR:(少々考えて)この作品をとても誇りに思っているから。それから、今回が3度目の来日だけど、僕は本当に日本という国が好きで、人々や文化に惹かれているんだ。来るたびに素晴らしい経験をする。確かに、たくさんのスターたちが来日をキャンセルしているみたいだけれど、僕は戦争にまつわるプロパガンダに惑わされたくはない。この戦争はテロリストに対する戦争だと言われるけど、もしそうなら、テロリストたちの思惑にはまりたくないんだ。テロリストたちを恐れて一歩も家から出ないのは、彼らの思い通りになってしまう。

額に張られた絆創膏の理由を尋ねられると、バンドのベースが当たった、と、立ち上がって実演してくれる。おまけに、スーツの腕の部分が破れているのを発見され、

BR:嫌だなぁ!気がつかなかったよ。別にこれが最新ファッションというわけじゃないよ…本当は今、すごく恥ずかしいんだけど(笑)。実は僕、スーツを持っていなくって、バンドのメンバーに借りてきたんだけど、サイズが小さくて破れちゃったみたいだ。フローダッド(バンドの名前)は、僕のお父さんのあだ名から来ているんだ。僕は小さいとき、ブーマーとかリトル・フローとか呼ばれていて、10代になったら、友達がフローと呼ぶようになった。そしてお父さんをフローシニアと呼ぶようになったら、年寄りみたいですごく嫌がっていたよ。

Q:撮影前に筋肉をつけたのは、現実のモデルに似せるためですか?エクササイズは、まだ続けているのでしょうか?

BR:ボビーはイラン人の移民の子で、とても体が大きいんだ。マーティもがっしりしていて、2人はよく、ホモセクシャルのクラブに行って男性を引っ掛け、後から暗いところでお金を奪ったりしていた。実際の2人の体つきに合わせてエクササイズしたんだ。僕は背があまり高くないので、普段から筋肉をつけることは好まない。映画の中でマーティはサーフィンをするけど、実は、実際に僕がやっているわけじゃないけど…僕自身も最近サーフィンを始めた。ある程度の筋肉はつけていたいな、と思うけど、常に鍛えているわけじゃないよ。

Q:では、この映画に込められたメッセージはどんなことでしょうか?

BR:基本的に、モラルを押し付けてはいない。もし、メッセージを持っているとしたら、それはアメリカの親たちへのもの。彼らは子供たちにほしいものを買い与えておいて、実際に彼らが何をしているのか知らない。この映画のアメリカ版のポスターには、「午前4時半。子供たちがどこにいるか知っていますか?」というキャッチフレーズがあるんだけど、親たちへ、もっと子供たちと話し、彼らが何をしているか知ってください、というメッセージだと思う。僕自身は祖母に育てられたけれど、幸運なことに、両親と話す機会はとても多く持てたんだ。中流家庭の子供たちは、親と対話することがない。子供たちが受ける影響は、親からではなくて、暴力的な歌を歌うラッパーや映画なんだ。

BR:それから、最後に僕が言っておきたいことがもうひとつ。この次に来日する時には、かならずスーツを買ってくると約束するよ!

3月26日(水) セルリアンタワー東急ホテル

 

 

 

 

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