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秋元才加
『ウルトラマンサーガ』
映画を観た人に元気になってもらうのが使命
映画『ウルトラマンサーガ』秋元才加 単独インタビュー

取材・文:永野寿彦 写真:高野広美

2011年に45周年を迎え、さらなる高みを目指して新しいウルトラマン像に挑んだ映画『ウルトラマンサーガ』がついに完成。謎の侵略者バット星人によって滅亡の危機に見舞われた地球を舞台に、ウルトラマンゼロ、ウルトラマンダイナ、ウルトラマンコスモスが、地球に取り残された人間たちと力を合わせて戦うというこれまでになく人間ドラマ色の濃いシリーズ最新作だ。その魅力を、女性だけの地球防衛軍チームUのリーダーを演じたAKB48秋元才加が熱く語った。

■ウルトラマンという歴史あるシリーズのプレッシャー

Q:誕生してから45年以上も愛され続けている「ウルトラマン」シリーズに出演するにあたり、プレッシャーはありましたか?

正直、大丈夫かなって不安はありました。わたしでさえ、幼稚園のころからデフォルメされているウルトラマンの巾着やコップを使っていたくらいの人気キャラクターですから。それに、V6の長野(博)さんの「ウルトラマンティガ」はリアルタイムで観ていました。最初はV6の人だって知らなくて、ウルトラマンの人だって思っていたくらい印象的だったんです。

Q:今回の作品に出演するにあたって、改めて「ウルトラマン」を見直したりはしましたか?

共演者でもある「ウルトラマンダイナ」と「ウルトラマンコスモス」を観ました。それで、怪獣の魅力に目覚めまして(笑)。それまでは、キャラクターとして触れていただけで、物語にはあまり触れてこなかったんですが、怪獣が怒って暴れる理由などがドラマとしてきちんと描かれているのを知りました。かわいいなって思ったりもして。実際に特撮の現場にもおじゃましたんですよ。そこで働いているスタッフさんたちの話も聞かせてもらいながら、いかに怪獣や特撮に愛情を持って仕事をしているのかということを目の当たりにして、すごく怪獣にも愛着がわきました。

■アクションにも体当たりで挑んだ撮影現場の苦労話

Q:特撮が見せ場となる作品なので、普通のドラマとは違う合成用のグリーンバックでの撮影など、苦労はありましたか?

「ウルトラマン」はこのぐらいの高さですって言われても、目線はこれぐらいの高さで大丈夫なのかなって。細かいところが気になっちゃって。出来上がるまではちょっと心配だったんですよ。現場で一応自分の演技も確認はしていたんですけど、どうつながるのかわからないですから。このシーンはどういう演技になるんだろう、CGはどうなるんだろうって。でも完成した作品を観てびっくりしました。CGのクオリティーが思っていた以上に高くて。特撮映画ってこんなにすごいんだって改めて実感しました。

Q:アクションシーンもすごく良かったですよ。爆発する炎の前を走ったり、戦闘メカに乗ったりして。

チームUの戦闘メカは、「U ローダー」というのですが、パーツごとに実際に動くようになっていたり、すごくリアルに作られているんです。まるで遊園地のアトラクションみたいに前に動いたり、揺れたり、上下移動したりと、戦闘シーンを再現してくれるので、すごく演技しやすかったです。わたしは「U ローダー」に乗っていることが多かったのですが、メンバーたちは怪獣に襲撃されて逃げるシーンで、ワイヤーにつられたりもしたみたいですよ(笑)。ベルトコンベヤーみたいなものに乗せられたとかも言っていましたね。

■アイドル映画になってしまったらウルトラマンに失礼!?

Q:チームUはウルトラマン史上初めての女性だけの地球防衛軍。それぞれのキャラクターも個性的で、実に魅力的な存在でした。

45年以上も愛されてきたシリーズが、わたしたちが出ることで悪い意味で今までと違うものになってしまったら申し訳ないと思っていました。わたしですら、7人は出過ぎでしょって思っていたくらいで。円谷プロさんってチャレンジャーだなって(笑)。でも、だからこそ絶対にアイドル映画にはしたくなかったんですよね。これまでウルトラマンを愛してきたファンの人たちから「なかなかやるじゃん」と思われるぐらいのクオリティーにはしたかったんです。ウルトラマンに失礼にならないようにって。

Q:人類が滅亡の危機にひんしている中で、生き残った子どもたちを必死で守ろうとするチームUのドラマは、今回のウルトラマンたちのドラマ以上に魅力的に映りました。

一本の映画なんですけど、ウルトラマンの立場で戦っている人たちの話と、地球防衛隊と子どもたちが希望を捨てずに生活している話が、同時進行しているんですよね。それがやがて一つのドラマとして昇華される。ただウルトラマンが来て、人間を助けて帰っていくだけじゃないんです。ウルトラマンもいるけれど、わたしたち人間だけで何ができるのか、大切なものを守って、希望を持って前に進んでいけるのか、そういうドラマがちゃんと描かれているんです。だから最初に脚本を読んだときには、自分が言うセリフにちょっと涙してしまったり……(照れ笑い)。

■ドラマチックなアンナの姿に共感

Q:今回、秋元さんが演じたチームUのキャプテン、アンナはずっとシリアスな感じですよね? その上、過去の傷を引きずっていたり、無力さを感じたり、ドラマチックな要素も濃厚です。

アンナの心の傷をすべて理解するのは難しいかとも思ったのですが、現実のことに置き換えてみて、理解できたんですよね。アンナは、あのときあんなことを言わなければ、こんなに傷つくこともなかったとか、そういうことで悩んでいる。それはすごく人間的で、魅力のあるキャラクターだと思いました。それに、わたしと似ているところもあるんです。人から思われている自分のイメージが、キャラクターに反映されているんですよね。見た目があんまり人当たりが良さそうには思われていなかったり、言葉がちょっときつかったりとか(笑)。アンナは一見クールに見えますけど、その内面には実はいろいろなものを抱えている。そんなアンナの心をちょっとでも表現できたらいいなって。ふと見せる笑顔とか、そういうちょっとしたギャップで、アンナの人間味を出したいと心掛けました。

Q:アンナの姿からは、震災後の日本への応援歌としてのメッセージも強く感じられました。

AKB48としての活動もそうなんですが、ウルトラマンという作品も観た人たちに元気を与えることが使命なんだと思います。エンターテインメントとして楽しめるのはもちろん、その後もずっと心の片隅に置いてもらって、観てくださった人たちのエネルギーになれるような作品になったらいいなって。この映画を心から楽しんで、元気になってくれたら本当にうれしいですね。

質問に耳を傾け、真摯(しんし)に言葉を選んで答える秋元。その姿からはエンターテインメントの世界で生きるプロフェッショナルとしての意識の高さがひしひしと感じられた。プロとして楽しませること、伝えることを意識し、その行動に自信と責任を持っている。そのまじめな姿勢は、まさに劇中のアンナそのものだ。そんな秋元の思いがたっぷりと詰まったこの映画で、エンターテインメントが持つ人を元気にする力を、ぜひ感じてほしい。

(C) 2011「ウルトラマンサーガ」製作委員会

映画『ウルトラマンサーガ』は3月24日より全国公開

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