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『ゴジラ-1.0』製作陣が藤本賞受賞 岸田プロデューサー「70年越しの思いが体現できた」

第43回「藤本賞」の受賞者
第43回「藤本賞」の受賞者

 映画製作者を表彰する第43回「藤本賞」授賞式が9日、都内で開催され、映画『ゴジラ-1.0』の製作陣である、臼井央さん、故・阿部秀司さん、山田兼司さん、岸田一晃さん、阿部豪さん、守屋圭一郎さんが受賞。作品に対する熱い思いを語った。

【画像】ゴジラシューズでアカデミー賞に出席した山崎貴監督

 「藤本賞」は、一般社団法人・映画演劇文化協会が主催する映画賞。生涯に渡って269本もの映画を製作した故・藤本真澄さんの業績を記念するとともに、毎年、全国の劇場公開用として製作、一般に公開された映画の中で特に観客の多大な支持を受け優れたエンターテインメント性を持った映画製作者に贈られる。

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 『ゴジラ-1.0』は、ゴジラ生誕70周年にして、実写映画シリーズ30作目となるメモリアル作品。第96回アカデミー賞では日本映画初となる視覚効果賞を受賞するなど、国内のみならず、世界中で高い評価を獲得した。

 エグゼクティブプロデューサーに名を連ねた阿部さんは昨年12月、74歳でこの世を去った。本作が最後のプロデュース作品となったが、臼井エグゼクティブプロデューサーは「このチームでここに立てることが幸せです」と語ると、「阿部さんの代わりに御長男も出席いただき、心強いだろうなと思います」と故人を偲ぶ。続けて、「振り返ると『ゴジラ-1.0』は本当に幸せな仕事でした。何が嬉しいかというと、本作が公開された年の邦画の実写で、一番お客さんが入ったこと、さらに海外での日本の実写映画で、お客さんがたくさん入っていただけたこと」と興行面での成功を誇る。

阿部秀司さんの代理で出席した長男・阿部慎利さん

 阿部さんの代理で出席した長男の阿部慎利さんは、「父は残念ながら他界してしまいましたので、代わりにここに立たせていただいています」と語ると、阿部さん自身4度目の「藤本賞」受賞に触れ「改めてすごい人だったんだなと思いました。この場に立ってどんなことを話したのかは分かりませんでしたが、本作が彼の遺作になって、素晴らしい賞をいただけたことを、彼は喜んでいると思います」と語っていた。

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 山田プロデューサーは「僕は『ゴジラ-1.0』が北米で劇場公開された際、立ち合うことができたのですが、2回鑑賞したどちらも映画が終わったあと、拍手が巻き起こったんです。イベント上映ではない上映で、こうして拍手が起きたことで、多くの人に伝わったんだろうなと実感できて感動しました」とスピーチ。また、山崎貴監督と共にスティーヴン・スピルバーグ監督から直接拍手と賞賛を受けたというと、「こんな人生があるのかと思うぐらい幸せな時間でした。日本映画は、まだまだ世界に届く可能性がある」と未来に思いを馳せていた。

岸田一晃プロデューサー

 岸田プロデューサーは「70年前から偉大な先輩が『ゴジラ』を作り続けてくれたからこそ、我々がバトンを受け取ることができました」と先輩たちへの感謝を述べると「『シン・ゴジラ』のあとに良くやるね」と周囲からはプレッシャーを受けていたことを明かす。「僕のなかでは『よくやるね』から『よくやったね』と言ってもらえるように頑張りました。初代『ゴジラ』の予告編で、“ハリウッド映画をしのぐ特撮技術”と入っていたのですが、今回オスカーを獲れたとき、70年越しの思いが体現できたのかなと思いました」としみじみ語っていた。

 また、株式会社ロボットの阿部豪プロデューサー、守屋プロデューサーは共に「阿部さんにここまで連れてきてもらいました」と故・阿部氏への感謝を述べていた。(磯部正和)

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