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イーストウッドが贈る、希望と感動のメッセージ「ヒア アフター」 2月19日(土)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

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ヒア アフター
  • 第1弾 『ヒア アフター』緊急座談会!
  • 第2弾 珠玉のイーストウッド監督作 投票

緊急座談会!2大巨匠イーストウッド監督×スピルバーグ製作~『ヒア アフター』を観て ~

俳優として多くの映画に出演し、監督としてもアカデミー賞作品賞&監督賞を2度受賞した、クリント・イーストウッド。最新作『ヒア アフター』は、「死に直面し、そこで見つけた生きることへの希望」を描き、今までのイーストウッド作品とは一味違う感動のドラマに仕上がっている。80歳にしてなお、映画に情熱を注ぐイーストウッドを愛する2人の映画ライター<今祥枝、相馬学>が、監督の魅力、そして本作の見どころを語る!

クリント・イーストウッド監督は、どこがスゴいの?

『ヒア アフター』は、硫黄島の戦いを描いた2部作以来のクリント・イーストウッド×スティーヴン・スピルバーグ作品ですね。

相馬
プロデューサーとしてのスピルバーグは、もともとは自身も監督だから、ほかの監督を全面的に信頼するし、撮りたいように撮らせる人。それが、いいんだろうね。
今
そういう意味で、イーストウッド監督からしてもスピルバーグと組むことで「妥協なく作りたい作品が作れる」というメリットはあるから、2度目のコラボが実現したのかもしれませんね。

多くの映画賞を受賞しているイーストウッド監督ですが、批評家や観客を魅了する理由は何でしょうか?

今
絶対的に言えるのは、演出力の確かさ。文句なく映画作りがうまい。『ヒア アフター』の津波シーンの迫力とスリルに冒頭から圧倒されてしまったもの! 『TSUNAMI-ツナミ-』をイーストウッドに撮ってほしかったと思ったぐらい(笑)。
相馬
説明的な描写に陥ることなく、最小限の言葉と映像、さりげないユーモアで“映画”を作れる、ハリウッドでは数少ない才能なのは間違いないでしょ。
今
間違いないですね。だからどんな題材でも、人間の本質をしっかりと捉えて描けるんだと思う。
相馬
イーストウッドって、俳優としてタフガイのイメージを持たれていたにもかかわらず、男の情けない部分も赤裸々に描けてしまうんだよね。タフという仮面の下に「ダメ男でごめんなさい」と吐露している点が素晴らしい!
今
そこが男性ファンも多い理由なのかもね(笑)。硬派なテイストで、感情的になり過ぎず、お涙頂戴にならずに淡々と描く作風は批評家好みだと思うな。それと、一本筋の通った「男の美学」を描いている部分は、一般の人にも好まれる理由だと思う。

『ヒア アフター』で、監督が言いたかったこととは?

涙したり、考えさせられたりと、「死」と「生きる」を軸にした物語ですが、感動したシーンを教えて下さい。

相馬
僕は、登場人物3人のそれぞれの物語にグッときた。小さな子どもには希望を与え、大人の男女には現実を見つめさせること。どのキャラクターにも、「死」ではなく、「生」を見つめさせていてね。イーストウッド作品らしく、押し付けがましいところがないし。
今
感動や監督の主張を押し付けがましく描かないところは、イーストウッド作品の良さですよね。
相馬
こういうドラマに触れると「もう少し真剣に生きてみよう」という気持ちにさせられるなぁ。
今
わたしは、ラストシーンが一番好き。ネタバレになるので詳しくは言えないけど、あのラストで、わたしにとっては「希望を描いた作品」となりました。

では、イーストウッド監督が、作品に込めたメッセージは何だと思いますか?

今
この映画は、観る側の個人的な体験に左右される部分も多いと思うけど、それぞれが自分なりに受け取れるメッセージは必ずあるはず。多くの優れた映画と同じく、他人の評価ではなく「自分がどう受け止めたか」で良いと思う。個人的には、「死を考えることは、すなわち生きることの喜びを改めて実感すること」だと伝えているのかなと感じました。
相馬
『ミスティック・リバー』あたりから死と真剣に向き合い、どれが遺作になってもおかしくない力作を放ち続けてきたけど、『ヒア アフター』は珍しくライトな感覚で「死」を撮ったことは見逃してはいけない部分。決して、軽い気持ちで死を受け止めているわけではなく、むしろ「死ぬことを気にしてもしょうがない」という考え方の表われじゃないかな。そういう意味では、「運命」を受け入れた人間の強さが表われた作品だと思う。

これから『ヒア アフター』を観る人へ

イーストウッド作品には、これまでも死生観を入れた作品はありましたよね。今回の作品は今までとは、どんなところが違いましたか?

今
今回、真正面から「死」という題材を取り上げたのは、いろいろと考えさせられるものがあって興味深かったですよね。
相馬
確かに。ここ数作のヘビー級のインパクトはないものの、「死」をサラリと描いてしまえるところに、御年80歳のイースウッドの余裕と達観が垣間見られた感じ。
今
死と向き合うことは、決して暗い話でも絶望的な話でもなく、「人は誰でもいつか死ぬ」ということを受け入れた上で、この映画を観ると、自分の人生や家族のことを見つめ直すきっかけとなるかもしれませんね。
相馬
これまでのイーストウッド作品がそうであったように、生きることに迷っている人に勇気を与えるんじゃないかな。過去数作は「こんな死をどう思う?」という、良くいえば強力な、悪くいえば息苦しさがあったけど、今回はもっとソフトな感触。「生きるのも悪くないだろ?」というイーストウッドの声が聞こえてきそうな作品だね。
ライタープロフィール(50音順)
今 祥枝

雑誌編集者を経てライターへ。こぢんまりとしたヨーロッパ映画、見応えのある人間ドラマが好き。イーストウッド作品は硬派な作風をリスペクト。

相馬 学

アクション&スリラーを偏愛するフリーライター。イーストウッドは敬愛する監督の一人。タフガイの印象とは裏腹の人間的な弱さに、つい自分を重ねてしまう。

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