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オダギリジョー&チャン・ドンゴン
『マイウェイ 12,000キロの真実』
映画の難しさを感じた作品だった
映画『マイウェイ 12,000キロの真実』オダギリジョー&チャン・ドンゴン 単独インタビュー

取材・文:シネマトゥデイ編集部 森田真帆、写真:奥山智明

アジアからノルマンディーまで、日本、ソ連、そしてドイツと三つの国の軍服を着て戦うこととなった二人の男の運命を描いた映画『マイウェイ 12,000キロの真実』で、国のために夢と友情を捨てた日本人の長谷川辰雄を演じたオダギリジョーと、時代に惑わされず己の夢を信じたキム・ジュンシクを演じたチャン・ドンゴン。240日にも及ぶアジアからヨーロッパの大陸横断撮影を共にした主演の二人が撮影を振り返った。

■日韓スターの初共演!オダギリジョーの第一印象

Q:本作で初共演のお二人ですが、共演ということを聞いたときはどう感じましたか?

オダギリジョー(以下、オダギリ):僕はあまり韓国の俳優さんに詳しくないんです。そんな僕でもチャン・ドンゴンさんのことは知っていたので、韓国を代表するスターとお仕事ができるというのは光栄に感じましたね。オファーをいただいたときは、正直、僕でいいのかな、という気がしました(笑)。

チャン・ドンゴン:僕は、今回の作品で共演する前から、オダギリさんに俳優としてとても関心を持っていたんです。オダギリさんが出演した作品の中には、素晴らしい作品がいくつもあったので、共演が決まったときは本当にうれしくなりました。

Q:実際に現場を共にして、お互いの印象はいかがでしたか?

オダギリ:毎回褒めすぎていて、嫌だろうなって思うんですけど、また褒めます(笑)。最初はスターという肩書きにあまり良くない先入観を持っていました。空気が読めない自己中心的な人だったら嫌だなと思っていたんです。でも、実際にお会いすると本当にすてきな人で、おごり高ぶるようなところは一切なくて、とても丁寧で、誠実で、謙虚な方でした。スターというのは、こういう人になってもらいたいな、と素直に思える人ですね。本当に完ぺきすぎて、人間として欠落したところがないのかなと、あらを探してみたんですけど(笑)、まったくないんです。

チャン・ドンゴン:撮影現場というのは、何か月も一緒にセットにいなければならないので、共演者との相性や性格というのはとても重要なんです。僕は勝手に、今までオダギリさんが出演してきた作品の役柄から、神経質で内気であまり人と交わりたがらない人なんだろうなと思っていました(笑)。でも撮影前、軍事訓練をしたときに初めてお会いしたんですが、一緒に転げ回りながら、お互いを知り合えたんです。オダギリさんは、本当はすごくソフトで、ユーモアのセンスもあることを知りました。彼には、発する言葉一言で、場の雰囲気を和ませてしまうような能力があるんです。演技もとても正確で、その場の空気に合わせて演技も変えていける人だったので、とても演じやすかったです。

■マイナス17度の寒さに耐えたエキストラの苦労に感謝!

Q:戦争シーンは、これまで観たことがないほどの迫力でした。撮影はかなりハードだったと伺いましたが、いかがでしたか?

オダギリ:日本では絶対に撮ることができない作品ですね。映画を観ていただければ、撮影の大変さは皆さんにもきっと伝わると思います。日本との大きな違いは、戦場シーンのプロフェッショナルのような、エキストラ軍人という人たちがいらっしゃるんです。全部で100人くらい撮影に参加していたんですが、皆さん本当に頑張ってくれました。とても寒くて、大変な状況の中、一番頑張ってくれたのはエキストラの方々だと思いますね。

チャン・ドンゴン:僕は映画『ブラザーフッド』のときにも戦闘シーンを経験したんですが、あのときは、真夏だったんです。今回は、逆に真冬の撮影だったのですが、真冬のほうが、ずっと苦労が絶えないことを知りました。撮影は、時にマイナス17度になったときもあるくらいです。オダギリさんがおっしゃったとおり、エキストラの方々は本当に頑張ってくれました。われわれは主役という立場で、いまこのような場に立たせてもらっていますが、彼らも寒さの中で苦労したという点では、まったく同じなんです。

Q:お二人は、共にマラソン選手としての才能を持ち、ライバル同士という役どころでしたが、マラソンには自信がありましたか?

オダギリ:僕はスポーツをやってきたタイプでもないので、走りに自信があったわけではないんです。ラストシーンで、爆発が至るところで起きている中、チャン・ドンゴンさんと二人で全速力で走るシーンがあったんですが、爆発が本当に大きくて煙や土が舞い上がって、前が見えなくなってしまうんです。目にも全部入ってくるし、足場も悪くて、穴に足をとられたりしてしまうので、ただ普通に走るだけのシーンだったのに、戦闘シーンと同じつらさを感じました。また、何回も同じように走らなければいけないので、それも大変でしたね。

チャン・ドンゴン:もともと走りには自信があったのですが、ひざをけがしていて、手術を先延ばしにしていたんです。この撮影では、走るシーンが多かったので、手術をしてリハビリをしました。でもリハビリの期間が十分ではなかったので、ひざを気にしながら走らなければならなかったんです。オダギリさんと同じなんですが、何度も走らなければいけないのは、とても疲れました。撮影に入る前にトレーニングはしていたんですが、やはり大変で、僕自身は、戦闘シーンよりも、走るシーンのほうがずっと大変でつらかったです。

■戦争という極限状態の中で壊れていく人間の葛藤をきちんと描いた作品

Q:戦争に翻弄(ほんろう)され、冷酷な軍人となってしまった辰雄が、少しずつ人間らしさを取り戻していく心の変化は、胸に迫るものがありましたね。

オダギリ:ジュンシクに寄り添っていくラストがあるからこそ、極限状態で生まれる狂気であったり、非人間的な行為というものは、大きければ大きいほうがいい、と自分の中で思っていたんです。そこは、監督ともかなり話し合いながら、どうすれば戦場における人格の崩壊をうまく表現できるか、いろいろと試しました。でも映画という枠の中では、すべてが表現できるわけではないので、悔しい思いをせざるを得ないことがあったことも確かです。表現次第で、中国での上映ができなくなってしまったり、レーティングの問題もあります。限られた中で表現しなければいけない。映画の難しさを感じた作品でもありましたね。

Q:戦争映画は数多くありますが、ここまで人間の心情に迫った作品はなかったのではないでしょうか?

チャン・ドンゴン:映画を作る上で、なぜその作品を作るのかというのはとても大切なことです。同じ戦争映画でも、その中で何を伝えたいのかということが大事な問題となってくると思います。この作品では、極限状態の中で、そういう判断をせざるを得なかった人間たちの葛藤をきちんと描いている。だからこそ、辰雄とジュンシクの間に生まれた友情に共感し、感動できるのだと思います。

クスクスと笑いながら、「ヤバイね! ヤバイね!」と日本語で話している二人は本当に仲良し! 大変な現場を、共有できたからこそ二人は強いきずなで結ばれたのだろう。それは主役の二人だけではない。彼らと共に過酷な戦闘シーンの撮影にかかわったスタッフやエキストラ、全員がマイナス17度の寒さに耐えながら本作の撮影をやり遂げた、本作に懸けた男たちの「本気」をスクリーンから感じ取ってほしい。

スタイリスト:西村哲也(holy.)
ヘアメイク:砂原由弥(umitos)

(C) 2011 CJ E&M CORPORATION & SK PLANET, ALL RIGHTS RESERVED

映画『マイウェイ 12,000キロの真実』は1月14日より全国公開

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