シネマトゥデイ

 

今週のクローズアップ 最も魅力的な“ワル”は誰……? 不良映画こそ、スターダムへの道!

 松田翔太主演の映画『ハードロマンチッカー』の公開をきっかけに、歴代の人気俳優が演じたさまざまな不良映画を紹介。松山ケンイチ小栗旬……数々の売れっ子を輩出した不良映画を振り返り、なぜ不良がウケるのか? その理由に迫ります!
『不良少年(ヤンキー)の夢』松山ケンイチ 居場所のない不器用な純情少年の葛藤を生々しく体現

 にらみをきかせた松山ケンイチが全身からギラギラと放つ「反骨」の美を堪能できるのが、かつて札付きの不良でのちに教師となった“ヤンキー先生”こと義家弘介の自伝を映画化した『不良少年(ヤンキー)の夢』。「家族や友人、周りのすべてが敵だと考えるようになったら、自分の居場所がなくなってしまった――」。教師への暴行が原因で高校を退学になり、親にも見放された問題児・弘介が、全国から中退者を受け入れる北海道のとある高校で人生の再スタートを切る。当時、松ケンはまだブレイク前でしたが、すでに役者としての貫禄は十分。たとえ相手が教師であろうと先輩であろうと、誰かれなく牙をむく弘介のささくれだった内面、行き場のない激情を生々しく体現、その多彩な表情にグイグイ引き付けられます。また、リーゼントにボンタン、片手にハーモニカというひと昔前のヤンキー・スタイルもハマって、クラスメートの美少女へのプラトニックな愛を貫く彼に母性本能をくすぐられる女子も多いハズ。

 

「不良少年(ヤンキー)の夢」
価格:3,990円(税込み)
販売元:株式会社アネック
(C)アマナスキネマ東京/「不良少年の夢」製作委員会

『青い春』松田龍平 従来の不良像を一新する低温系番長をハマり役で好演

 松本大洋漫画の実写映画企画ということで大いに話題を集めた『青い春』。もともと「クールさ」が持ち味の松田龍平が、松本作品ならではの冷めた不良にふんし、原作ファンからも絶大な支持を集めました。彼が演じる九条は、屋上で柵の外に立ち手をたたく回数を競うゲーム「しあわせなら手をたたこう」の最高記録を持ち、能面のような無表情で歯向う相手をたたきのめす番長と恐れられながらも、校内での勢力争いには一切関心がなく、「なんとなく」不良仲間とつるむ日々。そんな彼が、卒業を目前にしてささいな出来事の積み重ねをきっかけに自らの意志で軌道修正し、その一方で取り返しのつかない悲劇が生じるクライマックスには、誰もが胸を締め付けられたことでしょう。何事にも無関心だった彼が、かけがえのない何かを失い、大人への階段を上って行くさまは、まさに青春そのもの。「松田優作の長男」として注目を集めた彼が、一人の俳優として評価されていくのも、このころからでした。

 

「青い春」
発売元:小学館/Softgarage
販売元:Softgarage
販売代理:JSDSS(ジーダス)
価格:5,040円(税込み)
(C)松本大洋/小学館・「青い春」製作委員会 2001

『クローズZERO』小栗旬 ケンカに明け暮れる不良のカリスマに長身が映える!

 「花より男子(だんご)」「花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス」など、ドラマのイメージが強かった小栗旬の映画スターとしての才能が一気に開花したのが『クローズZERO』。異例の2部構成で話題を集めた「情熱大陸」でも報じられたように、プライベートもままならないほどの超多忙を極めた時期でした。『クローズZERO』で小栗が演じたのは、偏差値最低、品性最悪の問題児が集まる鈴蘭高校の転入生・源治。彼の目的は、校内の覇権争いで頂点に立つことで、劇中で描かれるのはほぼ「ケンカ」のみ。源治の全身から放つ「男ならテッペンを目指せ!」という男気は、男女問わず魅了。降りしきる雨の中、長身の小栗がライバル・多摩雄役の山田孝之と体当たりのガチンコバトルを繰り広げる姿が鮮烈な印象を残し、映画は大ヒットを記録、不良映画のバイブルと絶賛されました。ある意味、BL(ボーイズラブ)を彷彿(ほうふつ)させる「戦う男たちの美しさ」をこれほどまでに魅力的に映し出したのは、バイオレンスを得意とする監督・三池崇史の功績でしょう。

「クローズZERO」※ブルーレイ
価格:4,935円(税込み)
発売元:TBS
販売元:ハピネット
(C)2007 高橋ヒロシ/「クローズZERO」製作委員会

『ハードロマンチッカー』松田翔太 怒れるアウトローの暴走ぶりに父・優作も真っ青?

 『ワルボロ』に続いて、金髪のリーゼントでキメた松田翔太が再び不良を演じる映画『ハードロマンチッカー』。本作で彼が演じるのは、顔なじみのヤクザから物騒なブツを預けられたり、刑事から絡まれたりと暴力にまみれた日々を過ごす、高校中退のフリーター青年、グー。彼は、後輩がはずみで起こした殺人事件を機に、朝鮮高校のOBや友人を敵に回すわ、怪しげな実業家の片棒を担がされそうになるわ、ドミノ倒しのような災難に見舞われる。一見、無軌道で道徳心に欠けているように見えるグーだが、レイプされそうになった女子高生を助けたかと思えば、犯罪に足を踏み入れたガールフレンドには容赦なく制裁を下す。そんな周囲には理解し難い、白黒で分けられないような複雑な内面に引き込まれます。たとえ共感できないにしても、外国人であることへの差別、犯罪がはんらんする弱肉強食の世界で生きることの切実さなど、生まれ持った負の連鎖にあえぐ青年の爆発的な暴走を演じ切った松田翔太のパワーに圧倒されること間違いなし!

映画『ハードロマンチッカー』は、11月26日より全国公開

(C) 2011「ハードロマンチッカー」製作委員会

文・構成:シネマトゥデイ編集部 石井百合子

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