シネマトゥデイ

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LA発!ハリウッドコンフィデンシャル

 映画ファンの皆さん、暑中お見舞い申し上げます! 夏といえば超大作のシーズン。映画『スター・ウォーズ』が日本で公開されたのも1978年夏(米国公開は1977年5月)のことでした。あの『スター・ウォーズ』の夏が、わたしを含むたくさんの人たちの人生を変えたのです! この映画が個人に、そして文化に与えたインパクトは計り知れず、初公開から34年を経過した現在も衰えることなく、世界中で小さい子どもから大人までさまざまな人々を魅了し続けています。

 そこで今月のハリコンでは、自称スター・ウォーズソムリエのわたくしアディーが、このたび行われたスター・ウォーズイベントを直撃、その衰えぬパワーを現場検証してきました!

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スター・ウォーズパワーは交通渋滞にもめげず!

コース・オブ・ザ・フォース入場口です!

 今回わたしが現場を直撃したのは「コース・オブ・ザ・フォース」というイベント。このイベントは、毎年7月にカリフォルニア州サンディエゴで行われているSF映画&コミックファンの祭典コミコン・インターナショナル(以下、コミコン)のオープニングを記念して開催されたもので、参加者がオリンピックの聖火リレーのように、ライトセーバーをかかげて走るというユーモアあふれる大会なのです。サンタモニカからコミコン開催地(オタクの聖地!)のサンディエゴまでの総距離は何と約218km!

 オリンピックの聖火リレーさながらに地元警察の白バイ護衛が付き、全体にオビ=ワン・ケノービやヨーダが描かれた、ド派手大型バス3台と並走車が、南カリフォルニアのハイウエイで列になってランナーをサポートするのですが、実はこの併走車がただものではありません。

 『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』でジャバ・ザ・ハットが砂丘でルークたちを護送するのに使用していたケターナというセール・バージ(浮遊帆船)わかりますか? 何とこの全長約8メートル、高さ4メートルのケターナがイベントのために製造されたのです! そんなSFチックな乗り物がリレー走者と併走しながら、交通渋滞にもめげずカリフォルニアのハイウエイを走る光景は、スター・ウォーズファンでなくても一見の価値があります。

スター・ウォーズパワーは子どもたちも救う!

参加した子どもたちはとても楽しそうでした (C) 2012 Octagon

 そもそもなぜこのようなイベントが生まれたのかをご説明しましょう。このコース・オブ・ザ・フォースの発起人は Nerdist.comというオタクカルチャーを先導するウェブサイトのCEOを務めるピーター・レビン氏。スター・ウォーズの大ファンだった彼はあるとき、このイベントの企画を思いつき、同時に子どもたちのためになるものにしたいと考えました。

 そして、難病と闘う子どもが持つ夢の実現の手伝いをすることを目的としたチャリティー団体メイク・ア・ウィッシュ・ファウンデーションにタイアップを提案、見事に承諾を得たのです。こうしてスター・ウォーズで楽しみつつ、人助けもできる最高のファンイベント、コース・オブ・ザ・フォースが生まれました。

スター・ウォーズパワーはみんなを引き込む!

おじさん12人がかりで頑張りました

 しかし、こんなに壮大なイベントを実現するには周囲からの多大な協力が必要です。第一難関はスター・ウォーズの父ジョージ・ルーカス氏からの許可取り。いつもなら版権にはうるさいルーカス氏ですが、この案に関しては快くキャラの無料使用を許可してくれたとか。これは版権料に換算するとかなりの額になるはずで、ルーカスフィルムの協力なしではイベントも成り立たなかったでしょう。やはりフォースの父ルーカス氏は偉大だった!(笑)

 さて第一難関は突破したものの、イベントではライトセーバーを持った人がただ走るだけではショボいし、こうしたイベントはとにかく人の注目を集めないと話にならない。そこでピーターさんが思いついたのが、リレーの併走車として前述のセール・バージを登場させることでした。でも、そんな大層なものを無償で造ってくれる人はいるの!?

 そんなとき、強い味方として現れたのがフィエスタ・パレード・フロートという企業。この会社は毎年新年にロサンゼルスで行われる祭典ローズパレードで使用される巨大なフロート(山車)を製作しています。実は社長のティム・エステスさんは大のスター・ウォーズファン! ジャバのセール・バージを造るというプロジェクトにチャリティーの一環として快く参加してくれ、12人のスタッフを率いて最初の骨組みから製作してくれたのでした。

 その後、公道を使用する許可もハイウエイを仕切っているカリフォルニア・ハイウエイ・パトロールの全面支援を得ることで無事に取ることができました。ここでもスター・ウォーズパワーがものをいったようです。やはりスター・ウォーズというブランドはすごく強力で、特にアメリカの文化にも深く根差しているからこそ、こうした協力が得られるのだろうと思います。

スター・ウォーズファンであることのパワー

パパと息子のXウイング・ファイター

 こうして、さまざまな人々の協力から始まったこのイベント。ライトセーバーリレーへの参加料は1人500ドル(約40,000円 1ドル80円計算)で、参加者300人からの収益金は全てメイク・ア・ウィッシュ・ファウンデーションに寄付されます。まさにフォースの力ですね!

 『イベント当日は炎天下で、ほとんどのリレー走者がスター・ウォーズのコスプレで参加したため、爆笑場面もしばしば。一番笑ったのは、トーントーン(『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』に登場する氷の惑星で馬代わりのクリーチャー)のかぶり物を着た太めのお兄さんが走っているときのことです。トーントーンが走るにつれて、まずシッポが取れて、次に頭が転げ落ち、続いて手が1本ずつもげ落ち……と次第にボロボロに! その様がまるでマンガのようで周囲は大ウケ。結局、お兄さんはトーントーンの足だけを履いて走っていました(笑)。

 また、沿道から歓声を集めていたのがパパと息子で反乱軍コスチュームを着けてリレーに参加していた親子チーム。2世代にわたるスター・ウォーズファン、グッときますねえ。ほかに、R2-D2の手作りコスチュームを着たお姉さんもなかなかの声援を浴びていました。ちなみに4日間にわたるリレー大会で使用された聖なるライトセーバーの警護役はR2-D2だったのですが、大会の中間ゴールとなったハンティントンビーチにメイク・ア・ウィッシュ・ファウンデーションの病気の子どもたちが来ていて、うれしそうにR2-D2と記念撮影をしているのが印象的でした。

 「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、ピーター・レビンさんもスター・ウォーズ好きが高じてコース・オブ・ザ・フォースというイベントをつくり上げたわけです。多くの人たちにとってスター・ウォーズのファンであることはエネルギーの源になるのですね。

 わたしもあの夏の日にスター・ウォーズとの出合いがなければハリウッドで映画の仕事に携わることも、こうして日本の映画ファンの皆さんとお話しする機会もなかったのではないかと思います。とにかくスター・ウォーズでも何でも、好きだという気持ちは人生の中で素晴らしいことだとわたしは信じています。

(取材・文・撮影 明美・トスト / Addie・Akemi・Tosto)

About Addie

高校留学以来ロサンゼルスに在住し、CMやハリウッド映画の製作助手を経て現在に至る。アカデミー賞のレポートや全米ボックスオフィス考など、Yahoo! Japan、シネマトゥデイなどの媒体で執筆中。全米映画協会(MPAA)公認のフォト・ジャーナリスト。

ツイッターもよろしく!→@akemi_k_tosto

ちなみに、うちのダンナさんがわたしにプロポーズしてくれたのは「スター・ウォーズinコンサート」のロビーにて。そこに飾られているイウォークのディスプレーの前でひざまずいてくれたのでした~♪(←本当の話!)

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