シネマトゥデイ

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市原隼人
『猿ロック THE MOVIE』
真っすぐなサルに、男としてほれちゃいます
『猿ロック THE MOVIE』市原隼人 単独インタビュー

取材・文:シネマトゥデイ 写真:高野広美

映画『リリイ・シュシュのすべて』の繊細な男子中学生役でデビューを果たしてから、はや9年……。市原隼人は映画『ROOKIES -卒業-』 で大ブレイクし、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気を誇る役者となった。市原演じる下町に生きる天才カギ師の主人公サルの活躍を描いた「猿ロック」はテレビ放映開始から人気爆発! ついにファン待望の映画『猿ロック THE MOVIE』が公開される。カギ開けの天才であるサル同様、観客を楽しませることにかけては天才的な才能を持つ市原が、作品の魅力そして役者としての自分を語った。

■つらい撮影も仲間たちと楽しく乗り切った

Q:テレビドラマから映画になって、いったいどんな作品になるのだろうと思っていたんですが……。

スケールがすごくでかくなりました(笑)! 水中でのアクションシーンなんて本当に本格的で、ボンベの練習から始めて実際に車をプールの中に沈めて撮ったので大変でしたけど、楽しんでできました。

Q:水中のシーンは、本当にきつそうでした。

サルを演じる上で、何事にも真っすぐ取り組んでいこうという思いがあったんです。そしたら、芝居を全部楽しめたんです。だから、苦しいことでもすごく楽しく演じることができました。

Q:市原さんのブログからも、日々の撮影現場の過酷さが伝わってきたんですが、ハプニング続きだったそうですね?

そうですね。台風が来て、機材が吹き飛んじゃったり、嵐がすごくてテントが飛ばされたり、天候には恵まれなかったかもしれないです(笑)。でもそんな状況でも、現場の雰囲気がすごく良くて、みんな和気あいあいだったんです。あいさつするときは、必ず笑顔であいさつを交わせるという環境が、最初から最後までずっと続いていたので、つらい撮影も乗り越えることができたんだと思います。

■サルを通して、忘れかけていた何かを思い出して

Q:市原さんは周りにある小道具を使って役づくりされるそうですが、今回は何を小道具に役づくりをされたのですか?

今回は、周りの空気感全部ですね。衣装さんが作ってくれたツナギの服も、自分でこうしたいって提案した髪型も、バンダナも、子どものような話し方も。全部、猿ロックの持つ空気感から生まれたものなんです。

Q:猿の少年っぽい話し方がとても魅力的だと思うんですが、どこからヒントを得たんですか?

「星の王子さま」っていう本があるんですけど、忘れかけていた大切なことに気付かせてくれたんです。王子さまが持つ無邪気さは、サルにも生かそうと思いました。この作品を観た方も、忘れかけていた何かをもう一度思い出してくれたらと思います。

Q:サルといえば、あの銀髪が一番印象的です。役者さんというのは、作品を何本か同時進行で撮ったりもすることがあると思いますが、銀髪にしたときに、「これ一本!」という覚悟を決めたんですか?

僕は、いつも同時進行ができないんです。主演をやらせていただくからには、本当に責任を持って演じなければという気持ちが大きいんです。その上で、気持ちがほかの作品にいったり、ブレてしまったりするのは恥ずかしいことだし、作品にかかわる人たちにも申し訳ないことなので、一つの役に集中したいんですよね。どうせやるなら、その作品だけの色に染まりたいんです。

■真っすぐでチェリーなサルが大好き!

Q:サルというキャラクターの、どんなところが一番好きですか?

真っすぐなところ! 遠回りせずに、直で何でも言ってくるところが好きです。それから、友達思いなところ。自分を犠牲にしても、友達を助けようとするサルに、男としてほれちゃいますね。あと女の子が好きなところも! 男だったら、絶対女の子が大好きだし(笑)。

Q:サルはチェリーな童貞くんですが、演技のどんなところに童貞っぽさを組み込みましたか?

あはは! チェリ~(笑)。やっぱり、女の子と話すときに、やたらとテンションが上がるところですかね。そりゃ引かれるわ、ってくらいテンション上がるんで!

Q:劇中では、高岡さん演じる山田巡査ともつらいことになっていましたね。友達とちょっと気まずくなってしまったとき、市原さんはどうやって乗り越えるんですか?

なっちゃいましたね~。ああいうの、ありますよね。普通の友達同士でも、何が良くて、何が悪いのか。わからなくなっちゃうとき。お互いの気持ちがすっごいよくわかりましたね。僕が同じような立場だったら、できるだけ、相手の立場に立って、物事を考えることが大切だと思います。もしおれが、あいつだったら……、こう言われたらこう思うだろうなって、とにかく考えて、でも言いたいことはきちんと伝えたいですね。

Q:サルと仲間との関係がとてもうらやましいと思ったのですが、市原さんにとって仲間ってどんな存在だと思いますか?

お互いが嫉妬(しっと)できて、お互いが土台になれて、お互いが敬意を持てて、悲しいときは一緒に泣いて、楽しいときは一緒に笑える、そんな関係ですね。

■役者の仕事がどんどん楽しくなってきた

Q:最近の市原さんは、芝居への熱が本当にどんどん上がっている印象を受けます。楽しそうですね!

楽しいですね。演じていくうちに、一瞬の本番の時間がどんどん楽しみになってきました。

Q:現場のことを少しずつわかってきた感じですか?

照明さんのライトや、カメラマンさんのアングルが、自分の表情を作ってくれて、音で表情を作ってくれたり、監督が全体を通して見てくれていたり。そんな本番を重ねていくうちに、自分の芝居の引き出しが増えていって……。どこで、どんなふうに表現してみようかな。頭のてっぺんから、足のつま先で、この役柄の気持ちを感じて、どうやって表現しようって、やればやるほど、どんどんどんどん楽しくなってきて、「やっぱおれ、芝居が好きだわ!」ってなったんです。

Q:いつから、芝居に対する気持ちが変わっていったと思いますか?

自分の芝居を観ていただいている方の力が、一番でかいです。病気で、あと何か月の命かわからない女の子から手紙をもらったことがあって……。でもそこに、「隼人くんの映画を観て、元気をもらえました。頑張れます」って書いてあって。そこまで言ってもらえて、そのとき自分はもう引くに引けないなって思ったんです。もしも引いたら、この子たちの気持ちを裏切ることになる。やるなら本気でやらなきゃなって、思ったんです。

Q:「猿ロック」も、サルからパワーをもらっている方はたくさんいると思います。

そうですね。実際完成披露試写にも、サルと同じツナギを着た方がたくさん来ていて、うれしかったです。でも、サルの活躍はこれからなんで、みんながどんなふうに観ていただけるかが楽しみです! 一度作品を皆さんの手に渡したら、映画は観ていただいた方のものになるので、子どものようにかわいがっていただければいいなって思います。

「芝居が楽しい!」。晴れやかな笑顔とともにこう言った市原は本当にすがすがしい顔をしていた。そして、彼が今心から芝居をすることを楽しんでいるのは、本作『猿ロック THE MOVIE』を観ればきっと伝わってくるはずだ。スクリーンいっぱいに、市原のこぼれんばかりの笑顔がはじけていて、観ているこちらまで楽しい気持ちになるのだ。観る人に明日へのパワーを与え、元気にさせる。彼が持つ魔法のカギは、その笑顔にある。何だかちょっとうまくいかない、そんなふうに落ち込んだときは、映画館で、市原演じるサルからパワーをもらってほしい!

映画『猿ロック THE MOVIE』は2月27日より全国公開

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