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第66回ベルリン国際映画祭コンペティション部門18作品紹介

第66回ベルリン国際映画祭

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ベルリン国際映画祭

2月11~21日(現地時間)に開催される第66回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門18作品を紹介(コンペティション外を除く)。今年は、名女優メリル・ストリープが審査委員長を務めることでも話題。コリン・ファースジュード・ロウらオールスターキャストによる伝記ドラマ、フィリピンの鬼才ラヴ・ディアスによる8時間超の力作のほか、ミア・ハンセン=ラヴトマス・ヴィンターベア、トマシュ・ヴァシレフスキ、アンドレ・テシネジェフ・ニコルズダニス・タノヴィッチらそうそうたる顔ぶれの名作&野心作が金熊賞を競う。(文:編集部 市川遥/岩永めぐみ/平野敦子)

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ベルリン国際映画祭
(C) Friede Clausz

『24ウイークス(英題) / 24 Weeks』

製作国:ドイツ
監督:アンネ・ゾーラ・ベラッチド
キャスト:ユリア・イェンチ、ビジャルネ・マデル

ストーリー
マネージャーの夫、そして9歳の娘と暮らすコメディアンのアストリッド。妊娠中の第2子について医者から「健康な状態で生まれてこないかもしれない」と告げられても楽観的に捉えていたが、出産日が近づくにつれ、子供や家族の将来、そして自分のキャリアの今後を考え不安に。中絶するべきか、生むべきか。彼女はその決断を自ら下さなくてはならないと知る。

【ここに注目】
笑いで生計を立ててきたアストリッドにふんしたのは、『ベルリン、僕らの革命』(2004)でダニエル・ブリュールと共演したユリア・イェンチ。女流監督のベラッチドは長編2作目となる本作でも、モラルのジレンマを抱えながら、自らの生き方を選び取る女性を力強く描写している。

ベルリン国際映画祭
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<芸術貢献賞(カメラ)>マーク・リー・ピンビン『クロスカレント(英題) / Crosscurrent』

製作国:中国
監督:ヤン・チャオ
キャスト:チン・ハオ、シン・チー・レイ

【ストーリー】
長江を舞台に、貨物船の船長を務める主人公カオ・チャンを描く不思議なラブストーリー。川を上るにつれて、彼の旅は時空を超えたものになっていく……。

【ここに注目】
『パッセージズ(英題) / Passages』で第57回カンヌ国際映画祭カメラドール(スペシャルディスティンクション)を受賞したヤン・チャオ監督が製作に約4年を費やした意欲作。中国の日常と政治&詩を融合させて作り上げたマジックリアリズムの世界に注目だ。

ベルリン国際映画祭
(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

『ミッドナイト・スペシャル(原題) / Midnight Special』

製作国:アメリカ
監督:ジェフ・ニコルズ
キャスト:マイケル・シャノンジョエル・エドガートンキルステン・ダンストジェイデン・リーバハーアダム・ドライバー

【ストーリー】
超能力を持つ息子アルトンを守るため、彼を連れて追手から逃れる父の姿を描くSFヒューマンドラマ。物語が進むにつれ、なぜアルトンはゴーグルのようなもので目を隠しているのか、なぜ宗教の過激派が彼に関心を持っているのか、なぜ地元の警察から政府関係者までがこの父子を追いまわすのかが次第に明らかになっていく。

【ここに注目】
『テイク・シェルター』(2011)や『MUD マッド』(2012)が世界の映画祭で称賛されたジェフ・ニコルズ監督がSFジャンルに挑んだ最新作。SFといえどもこれまでの作品と同様に、独自の視点でアメリカにおける暴力とパラノイアを描き出した。ニコルズ作品ではおなじみのマイケル・シャノンに加え、『ブラック・スキャンダル』(2015)のジョエル・エドガートン『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)のアダム・ドライバー『ヴィンセントが教えてくれたこと』(2014)のジェイデン・リーバハーら旬のキャストがそろった。

ベルリン国際映画祭
(C)Luc Roux
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『ビーイング17(英題) / Being 17』

製作国:フランス
監督:アンドレ・テシネ
キャスト:サンドリーヌ・キベルランケイシー・モッテ・クライン

【ストーリー】
医者の母&軍のパイロットの父を持つダミアンと、農家の一家に養子として迎えられたマグレブ人の子トーマスは中学のクラスメート。互いの存在に我慢がならず言い争いが絶えないが、妊娠したトーマスの母の体調が思わしくないため、トーマスは一時的にダミアンの家に預けられることになる。

【ここに注目】
メガホンを取ったのは、『ランデヴー』(1985)や『かげろう』(2003)などカンヌ国際映画祭の常連として知られ、ベルリン映画祭コンペティション部門にもこれまで2作選出されたことがある72歳のフランスの名匠アンドレ・テシネ監督。自らの感情をコントロールしようとする混乱した2人の若者の姿を通し、異なる社会環境で育つとはどういうことなのかを活写した。子供たちを見守るダミアンの母には、『愛して飲んで歌って』(2014)のサンドリーヌ・キベルランがふんした。

ベルリン国際映画祭

『ゼロ・デイズ(原題) / Zero Days』

製作国:アメリカ
監督:アレックス・ギブニー

【ストーリー】
2010年に見つかったコンピューターウイルス「スタックスネット」を題材にしたドキュメンタリー。イランの核施設を攻撃するためアメリカとイスラエル政府が作ったとされるこのウイルスだが、コントロールがきかなくなり拡散。結果的にサイバー戦争のパンドラの箱を開けてしまうことになる。

【ここに注目】
『「闇」へ』(2007)で第80回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞に輝き、ドキュメンタリー作家として名高いアレックス・ギブニー監督が、サイバースペースを越えて深刻なダメージをもたらした「スタックスネット」問題に切り込んだ。関係者の証言から問題の核心へと迫り、制御できないテクノロジーと政治力に警鐘を鳴らしている。

ベルリン国際映画祭
(C)NOMADIS IMAGES-LES FILMS DU FLEUVE-TANIT FILMS
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<最優秀男優賞>マジッド・マストゥラ『エディ(英題) / Hedi』

製作国:チュニジア、ベルギー、フランス
監督:モハメド・ベン・アッティア
キャスト:マジッド・マストゥラ、リム・ベン・メサウド

【ストーリー】
チュニジアに暮らす内気な青年、エディは母親や上司の言いなりで、他人の敷いたレールを歩む人生を送るはずだった。母親が選んだ女性との結婚式が迫っていたある日、エディは上司に出張を命じられる。そこでエディは自立した女性リムとたちまちに恋に落ちてしまい……。

【ここに注目】
モハメド・ベン・アッティア監督の長編デビュー作。母国チュニジアとフランスで映像を学び、5本目の短編『セルマ(原題) / Selma』はフランスのクレルモンフェラン国際短編映画祭に出品された。本作はラブストーリーではあるが、選択を迫られる従順な青年を通して、慣習への抵抗や自由に伴う幸せと痛みが語られるという。ちなみに共同プロデューサーとしてベルギーの名匠、ダルデンヌ兄弟が名を連ねている。

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