シネマトゥデイ

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ギャスパー・ウリエル。このフランス人青年の名前を知る日本人はまだ少ない はず。母国フランスでも、ついこの間まであまり知られてはいなかった。だが、今年2003年のカンヌ映画祭で彼の人生は大きく変わった。初主演したアンドレ・テシネ監督の『かげろう』での繊細な演技とみずみずしい魅力で高く評価されて、注目の人となったのだ。物語は第2次世界大戦中、ナチス・ドイツ軍による戦火が激しいパリから2人の子どもを連れて逃れた未亡人が、空襲の最中に出会った不思議な青年とのつかの間の恋を描いている。その青年に扮して、未亡人役のエマニュエル・ベアールと大胆なラブシーンも演じたウリエルに、初主演の感想と、俳優としてのこれからを語ってもらった。

Q:本作では、17歳の青年と未亡人との恋が描かれていますが、脚本を読んだとき、どのように感じたんですか?

A:最後にラブシーンもあるということで、最初は確かにナーバスにもなりました。でも、ストーリーとして、この恋愛はありえると思うし、実際の恋愛で、僕は年の差なんて全く壁にはならないと思ってる。で、心配していたラブシーンもリラックスしてできましたよ。

Q 大きな経験といえば、この作品はカンヌ映画祭に出品されて、あなた自身も映画祭に参加したそうですね。


Aええ。カンヌ映画祭って、世界の映画界の中でも、一大イベントじゃないですか。だから、ずっと映画祭に参加するのは、少なくともすでに2、3本ぐらい主演作に出ているような俳優が出るものだと思ってました。だから、まさか僕に声がかかるなんて思ってみなくて、正直驚きました。ただ、せっかくカンヌ映画祭に来れたなら、たくさんの作品を見て、お祭り気分を楽しもうと思ってたんですよ。でも、うれしいことにと言うべきなのかな(笑い)。毎日インタビューが立て続いて、ほとんど思い出作りはできなかったんですよ。


Q カンヌ映画祭で注目の人となったと聞いています。次回作は『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督の新作の主役に抜擢されるなど、俳優としてビッグチャンスをつかんだと思うのですが、以前のあなたとは変わったところがあるのでは?


A 映画祭でずいぶんと取り上げられて、テレビなどにも出たので、家族がとっても喜んでくれた。友達からは、『エマニュエル・ベアールとラブシーンをしたなんて、羨ましい奴だな』とからかわれたりね(笑)。だけど、僕自身は何にも変わっていない。ま、変わったとしたら、映画学校に在籍しているけれど、ジュネ監督の新作の撮影やらで忙しくて、現在は休学してる。来年は頑張って、復学したいと思っているんだけどね。


Qということは、将来は監督業を目指しているの?


Aうーん、それはわからない。だけど、とても興味はあるよ。ただ、今のところはまず俳優業に力を入れたいと思っています。僕がこの業界に入ったのは6、7歳の頃。母親の知り合いがエージェントで、子ども番組に出るようになったんです。で、それから一時期休んだりもしたけれど、12歳の時にやっぱり演技をやってみたい。演じることは楽しいと思って、自分自身でこの道を決めました。だから、頑張って行きたいですね。

Qところで、最後に‥。「年の差のある相手との恋愛はOK」と言ったけれど、実際にはいくつまでならOKなの?


A 僕としては30代の女性でも好きになれば、年なんて関係ない。でもモラルが許さないでしょう。


Q ちなみに、今付き合ってる彼女はいくつ?


A 19歳です。


とまあ、映画のように年の差ある恋愛を実践している彼ではなかったけれど、素顔はとても謙虚で、映画に対しては真摯な態度。そして、すがすがしい魅力にあふれたウリエル君。イケメンなんて、流行り言葉で飾られるような役者で終わらないことだけは確かなようだ。 

(取材・文:前田かおり)

『かげろう』は1月24日シネスイッチ銀座にて公開

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