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水谷豊&安田成美
『HOME 愛しの座敷わらし』
何度も観たくなる、会いに行きたくなる映画ができました
映画『HOME 愛しの座敷わらし』水谷豊&安田成美 単独インタビュー

取材・文:轟夕起夫 写真:高野広美

水谷豊が熱望していた企画が実現した! 監督の和泉聖治を筆頭に、人気シリーズ「相棒」のスタッフが結集した映画『HOME 愛しの座敷わらし』は、父・晃一の転勤で、東京から岩手の古民家へと引っ越してきた高橋一家が、ある日起こり始めた不思議な出来事をきっかけに、家族のきずなを深めていく姿を描いている。原作は、「明日の記憶」「四度目の氷河期」など家族小説の名手・荻原浩。この珠玉のホームドラマで夫婦役を務めた水谷豊と安田成美が、映画さながらのハートウオーミングなトークを繰り広げた。

■初共演で夫婦役!二人は俳優として同じタイプ!?

Q:原作、脚本を読まれて、まず、お二人が感じられたことを教えてください。

水谷豊(以下、水谷):どう表現したらいいんでしょうかねえ……そう、普段の生活で見逃していることがね、少しずつ見えてくるお話なんです。何げない日常の中に、「こんな幸せがあるんだ!」ってね。手に届く理想があるんですよ、とてもリアルな。そこに僕は強く心を動かされました。

安田成美(以下、安田):温かいお話ですよね。わたしたちが演じた高橋家の場合は、東京から岩手県の田舎町に移り、環境が大きく変わって、ちょっとずつそういうことが見えてくる。「相棒」シリーズの杉下右京さん……豊さんが、“高橋晃一”というお父さんをいかに演じられるのか、それが楽しみで、あと劇中に出てくる“座敷わらし”がどんな映像で登場するのかという興味もありました(笑)。

水谷:それにしても、撮影は楽しかったですね。

安田:初めてお仕事をご一緒しましたが、とっても楽しかったです! 豊さん、素晴らしいムードメーカーで、それでいて、どんなにお話をされていても、本番になるとすぐに本気モードの芝居に入れちゃう……それで、意表を突くリアクションもされるんです。もう驚きの連続でした。

水谷:いやいや、撮影に入る前も、入った後も、二人で「夫婦役としてこのシーンをどうしようこうしよう」なんて話をしなかったでしょ? 僕は、なるべく芝居の相談はせずに、互いがわかり合えたらいいなあと思っていて、きっと成美さんも同じタイプ。心地のいい空間を共有できました。

■家族のポイントは奥さん

Q:お二人の子どもを演じた橋本愛さん、濱田龍臣くんとの共演についてもお聞かせください。

安田:愛ちゃんと濱田くん、すっごく仲が良かったんですよね。休憩時間に、愛ちゃんのひざの上に弟役の濱田くんが乗って、遊んでいたりして。

水谷:そうそう、二人がね、それでけらけらと笑い合っていて。

安田:わたしと祖母役の草笛(光子)さんが、水谷さんのお話で笑い転げていると、横で戯れていた愛ちゃんと濱田くんが入ってきて……まるで本物の家族みたいでした。

水谷:それで、今回演じながら、改めて思ったんですけどね、やっぱり家族っていうのは、奥さんがポイントですね。何か事を起こすのはお父さんだけど、まとめるのはお母さんですもんね。きっと多くの家庭がそうですよ。

安田:それが女性の役割なんでしょうね。お父さん……家の主がやりたいこと、やっていることをフォローし、まとめていくのが妻の役割だなあとわたしは思います。そうして夫と子どもたち、おばあちゃまとの間をつないでいく。女性だからこそ、俯瞰(ふかん)してできることがあるんです。映画の中の晃一さんのセリフに、「一緒にいられる時間は短い」というのがあって、しみじみしてしまいました。

水谷:ああ、子どもって成長が早くて、どんどん大きくなってしまいますからね。

安田:そうなんですよね。だから、たまたま家族がそろったときは、「もしかしたらそろうのは最後かも」という気持ちで(笑)、積極的に楽しんでいます。

■不思議な存在が見えるかどうかは焦点が合うか合わないか

Q:さて、劇中で描かれる座敷わらしは岩手県に伝わるものですが、水谷さんは北海道、安田さんは東京都のご出身。地元に伝わる座敷わらしのような存在のことを耳にしたり、あるいは実際、不思議な体験をされたことはありますか?

安田:わたし、小学校時代、小人を毎晩見ていましたよ。

水谷:えっ!? それは、童話の「白雪姫」なんかを読んだ後ではなくて?

安田:ではなくて。三角帽、かぶっていなかったですから。かわいくないんです。おじさんぽかったりしたんですよ(笑)。いつも夜中に起きて、トイレに行くために階段を下り始めると出てきたんですね、階段の両サイドに。で、わたしのことを笑わすんです。でもわたしは嫌なんですよね。「なんで出てくるんだ」みたいな気分。ところが、トイレに着くころには笑わされちゃっているんです、まんまと。部屋に戻ってふとんに入って「また笑っちゃったなあ」って。

水谷:面白いなあ。僕も信じていますけどね、そういう不思議な存在を。でも、見たことは一度もないです。

安田:これは単に焦点が「合うか合わないか」だけらしいですよ。

水谷:見えていなくても、そういう存在はいるわけですね。映画の中でも僕だけ、座敷わらしをなかなか見られないんですよね(笑)。でもこの作品がいいのは、タイトルに付いているくらいだから、座敷わらしが当然、大切な役割を担ってはいるんですが、終わってみると、“座敷わらしドラマ”じゃなくて、すてきな人間ドラマになっているところですね。

安田:本当に、気持ちがほっこりする映画に仕上がっています。

水谷:そうなんですよ、出ている僕が言うのも何だけど、何度も観たくなる映画、会いに行きたくなる映画ができました。

■水谷豊は、映画界の座敷わらし!?

Q:岩手県の大自然、風景の魅力も、本作に大きな力を与えていました。

安田:きれいでしたね。それに、豊さんが全部晴れにしてくださるんです。6月の梅雨の時期の撮影だったので、これは雨ばかりで大変なことになるだろうなと思っていたら、台風が来ようと何しようと、「大丈夫。晴れますよ、晴れにしてみせますよ」とおっしゃって。初めは半信半疑だったんですけど、本当に晴れにしてくださるんですよ。

水谷:ここぞというシーンで、岩手山も出したでしょ。

安田:カメラマンの会田正裕さんも、「きれいな夕景を撮りたいときは、現場に水谷さんに来てもらっているんだ」っておっしゃっていました。

水谷:僕、晴れ男なんです。というか、雨も呼べるんですよ。

安田:そう! 小人を見るよりすごいですよ。すべてにおいてムードメーカーの豊さんは“座敷わらし”みたいに、この映画の福の神でした! 本当に。

プライベートでも互いにすてきな家庭をはぐくんでいる水谷豊と安田成美。そんな二人が共演した『HOME 愛しの座敷わらし』は、掛け値なしの良質なファミリームービーに仕上がった。子ども役の橋本愛、濱田龍臣、祖母役の草笛光子らと共に、東北ゆかりの「座敷わらし伝承」を絡めながら、どこにでもあるサラリーマン一家の“危機”と“再生”をユーモラスかつ感動的につづった本作。大自然と異形の存在と、人間ドラマの融合は、「もし『となりのトトロ』を実写化したらこんなふうになるのでは!」と観る者に思わせることだろう。

(C) 2012「HOME 愛しの座敷わらし」製作委員会

映画『HOME 愛しの座敷わらし』は4月28日より全国公開

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