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高橋克典
『特命係長 只野仁 最後の劇場版』
力の抜けるギャグとカタルシス、友情、すべてが詰まっています
『特命係長 只野仁 最後の劇場版』高橋克典 単独インタビュー

取材・文:阿部奈穂子 写真:高野広美

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2003年からスタートし、一大ブームを巻き起こしているテレビのナイトドラマ「特命係長 只野仁」が待望の映画化となった。タイトルはずばり、『特命係長 只野仁 最後の劇場版』。主役の高橋克典はじめ、おなじみのメンバーが勢ぞろいしているほか、今回は只野の最大の敵としてK-1ファイターのチェ・ホンマンや只野を振り回す美女役に西川史子が登場。「アトラクションムービーとして存分に楽しんでほしい」という高橋に映画の見どころ、裏話を聞いた。

■僕のひと言がきっかけで動きだしたことへの責任

Q:映画化決定と聞いた瞬間、まず、どんな言葉が出ましたか?

「マジで! やるの?」って(笑)。只野はテレビの金曜夜11時枠のドラマとして出来上がった作品で、テレビと映画は違うじゃないですか。まずは「いいのかな?」というのが正直な気持ちでした。いつのまにか製作委員会が結成されて、映画化という話がどんどん膨らんでいって……。でも、振り返ってみると、僕のひと言がきっかけだったんですよ。ドラマの現場を盛り上げるために、「映画化とかも目指して、がんばろうよ。なんちゃって」ってみんなの前で言った言葉が実現して……。今、責任をヒシヒシと感じています(笑)。

Q:テレビドラマと映画の大きな違いは?

テレビドラマでは娯楽性を重視して深い表現などを避け、いかに軽く、くだらなくやるかということを心掛けているんですが、映画ではそれに加え、人の命の重さや友情などをテーマにしています。まあ今回の作品は映画というより、只野仁の劇場版であるという意味合いの方が強いんじゃないかと思います。あと、スケールがでかいといったらゲストのチェ・ホンマンの身長と靴のサイズくらいのもんですね(笑)。

■目指すはスピード系の肉体美

Q:只野といえば肉体美が象徴的ですが、この美しい体を保ち続ける秘けつを教えてください。

大学時代、ボディビルダーの大会を見たことがあるんですが、みんなムッキムキじゃないですか。ビキニパンツ1枚で、笑顔で。あれはエンタテインメント性が高いと思ったんです(笑)。ああいう肉体にしたかったんですが、あそこまで作ってしまうと、完全に俳優としてのジャンルが限定されてしまいます(笑)。そこで、スピード系の体を作ろうと目指し、ジムトレーニングとボクシングとピラティスを繰り返し、食事制限をしながら体を作ってきました。

Q:食事は炭水化物や脂質を摂らないとうかがいましたが、相当辛いのでは?

そのときによって調節しますが、糖分、脂肪分を一切摂らない時期もありましたね。今は体調を見ながら加減しています。食事に関しては基本的にいつも辛いですね。僕らの場合、アスリートとは違い、試合があってそれで終わるというのではなくて、テレビドラマの場合、3か月その体型をキープしなければいけないので。どうにもくじけそうになったときは味を頭の中で想像するんです。最近は他人が目の前で食べていても平気になってきたんですが、「どういう風においしい?」「甘い?」なんて聞いて、説明してもらって、疑似体験するんですね。あるいは、においだけかいで乗り越えることもあります(笑)。

■ドSな西川と演じたベッドシーンの撮影秘話

Q:本作は共演者がユニークですね。まず、芸能マネージャー・エミ役の西川史子さんの印象を教えてください。

西川さんは映画初出演で、お芝居もやったことがないということだったんですが、さすがに勘が良くて、非常に頭のキレる人でしたね。初めはとても堅く現場入りされたんですよ。そしてまじめに演技をしようとしていらっしゃったので、「気にしないでいつもの『ドS』な感じでいってください」って言ったら、どんどん自由になっていって。ノリにノッて演じてくださったと思います。

Q:只野が真紅のバラを使い、エミを官能させるシーンがありましたが、あれは現場で高橋さんが提案したそうですね。

テレビドラマで只野をやっているときに、ベッドシーンやセクシーなシーンをどう表現するか、アイデアをいくつか用意したんですよ。その中の一つとして花というのがありまして。考えていた使用方法は違っていたんですが、監督に話をしたらやろう、ということになって。西川さんの場合、赤いバラよりいろいろな花がイメージだったんですが、只野的にはバラだろうということで、バラが用意されたようです(笑)。

Q:チェ・ホンマンと共演した感想はいかがですか?

意外にも彼はお芝居が大好きなんですよ。もともとはダンサーになりたかったらしいのですが、体が大きくなり過ぎたので格闘家になったと聞きました。だからエンターテイメントの世界に非常に興味があるみたい。また、時折、垣間見せる顔がとてもチャーミング。会話の中にはジョークが飛び交うし、そのジョークのセンスが只野と似ているんです。ずるかったり、せこかったり、とぼけていたり。今回は物言わぬ大男の役だったので、そのセンスがアクションの中だけに留まりましたが……。ほかの人ではああいうニュアンスは出なかったので。チェ・ホンマンに出演してもらうため、撮影スケジュールはかなりずれ込んだりしたのですが、彼に出てもらって本当に良かったと思っています。

■男同士が語り合うこだわりのシーンについて

Q:上司の山西役・赤井英和さんと只野が大阪の串カツ屋で飲むシーンはいい味が出ていました。

サラリーマン二人で酒飲んで、串カツかじりながら「なぜ働くのか?」なんてしみじみと語り合うシーンですが、リハーサルをやってみて、ワンカットで行くことになりました。あの長いシーンをワンカットで一気に撮れたのは、良かったと思います。個人的には本作で一番好きなシーンと言えるかもしれません。

Q:あのシーンで山西が「男はプライドのために仕事しているんだ」と言っていましたが。

誰にでもあてはまる言葉じゃないでしょうか。プライドっていうのは自尊心だけじゃなく、目標や意地だったりするとも思うんです。目標まで行きたいという気持ちを大事にするとか、一歩足を前に出すとか、そういうこともプライドなのではないかと思います。そういう意味で、僕も仕事をする上ではプライドという言葉が必ず頭のどこかにありますね。

Q:只野の表の顔はさえないサラリーマンですが、リアルに演じるために普段からサラリーマンを観察しているのですか?

もちろん。新宿行ったり、新橋の立ち飲み屋や六本木銀座に行ったりもしますし、大森や上野の方へ行ったりもします。いろんなタイプのサラリーマンがいるので。その場にいるその人の生活形態や背景を想像しながら観察してみると、面白いですね。

Q:最後に映画の見どころを教えてください。

全体ですね。これ一本観れば今までの只野の世界を大体つかめると思います。アクションと、いつも通り力の抜けるギャグとカタルシス、欲、友情、お色気、すべてが詰まっています。アトラクションにでも遊びに来る様なつもりで楽しんでいただけたらと思います。

やはりあの、美しくたくましいボディは一朝一夕で生まれたものではなかった。長い年月をかけてストイックに、スピード系の体づくりに取り組んできた高橋。俳優というハードな仕事をこなしつつ、厳しい食事制限とトレーニングをこなす根性と精神力には脱帽である。チェ・ホンマン相手のアクションシーンもド迫力もので、高橋のキレの良い動きが光っていた。只野ファンはもちろんのこと、アクション好きはぜひ映画館に足を運んでほしい。メタボな夫を持つ妻も、只野の美ボディを夫に見せて刺激を与えてやるといいだろう。

映画『特命係長 只野仁 最後の劇場版』は12月6日より全国公開

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