シネマトゥデイ

小池徹平、品川祐、マイコ、田辺誠一
『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』
大切なのは人間同士のつながりだと思い知らされた
『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』小池徹平・品川祐・マイコ・田辺誠一 単独インタビュー

取材・文:斉藤由紀子 写真:吉岡希鼓斗

インターネットの掲示板への書き込みから生まれた物語を、映画『キサラギ』で知られる佐藤祐市監督が映画化した『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』。主人公の元ニートの青年・マ男を演じたのは、ミュージシャンとしても活躍中の小池徹平。そして、責任感ゼロのリーダーを品川祐、恋愛一直線の派遣社員・中西さんをマイコ、人格者の藤田さんを田辺誠一が演じている。劣悪な環境のブラック会社で働く企業戦士を熱演した4人が、和気あいあいと撮影の裏話を語ってくれた。

■映画のキャラと本人とは全然違う!

Q:それぞれかなり個性的な役ですが、キャラと自分とが重なる部分はありましたか?

品川:僕自身はあんなに怒りっぽくはないですが(笑)、リーダーみたいな人ってキライじゃないです。責任感のないところがデフォルメされていますけど、「クライアントの言うことは絶対だ!」とか、「定時退社なんて都市伝説だ!」など、彼なりの正義を持つ昔ながらのサラリーマンなんですよね。

小池:僕が演じたマ男は、7年間のニート生活からもう後がない状況で会社に入るんですが、仕事に関しては言われたことをちゃんとこなす力もあるし、すごく芯のあるヤツです。彼の頑張ろうとする気持ちはすごく共感できますね。ただ、性格はあんまり似ていないと思います(笑)。

品川:実際もキャラと近いのはマイコちゃんくらいじゃないの? 芝居で使っていたリラックマ(着ぐるみのクマのキャラクター)を、休憩中もずっと持っていたよね。

小池:マイコちゃんの私物かと思っていましたよ(笑)。

マイコ:確かにクマが好きっていうのは共通点ですね(笑)。でも、わたしは中西さんとは真逆のタイプです! 好きな人を射止めるために、周りの人を巻き込んでしまうほど恋愛一直線ではないですから。中西さんのパワーが女性としてうらやましいなって思いつつ、楽しみながら演じました。

Q:田辺さんが演じられた藤田さんの人柄は、田辺さん自身と重なって見えましたが……?

田辺:いやー、違いますよ。僕は全然落ち着きがないですし、いつも余計なことばっかり考えていますから(笑)。そういう雑念を押さえて、ニュートラルで常識的な人物を演じてみました。

小池:田辺さんと藤田さんは別人ですよ! 田辺さんは、実際すごくやんちゃで面白い方なんです(笑)。

■撮影前にタイピングの特訓をしたものの、残念な結果に……

Q:戦場や三国志のシーンなど、CGがいいアクセントになっていましたね。

小池:最初は不安だったんですよ。結構CGのシーンが多かったので、物語とどうつながるのか心配だったんですけど、全然気にならないくらい素晴らしい仕上がりでしたね。

品川:僕も、CGが作風を壊してしまうのではないかという不安があったんです。でも、わざとチープにしているところもあるし、ガッツリやっているところもあるし、監督にやられたなって思いましたね。日本のCGって、ハリウッドと違ってアニメーション的なほうが得意なのかと思っていたんですが、これは邦画のCGの正しい使い方なんじゃないかな。

Q:皆さんはプログラマーの役ということで、リアリティーを出すのにご苦労されませんでしたか?

マイコ:わたしは派遣社員のリアリティーを出すために、撮影に入る前にキーボードのブラインドタッチを特訓しました。でも、実際の撮影ではブラインドタッチなんて関係なかったですね(笑)。

小池:正直、手元が映るシーンってなかったですよね。

田辺:適当にキーボードを押せば、専門的な画面が出るようにプログラミングされていたしね(笑)。

品川:マイコちゃんがタイピングの練習をしたという話を聞いていたので、撮影で生かされてなくてかわいそうでした(笑)。

■田辺のガチな面白さに品川も脱帽!?

Q:本作はセリフの掛け合いが見どころのひとつですが、みなさん息がピッタリでしたね。

小池:撮影が進むにつれて、どんどん息が合っていったような気がします。

品川:現場の雰囲気もすごくよかったしね。特に、クールでかっこいいイメージだった田辺さんが意外なほど面白くて、休憩中も楽しませてもらいました。例えば、「自動的に消臭剤がスプレーされるトイレが許せない!」って突然言い出したりするんですよ。「自分が臭いものを出すって決めつけているようじゃないか!」って(笑)。

小池・マイコ:(爆笑)!

田辺:だって、失礼じゃないですか。本当に臭かったら消臭されてもいいんですけど、する前から判断されるのがイヤなんです。だったら「絶対に臭くしないぞ!」って思うんですよ。スプレーしちゃった消臭剤がむなしくなるように(笑)。

Q:そんな田辺さんから見て、意外な一面を持っていた方はいますか?

田辺:品川さんかな。すごく勉強しているし、知識も深い。それでいて人をちゃんと立てる方なんです。休憩時間も、いつの間にか品川さんを中心にみんながまとまっていった感じでしたね。

Q:休憩中はどんな風に過ごされていたんですか?

小池:セットのデスクに置いてあったガンダムの漫画をみんなで読んでいました。僕は一冊読むごとに、ガンダム通の品川さんに感想を言いに行っていました(笑)。

品川:そしたら、なぜか田辺さんも漫画を持って徹平くんの後ろに並んでいるんですよ!満面の笑みを浮かべて、ガンダムの意見を言う順番待ちのように(笑)。まるでコントですよ!

田辺:「早く感想を言いたい!」っていう小芝居です。みんなが面白がってくれるかなと思って(笑)。

マイコ:ちなみに、わたしもガンダムを読破しちゃいました(笑)。

■面白いということを言葉で伝えるのは難しい

Q:では、これから映画を観る方にメッセージをお願いします。

小池:監督もスタッフも役者たちも、みんなが気持ちをひとつにしてできた作品です。面白いっていうことを言葉で伝えるのはすごく難しいんですけど、本当に完成度の高い映画に仕上がっていますので、とにかく観てほしいという気持ちです。

マイコ:夢がある方はもちろん、これから夢を探そうとしている方も、マ男の勇気に共感できるのではないかと思います。新たな一歩を踏み出す勇気がもらえる映画ですので、何かに悩んでいる方がいたらぜひ観てもらいたいですね。

品川:僕は映画の寸評をやっていた時期があるんですけど、自分のセンスを疑われるのがイヤだから、面白くない映画は「面白い」という表現を使わないで、「原作の世界観を壊さずに……」とか言って逃げるんです。でも、この作品は胸を張って「面白い!」と言える。僕が面白いと表現するのは、本当に自信のあるときだけです!

田辺:誰かが頑張っているから自分も頑張れるとか、人間同士のきずなって大きいんだなと思います。海外でも、誰かに親切にされるとその国がすごくいい印象になるじゃないですか。どんな歴史的な文化遺産がある国でも、人が意地悪だったらイメージが悪くなる。会社も同じで、大切なのは人間同士のつながりなんだと思い知らされる作品です。

笑顔が印象的な好青年の小池、みんなをリードする品川、自分の意見をしっかり持つマイコ、そして、コメディーセンスもバッチリな田辺。とにかく息がピッタリで、インタビュー中も笑いが絶えなかった4人。彼らが共演した『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』を観れば、現場のチームワークの良さが画面から伝わってくるはずだ。まじめな人格者の役でありながら、所々で笑える芝居を披露しているという田辺の細かい演技にも注目してほしい。

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』は11月21日よりシネクイントほかにて全国公開

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