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仲里依紗
『ハラがコレなんで』
妊婦さんって本当に大変!
『ハラがコレなんで』仲里依紗 単独インタビュー

取材・文:斉藤由紀子 写真:吉岡希鼓斗

映画『川の底からこんにちは』で数々の映画賞に輝いた石井裕也監督が、仲里依紗を主演に迎えて作り上げた新作『ハラがコレなんで』が公開となる。本作は、妊娠9か月なのにだんなもいなけりゃ家も金もないがけっぷちのヒロインが、周囲の人々のために奔走する姿を描くユニークな人情物語。「粋に生きること」にとことんこだわる超個性派妊婦・光子を演じた仲が、撮影で苦労したことや共演者・中村蒼とのエピソード、さらにはプライベートのぶっちゃけ話まで、本音爆発のトークを繰り広げた。

■ハラの詰め物が重過ぎて、撮影初日でギブアップ!?

Q:今回演じた光子は、とにかくパワフルで粋な妊婦さんでしたね。

あんなに粋な女性を演じるのは初めてです! 光子みたいな人がいたら、周りが明るくなりそうですよね。演じていて勇気をもらえました。今の日本には元気が必要だと思うので、見終わったあとに前向きになれる作品になって本当によかったなと感じています。

Q:臨月の妊婦を演じるために、事前に準備したことはありましたか?

今回、役のためにしたことといえば、前髪を切ったことぐらいかな(笑)。撮影に入る前に体を絞ったりはしましたが、台本を読んだときの自分のイメージを大切にしながら、現場で石井監督と話し合って役をつくっていきました。

Q:おなかに詰め物をしてお芝居されていましたが、かなり体力を使ったのではないですか?

初めは実際の妊婦さんと同じ重さの物をつけていたんですけど、撮影の1日目からギブアップでした。あまりにも重いので、次からはもっと軽い物に換えてもらったんです。妊婦さんって本当に大変なんですね。それなのに、光子はガンガン動き回って、空を見て笑っているんですよ! スゴイ人です。

Q:妊婦さんの気持ちを体感して、将来の予習になったのでは?

いや、わたしは無理かもしれません(笑)。今は特に、自分とペットの世話で精いっぱいなので。うちって、動物がいっぱいいるんですよ。ワンちゃんとかチンチラとか。あ、チンチラっていっても猫じゃなくて、毛皮になるほうのチンチラ(ネズミ)。もちろん、わたしは毛皮になんてしませんけど(笑)。

■役に影響されてプラス思考に!

Q:同世代の石井監督とご一緒して、年配のベテラン監督とは違うなと思ったことはありましたか?

年配の監督さんだと、その人のカラーがしっかりあって、演出も確立されていらっしゃるから、その波に乗ればいいという感じなのですが、やっぱり、若い監督さんは勢いがありますよね。こちらもそれに負けないようにやらないといけないなと思いました。石井監督は本当にマジメで、撮りたいものがキチっとしているから、信頼してついていくことができました。

Q:光子のどこか達観したようなセリフ回しが印象的でしたが、自分の言葉にするのには時間がかかったのではないですか?

監督のイメージする光子の話し方が独特のセリフ回しだったので、表現するのはすごく難しかったです。監督は、「0.1秒早く!」とか、「宇宙みたいに!」とか指示の出し方が独特なんです。でも、慣れてくるとだんだんわかってきて「あうんの呼吸」というか、言葉ではない部分でのコミュニケーションが大切なんだなと実感しました。

Q:「OK、大丈夫」という光子の口グセを聞くと、観ているこちらまで安心するような気持ちになりました。

わたしも、役に影響されたところがあります。例えば、「あー、どうしよう……」とクヨクヨ悩むことってありますよね。「あれを買っておけばよかったなあ」とか。まあ、例えがイマイチですけど(苦笑)。そんなときでも、「悩んでいたってしょうがない。いつかいい風が吹くし、なるようになるさ!」と思えるようになりました。どんなに体力的にキツいときでも、「これを乗り越えたら楽になる。もっと大変な人だっているんだから、自分もがんばらなきゃ!」って。

■共演者の中村蒼に“年上目線”でアドバイス!

Q:光子の幼なじみで、朴訥(ぼくとつ)な陽一を演じた中村蒼さんとの呼吸もピッタリでしたね。

最初に陽一役を蒼くんがやると聞いたときはビックリしました。「まさかの年下?」みたいな(笑)。蒼くんって、今風のイケメン系じゃないですか。お顔もきれいに整っていて、今をときめく俳優さんなので、「こんな素朴な役、本当にやれるの?」と思って意外でした。

Q:でも、実際はすごく役にハマっていましたよね!

そうなんですよ! 「蒼くんが変わった!」って現場で思いました。彼が本当に陽一にしか見えなかったです。陽一は衣装がワンパターンなんですよ。いつも衣装が毛玉のついたジャンバー。「それしか服ないの?」って聞いちゃいました(笑)。そんな蒼くんがかわいくて、母性本能くすぐられました。

Q:素顔の中村さんは、どんな感じの方なんですか?

ごくフツーの男の子です。彼は現場でハタチになったんですよ。誕生日の1週間くらい前に、「仲さん、ハタチってどんな感じですか?」って聞かれたので、「何も変わらないけど、今のうちに遊んでおきな!」と、年上ぶってアドバイスしました(笑)。「これからもっと忙しくなる。そしたら周りからいろいろ言われちゃうんだから、遊ぶなら今のうちだよ!」って、光子風に言っておきました。

■男に依存はしない!

Q:男性に依存せず、決して甘えない光子ですが、仲さんは光子のような恋愛観にも共感しますか?

します。実は、男の存在が必要と感じないときもあるんですよ(笑)。だから、干渉し合うのではなく、どんなときでも自分らしくいられる恋愛がいいですね。この間、45歳を過ぎてから結婚された女性のお話を聞いて、「熟年結婚もいいな」と思いました。その方とだんなさんは、何十年も友人関係が続いていて、結婚した今も「子どもはいなくていい、このまま二人だけで過ごしたい」と考えているそうなんです。しがらみが一切ないし、お互いが自立しているから、金銭面で頼ることもない。二人の部屋も別々みたいで、そんな関係もすてきだと思います。

Q:いい風が吹くまで昼寝をするのが光子の習慣ですが、仲さんには、運気を上げるために習慣にしていることはありますか?

自分の部屋だけはキレイに掃除するようにしています。でも、本当に自分の部屋だけで、楽屋とかホテルは超散らかします。たぶん、あの様子を見た人は、「部屋も汚いんだろうなー」と思うでしょうね。でも、プライベートの空間は、めっちゃキレイにしているんです。友達が遊びに来ても、ちょっと飲み物をこぼされたりすると、気にしちゃいますね(笑)。自分の部屋をキレイにしておくと、いい風が吹くような気がしています。

見た目は飛び切りガーリーなのに、中身は根性の据わった男前。ハッキリとものを言うのにキツさは全然なく、一緒にいるとなんだか癒やされる。そんな仲里依紗は、まさに劇中の光子そのものだ。「子どもなんて無理!」と言いながらも、深い母性を感じさせる彼女が演じたスーパー妊婦・光子。義理と人情をモットーに、臨月のおなかを抱えて駆け回る光子が巻き起こすミラクルは、今の日本に大きなパワーを与えてくれるだろう。『ハラがコレなんで』は、何かと落ち込みがちの人や悩みのある人にオススメしたい、サプリ効果バツグンの作品だ。

(C) 2011『ハラがコレなんで』製作委員会

映画『ハラがコレなんで』は11月5日より渋谷シネクイントほか全国公開

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