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ギーク・シックな俳優たち特集

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インディーズ系コメディー系おデブ系エスニック系

意外と知らない!? 3D映画を大特集

ひと昔前なら「オタク」の一言で片付けられていた、外見も行動もイケてない男子たち。しかし、今やスクリーンでもテレビでも、ギーク(Geek)やナード(Nerd)といわれる特殊(?)なキャラクターが市民権を得て、立派に主人公として大活躍! そこで、若手俳優の青田買いでは他の追随を許さない、当サイトでもおなじみのライターが、自ら命名した「ギーク・シック俳優」の魅力を独自の視点で解説します!

今、最高にセクシーなのはギーク&ナード!(文/山縣みどり)

階級制度がないといわれるアメリカだけど、血脈に基づく制度がないだけで、資産や実績、教育や外見、そしてポピュラリティーに基づく階級制度は厳然と存在している。それを培うのがハイスクール時代で、アバクロのモデルのような「ジョック(スポーツマン)&チアリーダー」たちがトップに君臨し、成績も見かけも平凡な生徒や成績はいい「オタク&ナード」は末端でひっそりと毎日をやり過ごすのだ。そんな末端にいそうな雰囲気を持つ俳優たちに今、脚光が当たっている。しかも彼らをセクシーと称賛する声も増えているのだ。

~ インディーズ系ギーク・シック俳優 ~

その中でインディーズ系ギーク・シック俳優(と勝手に命名&分類)なのが『ソーシャル・ネットワーク』でオスカー候補になったジェシー・アイゼンバーグと、『(500)日のサマー』『インセプション』でハリウッドのメインストリームに躍り出たジョセフ・ゴードン=レヴィット、9月に『カウボーイ&エイリアン』の公開が迫るポール・ダノだ。


3人とも子役としてデビュー、あまり背も高くなく「マッチョな美男俳優路線」を選ぶにはきゃしゃ過ぎた。しかも地味顔というのも手伝って、必然的に「シャイで奥手で女の子に声も掛けられない少年役」(『恋のからさわぎ』のジョセフや『アドベンチャーランドへようこそ』のジェシー、『ガール・ネクスト・ドア』のポール)や「悩みや煩悩、自己嫌悪で頭ぐるぐるになってしまう少年役」(『リトル・ミス・サンシャイン』のポールや『イカとクジラ』のジェシー、『ブリック』のジョセフ)を与えられることに。「なりたくても絶対に人気者になれない僕」が前提のキャラクターだが、サイコっぽく屈折し過ぎることのない巧みな役づくりで観客の共感を呼ぶことに成功。


また3人とも俳優業だけでなく、脚本や戯曲を手掛けたり、バンドを組んだりとメンタリティーはアーティストそのもの。ハリウッドのヒット至上主義におぼれることなく、芸術性の高い映画を選ぶバランス感覚とセンスにはいつもさすがと感じるし、案外こういう俳優たちがオスカーに一番近いのかもしれないと思わせもする。ちなみにマーク・ウェバーレオ・フィッツパトリックもこのタイプだが、アート志向が強過ぎるのがやや難点かもしれない。

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~ コメディー系ギーク・シック俳優 ~

このジャンルはトップ争いが激しいが、今のところの代表格は、『スーパーバッド 童貞ウォーズ』や『キミに逢えたら!』のマイケル・セラだ。全身からにじみ出る童貞オーラは永遠で、同級生を妊娠させた『JUNO/ジュノ』を彼の代表作に挙げる人が少ないのもそのせいだろう。4月29日公開の新作『スコット・ピルグリムVS. 邪悪な元カレ軍団』ではアクション演技も披露しているが、これがもう最高にヘナチョコだし、内股ダッシュにも脱力。あと10年ほど、この路線でまい進していただきたい。

マイケルと同じく“アパトー・キッズ”(ジャド・アパトー監督作品の常連)の一人なのがジェイ・バルシェルだ。ひょろりと細い体に笑ったラクダのようなコミカルな顔立ちという存在そのものがすでにギーキーなのは運命? 『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』『ファンボーイズ』『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』で脇役ながらも観客の笑いを誘う好演を見せ、『ある日モテ期がやってきた』で主演に躍り出るや、人気爆発。『魔法使いの弟子』でも同様に美女をゲットするオタクを演じ、世のオタク男性に勇気を与えている。

マイケルやジェイほどメイン級ではないものの忘れちゃいけないのがクリストファー・ミンツ=プラッセジョン・ヘダーだ。面白半分で受けたオーディションに合格し、『スーパーバッド 童貞ウォーズ』で俳優デビューしたクリスは、当時から人気を獲得。主人公に絡む個性派俳優として貴重な存在となっている。一方のジョンは7年前にオタク高校生ナポレオン・ダイナマイトを体現した『バス男』でティーンに強烈な印象を残した個性派。テレビ版でも当たり役ナポレオンを再び演じるというが、そこが彼の限界なのかもしれない。

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~ おデブ系ギーク・シック俳優 ~

女性はあまり惹(ひ)かれないかもしれないが、おデブ系ギーク・シックにも注目してもらいたい。今一番フレッシュな才能と評価が高いのはジョナ・ヒルだ。『40歳の童貞男』のチョイ役でジャド・アパトー監督に認められたコメディーセンスと、脚本も手掛ける才能は、映画人としての今後のさらなる活躍を期待させる。また昨年アメリカ公開された『サイラス(原題) / Cyrus』では、かなりサイコっぽい役にも挑戦していて、単なるおデブキャラからの脱皮も近そうだ(まず痩せろ、だが)。同じおデブ枠にはセス・ローゲンジェイソン・シーゲルがいて、全員が“アパトー・キッズ”で脚本家としても活躍中というのが面白い。

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~ エスニック系ギーク・シック俳優 ~

最後にちらりと触れたいのがエスニック系ギーク・シックだ。古くは『すてきな片想い』のベトナム人留学生から、最近はテレビシリーズ「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」のインド人博士まで、お勉強ができるアジア系人種は「ギーク&オタク」というイメージを背負わされている。そんなアジア系俳優で一押しなのがジョン・チョウだ。人付き合いが苦手なガリ勉高校生を演じた『ベター・ラック・トゥモロー(原題) / Better Luck Tomorrow』やインド系俳優カル・ペンと組んだ『Harold & Kumar』シリーズでの気弱な会社員役はまさにハマり役。J・J・エイブラムス『スター・トレック』のスールー役に抜てき後はマッチョな役も増えたが、ギーク・シック街道から永遠に離脱することはなさそうだ。

と、スター業界でも特異枠ながらもジワジワと人気を獲得しているギーク・シック俳優たち。いわゆるヒーローを演じるわけではないが、等身大キャラクターをリアルに、またコミカルに演じる実力に映画ファンならば目を光らせておいてほしい。

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