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『東京ゾンビ』浅野忠信、哀川翔 インタビュー

取材・文・写真:FLiXムービーサイト

ハゲ頭の哀川翔と、アフロ頭の浅野忠信の兄弟が、東京に突如現れたゾンビに柔術で対決していく……。そんな、ありえない映画が誕生してしまった。『東京ゾンビ』は抱腹絶倒の物語の中に、人間のきずなの大切さをテーマとして盛り込んだ作品。ハゲ頭のミツオ役を演じるかどうか決心するまで3か月もかかってしまったという哀川と、ハゲ頭の哀川を見て笑いをこらえるのに必死だったという浅野が、この奇妙キテレツな作品の楽しい撮影秘話を語ってくれた。

■抵抗をなくすのに3か月

Q:この映画に出演された、決め手はなんでしたか?

哀川:なんだろうね。やりたい気持ちが強かったのかな。やる、やらないっていうのは自分の意志なんだけど、作品を考えたときにこれは第三者として取り組みたいっていう気持ちが強かった。でも、やれるっていう気持ちを高めるのに時間がかかった。この役は、やってる本人に抵抗があると絶対にぶれるんで、抵抗をなくすために3か月かかったかな。

Q:原作そして原作者である花くま先生の印象を、教えてください。

哀川:原作はかなり面白かったよ。茶化しながらもメッセージ性がすごく高いように感じたし。すてきな作品だと思った。花くまさんは「バカじゃないの」ってくらい柔術が好きなんだよね(笑)。格闘家の人たちは気持ちが優しいから、厳しくはなかったけど。

浅野:原作はぶっ飛んでるんで、まさか自分がやるとは思いませんでした。花くまさんも口出ししてくるわけではないんですが、作品に対する強いこだわりを感じていました。

■なぜか哀川翔がハゲ

Q:カツラをかぶったお互いを見て、どうでしたか?

哀川:すんなりいってたんだよね。おれのハゲに関しては最初脚本もらったときに、どっちをやれって言われてなくて。でもどうみてもハゲ役はおれだろうって、勝手に導かれたっちゅうところはあったけどね。昔、おれの友達でアフロのヤツがいて、生え際の形状とか知ってたからまあ、アドバイスはちょっとしたね。

浅野:最初に監督が、メールで合成した写真を送ってくれたんですけど、ナマで見るとすごいなあって思いましたね。で、最初にこのお話を頂いたときに、やっぱり僕もなぜか哀川さんがハゲ役だって思っちゃったんですよね(笑)。これを哀川さんがやるなら、おれがやらないわけにはいかないだろうって気がしましたよ。

■ゾンビはお好き?

Q:この作品は本格的なゾンビ映画だと思いますが、お2人はゾンビ映画はお好きですか?

哀川:ゾンビは嫌いじゃないですよ。昔の『ゾンビ』にはハマッたね。

浅野:子供のころから、ジェイソンとかそういうのはホントに怖くなっちゃうんだけど、ゾンビってなにか逃げ道がある気がして。中学校のころに、友達と大勢で観たりしていました。やっぱり最初の『ゾンビ』は印象的ですね。

Q:女性ファンの目は気になりませんでしたか?

哀川:あんまり気にしなかったね。むしろ、自分の姿が見られるかどうかに重点をおいたね。実際やりだすと、ハゲ忘れちゃってました。たまに鏡で自分の姿見て、ビックリしちゃったりしたけど(笑)。

■哀川さんの顔が耐えられないほどおかしい

Q:哀川さんの姿を見て吹きだしそうになったりしませんでしたか?

浅野:何度も笑いそうになりましたよ。哀川さんが、まじめ顔でゾンビに変わっちゃうシーンがあったんだけど、むこうの方でスタッフがすっごい笑ってて、こらえるのに必死だったね。

哀川:監督がやれって言うんだもん。忠実にやりましたよ。あれは、自分じゃなくて演技指導の結果。でもさ、現場でああいう笑われ方することないからね。おれ、どう反応していいか分かんなかったんだよね。普通の顔してても、みんな笑うしね。テレとかより、もっと違う次元にいた感じがするね。"ヅラ"(かつら)もほんとうまいことできてたし。

Q:佐藤佐吉監督は普段は俳優としても活動してらっしゃいますが、一緒に仕事をしていかがでしたか?

哀川:俳優より監督してるときのほうが芝居がむちゃくちゃうまいんですよ。俳優のときそんな芝居してたっけ? ……ってくらい。

浅野:なんだかよく分かんなくなっちゃいました。真剣に考え込んでるわりにはスゴイおかしなこと言うんで。若いころどんな人だったのかなって思います。多分すごいこといっぱいしてきてる気がするんですよ。

哀川:確かに、子供のころの写真とか見たいですね。

■哀川さんのモノマネとかしていた

Q:共演する前と、現在のお互いの印象は?

哀川:これまでは、会うっていってもすれ違うぐらいしかなかったんだけど、彼の独特な世界観は不思議で、なかなかこういう俳優さんはいないとは思ってたね。実際、演技したらとてもナチュラルですごくすてきな俳優だと思いましたね。難しい演技を自然にやるという高度なことを、相手の芝居を受けながらさらりとやっちゃうところがとても好きでした。浅野くんには前から興味はありましたけど、共演は難しいかなって思っていましたから、この話はうれしかったですね。ハゲでしたけど(笑)。浅野くんが、オファーをうけたって聞いたとき、「僕も、ミツオにむかっている最中です」って言いました。片足突っ込んでるんだけどもう片足が出るまでに3か月もかかっちゃいましたから(笑)。

浅野:哀川さんは、自分が仕事始める前から、というか中学のころはマネとかしてたぐらいなんで、そのころから哀川さんに対するいろんなイメージがあったんですけど、実際、ハゲヅラやっちゃうとことか、はじけ方がすごいなって思いました。現場にいるとすごく面白くて、いろんなアイディアを考えちゃうのでビックリしましたね。

哀川:誰かと組んでやるっていうのはなかなか難しいけど、すごく楽しいんだよね。これからも彼とは年に一本ぐらいはやりたいなって思いました。

■またハゲになれって?

Q:完成した作品をご覧になった感想は?

哀川:とても楽しめました。やっぱり人と人のつながりに重点をおいて映画が進行していくところが、いいと思ったね。みんな笑うかもしれないけど、実際ああいうことになったら結構マジであんなことになるんじゃないかなって。第三者として楽しめましたね。

浅野:観てすっきりしました。自分がいつも出てる映画とは違うんで、どっかスッと抜けた感じがましたね(笑)。

Q:続編の予定は?

哀川:またハゲになれって(笑)? きっと出演を決めるのにまた、3か月くらいかかるかなっていうのはありますね。やっぱり映画化っていうのを考えた時に、原作を生身の人間がやることに壁はありますから……。でも面白いと思ったことに取り組むのは最高だと思いますね。

浅野:僕はアフロのヅラをスポッとかぶるだけなんで、翔さんがやるならいくらでもやりたいですね。

哀川:なんでハゲとアフロなのかは最後まで分かりませんでしたけどね。

哀川翔が「ハゲ」と言うたびに、撮影中の姿を思い出すのか吹きだしてしまう浅野。和気あいあいとしたインタビューで、2人の仲のよさがうかがえた。ちなみに、哀川翔のヅラは、候補が3回ほど変わって、結局あのヅラに落ち着いたのだそう。一度見たら忘れられない黄金コンビの今年最後の笑い納めは、哀川翔のハゲヅラに決定だ!

『東京ゾンビ』はシネセゾン渋谷ほか全国にて12月10日より公開。

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