シネマトゥデイ

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こはたあつこのうわさの現場潜入ルポ
ハリウッド映画のグッズオークション! の巻

「取材・文・写真:こはたあつこ」
マリリン・モンローが『ショウほど素敵な商売はない』で着たロングドレス。クリストファー・リーヴが『スーパーマン』で着たスーパーマンの衣装。はたまた『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』の映画のセットで実際に使用されたミレニアム・ファルコン号の模型……。
 
このような映画グッズが「展示されている」と聞けば、「ふーん」で終わるかもしれないけれど、これらを実際に「購入」できるとしたら?
 
え、マリリン・モンローが実際に着た衣装が、もしかしたら、自分の物になるかもしれないってっ!?
 
そうなんです!
 
「ハリウッド、思い出の品オークション」は、年に数回行われる映画グッズや衣装のオークション。もともとビバリー・ヒルズにあった会場を、今年はロスから1時間ほど車で西に移動した山に囲まれた街、カラバサスに引っ越した。
 
……てなわけで、さっそくカラバサスのオークション会場に潜入!
一見地味ーーーーな会場
「さあ、タキシードを着た紳士や淑女たちが高価な物を買う瞬間を見るぞー!」と張り切って会場に入ったわたし。
 
でも、オークション会場に入ると、まずはそのあまりの地味さに驚いてしまった。サザビーの絵画のオークション会場のようなところを想像していたのに、実際には、教室のような事務局の会場に、40人ほどの参加者たちが、まったくの普段着で、カタログ片手に座っているのだ。オークションを取り仕切るオークション・マスターまでが、タキシード姿ではなく、自宅でテレビを見ているような普段着姿!
 
いやぁ、イメージしていた想像とえらい違いだなぁ……。
 
そして、その普段着姿で、オークション・マスターは淡々とマイクに向かってしゃべっている。
 
「次は、カタログ109番。グレタ・ガーボのヴィンテージ写真です。はい、まずは300ドルからスタートしましょう。はい、電話の○○番の方、400ドル。ネットの○○番の方500ドル。はい、会場の○○番の方、600ドル……」
 
あのう、もう少し、ドラマチックにやらなくてもいいんですかぁ? とちょっと不安になってしまうほど単調な口調だ。
 
朝の11時から始まったこのオークション。午前中は、比較的お手ごろな衣装デザイン画や昔のスターのサイン入り写真、昔の映画のポスターなどから始まった。この辺は安いものだと300ドルぐらいからあり、中盤になると1,000 ドル(約12万円)、そして高いものでも6,000ドル(約72万円)ぐらいの競売価格。意外と手が届きそうだ。それでも有名な映画やスターのものになると競売価格は上がり、『風と共に去りぬ』のスカーレット・オーハラの衣装のデザイン画は16,000ドル(約192万円)で競り落とされた。
 
また、競売グッズは、隣の事務所で展示されてあるものもあるけれど、ほとんどが大切に保管されたままで会場には一切登場しない。だから参加者も、カタログを見ながらだけのオークションだ。落札したい品物があるときは、自分の番号札を小さくオークション・マスターに向けて上げて見せる。
見えない緊張感がひしひし!
……とここまでだと、「なんて地味で小規模なオークションなのだろう」と思われてしまうが、しばらくすると、実はまったく違うということが見えてくる。
 
まずは会場の後ろにいる15人ほどの電話回線のスタッフたち。実は彼ら、合計150人ほどのアメリカ中のお得意さまと回線を結んでいるのだ。また、前方でモニターを見つめているスタッフが2人いるが、彼らは世界中からアクセスしている約600人のインターネットの参加者とやり取りしているのだ。だから、今回のオークションは合計で約800人ほどの参加者を対象としていることになる。。
 
そして、よくよく見ると、対象となっている品物に興味のある人たちは,一見静かなようでいて、実はかなり白熱しているのだ。
その緊張感を物語るハプニングが!
 
オークションの最中にいきなり「待った!」をかけた電話スタッフがいた。オークション・マスターが「もういませんねー。では落札価格は○○で、ネット番号の○○に落札されました!」と取引をクローズした瞬間、「ちょっと待ってください!」と中断したのだ。
 
話しを聞いてみると、電話の顧客がそれ以上の金額を払うと言っているそうだ。でもオークション・マスターは、「クローズしてしまったものはもう変えられない」とがんとして譲らない。
 
「……でも……」と電話スタッフもがんばったが、結局は顧客をなだめる結果となる。「すみませんが、もう少し早く決断して頂かないと……」と残念そうに電話で話しているのが聞こえた。見えないまでも顧客のくやしそうな表情が目に浮かぶ。
 
つまり、ものすごいスピードで価格が上がっていくし、値段が決定するのも早いので、ぼやぼやしていられないのだ。欲しいものがあって、それが他人に落札されそうになったら、迷っている暇はない。すかさず、それより高い値段を言わなければならない。金額が高額であればあるほど、そのスピードは恐怖でもある。
 
だから、みんな、真剣勝負だ。それが分かると、会場にいない電話の向こうにいる人たち、それからネットで参加している人たちの、見えない緊張も感じられるようになった。。
いよいよ、マリリン・モンローの衣装の登場!
そして、ようやく今回の目玉、マリリン・モンローの衣装の登場!
 
「はい、こちらはカタログナンバー358番、マリリン・モンローの衣装です。こちらは75,000ドル(約900万円)から始めましょう。」
 
そうマスターの声が聞こえたとたんに、ぐっと会場と世界中のネットの参加者たちと、電話の向こうの顧客たちのテンションが上がったのが分かる。
「はい、そちら、ネットでの参加者80,000ドル(約960万円)。80,000ドルです。その上の85,000ドル(約1020万円)の人はいませんか? いませんか……? いませんか……?」
 
さあ、これ以上の値段を出す人がいるのか。マリリン・モンローの衣装ですよ!!
 
もう少し間を空けて、ほかに誰か名乗りを上げるのを待ってもいいのにと思うような短いタイミングで、マスターの淡々とした声が落札を認める。
 
「……いませんね。では、ネットの参加者に80,000ドルで決定。……はい、続いては、359番の品物。」
 
80,000ドルかぁ……。落札価格に15パーセントの手数料がかかるそうなので、全部で92,000ドル(約1104万円)になる。高級車が買える値段だ。人の価値観にもよるが、マリリン・モンローや映画の大ファンだったら、決して手の届かない金額でもない。競り落とした人はどんな人なのだろう。
 
オークション関係者によると、参加者は一般の主婦や映画ファンから、有名人や裕福なコレクターまで、本当にさまざまなのだそうだ。マリリンの衣装を落札した人は、もしかしたら、有名人なのか。口の堅い関係者たちからは、まったくその辺は聞けなかった。
 
今回のオークションでの最高価格で落札されたのは、『スーパーマン』でクリストファー・リーヴが着たスーパーマンの衣装、『オズの魔法使い』の衣装、『エイリアン』で実際に使われた実物大エイリアンのクリーチャー・スーツだ。それぞれが100,000ドルで落札された。
 
「ええ!? 100,000ドル(約1,200万円)ですって? ……た、高い!」
 
そう思ったあなた。一人では買えなくても、親戚一同、あるいは、お友だち同士、もしくは映画サークル全員のお金を持ち寄って参加すれば、もうすこし安いものならなんとかなるかも?
 
次なる競売は7月とのこと。あなたもネットで参加してみる?
『オズの魔法使い』のウィンキー兵士たちが着た衣装。
『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』の衣装。左がオースティン・パワーズ、中央がミニー・ニー、右がドクター・イーブル。
『スパイダーマン』でトビー・マグワイアがレスリングに出るときに作ったレスラーの衣装。
『スター・ウォーズ エピソード2クローンの攻撃』でサミュエル・L・ジャックソンが使用したライトセイバー。
『スーパーマン2』で使用されたミニチュアの模型。
こんな日本のポスターも!
1978年の『スーパーマン』でクリストファー・リーヴが着たスーパーマンの衣装。残念ながら、これを着たリーヴはもういない。
『ブレイド』でウェズリー・スナイプスが着た衣装。彼のマネキンも含めて。めちゃめちゃリアル。
『XMEN 2』でヒュー・ジャックマンが着用したウルバリンの鉄のつめ。
電話で競売者とつながるスタッフ。オークション中にスタッフは顧客の意向を代弁する。
会場の様子。
マリリン・モンローの衣装が載っているカタログのページ。
オークション・マスター。意外と普通。タキシードでも着るのかと思っていたが。
インターネットで競売する人たちをモニターするスタッフ
『エイリアン』で使われたクリーチャーとたわむれるわたし。
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  5. 第12回こはたあつこ「ハリウッド映画のグッズオークション! の巻」