シネマトゥデイ

佐藤健
『るろうに剣心』
正解がないからこそ、自分のやったことが正解になればいい
映画『るろうに剣心』佐藤健 単独インタビュー

取材・文:小島弥央 写真:高野広美

和月伸宏の人気漫画を、連載終了から13年の時を経て実写化した映画『るろうに剣心』。維新直後の明治時代を舞台に、かつて人斬(き)り抜刀斎として恐れられながらも、今は心優しいサムライとして生きる主人公・緋村剣心とその仲間たちの活躍を描いている。主演を務めるのは、若手人気俳優の佐藤健。原作者の和月伸宏をして、「剣心を演じられるのは、後にも先にも佐藤健だけ」と言わしめた佐藤が、実写化への思いや撮影の裏側を明かした。

■幼き日のヒーロー、剣心を演じる!

Q:原作コミックと出会ったのはいつですか?

小学校か幼稚園の頃ですね。当時アニメを観ていました。男の子なので、バトルとか最強とか、そういうのが大好きで、剣心たちが戦っているのをワクワクして観ていた覚えがあります。友達とも技を出し合って遊んだりしていましたね。一番のお気に入りはやっぱり剣心でした。

Q:実写化にあたってはビジュアルも含め、忠実に再現されていますが、演じる上でこだわった点はどこでしょう?

髪型や衣装などのビジュアルにはもちろんこだわりましたが、芝居の面では、剣心の二面性をはっきり見せられたらいいなと思っていました。あとは、最強のヒーローということに説得力を持たせたい、とにかく強く見せたいということですね。僕の中には、「剣心にはこう斬(き)ってほしい、こう避けてほしい、こういう顔をしてほしい」という理想像があって、その理想を大切にしました。

Q:「おろ」や「ござる」といった剣心の口癖もしっかり再現されていましたね。

あれは、本当にどう言ったらいいのかわからなくて(笑)。特に「拙者」と「ござる」は本当に難しくて、いまだにあれが正解なのかわからないんです。でも、迷いながらやりましたけど、正解がないからこそ、自分のやったことが正解になればいいなと思っています。

■殺陣はとにかく大変だった!

Q:殺陣はすごい迫力でしたが、苦労はありましたか?

覚えるのも大変だし、やるのも大変だし……しかも長回しなので、すごく疲れました(笑)。クランクインの2か月くらい前からアクションの練習を始めたんですけど、覚えるのは誰にでもできるとして、そこからかっこよく見せられるようになるまでが難しかったですね。

Q:バトルシーンがいくつも出てきますが、佐藤さんの中で「ここは観てほしい!」というシーンはありますか?

どの戦いも……と言いたいけど、一番は吉川(晃司)さんとやった最後の戦いですね。あのシーンは一番大変だったし、ほかのアクションもそのシーンに向けてのものだったので、あのシーンで全部出し切れるようにと思ってやりました。ただ、今作では何度かアクションシーンが出てくるんですけど、同じことを何回もやってもお客さんは飽きちゃうので、全てのパートに差が出るようにすごく注意してやったんですよ。だから、その違いを楽しんでほしいなと思います。

■「龍馬伝」から『るろうに剣心』へ

Q:大友啓史監督とは「龍馬伝」でもご一緒されていますね。時代設定や人斬(き)りというキャラクターも共通しますが、「龍馬伝」の経験は役立ちましたか?

やっぱり大友さんと「龍馬伝」をやっていたことで、安心して作品に挑めたというのはすごく大きいんです。大友さんを知っているからこそ信頼できたし、信頼できたからこそ本当に役に集中できたと思います。あと、僕は「龍馬伝」が初めての時代劇だったんですけど、着物や刀の基本的な所作を習っていたので、それは少しは生かせたのかなと思いますね。

Q:撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

香川(照之)さん、蒼井優さん、青木(崇高)さんは「龍馬伝」チームなので、「龍馬伝」の懐かしい話とか、今回の映画についての話、まったく関係ないプライベートな話をよくしていました。「龍馬伝」でも共演させていただいていたので、実はすでに仲良しで(笑)。そこに他のメンバーも巻き込んでよくご飯を食べに行きました。割と最初からみんな仲良くて、すごく和気あいあいとした、いい現場でしたよ。

Q:京都で撮影されていたんですよね。特に印象に残っていることはありますか?

みんなで映画を観て、銀閣寺に行って、ランチして(笑)。屋台でたこ焼きを食べて、大文字の送り火を見たことですね。

Q:それはどなたの提案ですか?

香川さんです(笑)。映画も『大鹿村騒動記』という渋いチョイスで。

■最強のヒーロー、緋村剣心として世界へ!

Q:海外を意識した作品のように感じましたが、佐藤さんの中でその意識はありましたか?

演じる上で海外を意識したりはしていないんですけど、作る前から大友さんと「海外、やりたいねえ」という話をしていたし、最初からそういう意識はありました。

Q:原作は海外でも大人気ですよね。

海外のファンが観てくれることが楽しみですね。エンターテインメントなので、世界共通でかっこいいと思ってくれる自信はありますけど、まだ反応はわからない……とにかく、海外の人にも観てほしいです。

Q:映画化されたのは原作の一部のエピソードのみ。となると、続編も気になりますが?

自分が演じたキャラクターを観た人が好きになって、もっと観たいと言ってくれるのはすごく幸せなことですよね。その期待に応えたいと思うし、僕自身、この現場がすごく楽しかったので、もう一回できたらいいなという気持ちは正直あります。だけど、続編をやるならそれなりの覚悟がなくてはダメですね。

誰もが一度は聞いたことのある人気漫画の実写映画化という高いハードルを課せられながらも、それを悠々と越えてしまった佐藤。それを実現できたのは、淡々としたたたずまいからは想像もできないようなプロ意識の高さと、剣心への並々ならぬ思い入れのなせる業だったのだと改めて感じた。原作が好きだからこそ、ファンを裏切りたくないからこそ、納得がいくまでとことんこだわる。佐藤本人はあまり「頑張った」と言いたくないだろうが、その姿勢はきっと、スクリーンを通して世界中の観客に届くことだろう。

(C) 和月伸宏 / 集英社 (C) 2012「るろうに剣心」製作委員会

映画『るろうに剣心』は8月25日より全国公開 22日~24日に先行上映

[PR]

この記事を共有する

映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
スポンサード リンク
スポンサード リンク