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石塚英彦&田中裕二
『モンスターズ・ユニバーシティ』
マイクとサリーに出会えて、僕らは運が良かった
『モンスターズ・ユニバーシティ』石塚英彦&田中裕二 単独インタビュー

取材・文:よしひろまさみち 写真:奥山智明

『モンスターズ・インク』から12年。マイクとサリーの出会いと、彼らがなぜ切っても切れない絆を結んだかを描く前日譚(たん)『モンスターズ・ユニバーシティ』が公開となる。英語版ではオリジナルキャストのジョン・グッドマンとビリー・クリスタルが配役されたが、日本語吹き替え版でも前作に続き、ホンジャマカ・石塚英彦と爆笑問題・田中裕二が共演を果たした。その彼らが12年ぶりの再共演、ディズニー / ピクサー作品の魅力について語った。

■ピクサーの秘密がわかった!

Q:石塚さんは先日、ピクサー・アニメーション・スタジオにいらっしゃいましたね。いかがでした?

石塚英彦(以下、石塚):初めて伺ったんですが、すごくいい会社ですよね。むちゃくちゃ自由な社風で、遊び心もたっぷりあって。

田中裕二(以下、田中):へ~! そうなんだ。僕はスケジュールの関係で行けなかったけど、うちの社長(太田光代)が行っていました(笑)。

石塚:そうそう。ああいう会社だから、こういうすてきな作品を生み出せるのだなと感じましたよ。本当のクリエイターしかいない、っていう会社です。

■若づくりはしなかった!

Q:『モンスターズ・インク』から12年もたってからの続編。その上、時代はさかのぼって、マイクもサリーも若くなりましたが、声の出演での工夫はされたんですか? 例えば、声を若干若いイメージにするとか。

田中:それは全くなかったですね。僕らは声優さんのように声の出演が本職ではないから、心配はたくさんあったんだけど、「若い声を」とか「若い演技」をって言われてもやりようがないから、監督の指示に従うことにしたんですよ。収録の現場も「取りあえずやってみましょう」という雰囲気だったので、僕らも深く考えずにやっていきました。作品を観て、違和感はなかったので、その方法で正解だったと思っています。

石塚:僕が演じたサリーは、『インク』のときより見た感じちょっと細いんですよね。『インク』のときは、実は声を低めにすることを意識しながら演技をしたんです。僕の地声って前作のサリーよりも高いんで、今回のサリーはより素の自分の声に近いところで演技できたと思います。ただ、大柄な人って声が太くて低いイメージがあるじゃないですか。だから、サリーに関しても、声のトーンが高くなりすぎないように注意しました。

田中:僕はマイク用にこの声で、っていう演技は、『インク』のときから一切していなかったな。だから、オリジナルのビリー・クリスタルの演技も参考程度でしたよ。

石塚:ジョン・グッドマンの声は半端なく低いから、あれは僕にはできないって思いましたね(笑)。ただ、『インク』からマイクは高め、サリーは低めっていう声のトーンのバランスだけを考えていたかな。

■大学時代を振り返ると……?

Q:今作はマイクとサリーの大学時代のお話ですが、お二人とも大学生の頃はどういう感じだったんですか?

田中:そのときはお笑いの道に進もうとは考えていなかったなー。ただ、日大藝術学部だったから、近い方向は向いていましたね。役者なりタレントなり、っていう道に進もうという気持ちは漠然とありました。だから、今作のマイクには共感しますね。「モンスターズ・インク」の怖がらせ屋になろうと思って、その専門学部に入るわけですから。

石塚:僕は高校2年の頃から「俳優になりたい」って思い続けていたんですよ。ただ、僕は臆病なので、俳優になれなかったときのことを考えて、大学は経済学部に進んだんです。それなら普通の就職もできるだろうと思って。でも、大学に進学しても俳優になりたい気持ちはなくならなかったから、2年生のときに休学して劇団ひまわりに入っちゃったんです。それでもやっぱり就職が不安で、2年後に復学したんですよね(笑)。でも結局、在学中からお笑いを始めて、今の事務所に入ったんです。だから、大学ではしょっちゅう図書館にこもっては、だじゃれを書きためていました。それがいつか使えるだろうと思って。

田中:へー! それ、初めて聞いた! そんなことしていたんだ。

石塚:そうかな(笑)? いきなりだじゃれって出てくるもんじゃないから、本をたくさん読んで、そこからだじゃれを考えていたんだよ。先生たちからしたら、すごくマジメに勉強している生徒に見えたと思うよ(笑)。でも、書いていたのは全部だじゃれ。その書きためたものを、『東京フレンドパーク』で使っていたりしたんで、やっぱりムダじゃなかったんですよね。

田中:何でも縁と経験からなる仕事だからね。やっぱり積み重ねたことは役に立つ。

■マイクとサリーになって、人生が変わった

Q:マイクとサリーを演じたことを振り返ってみて、変化はありましたか?

田中:なにせ『インク』が素晴らしい作品だったので、観てくださった方が多く、反響をいただくことが多かったことが一番大きいかな。でもね、前作って最初はイヤイヤやったんですよ。

石塚:(笑)。

田中:本当に憂鬱(ゆううつ)でね。苦手意識の方が先に立ってしまったんですよね。声の出演は実写映画の吹き替えや、ゲームの声などでやったことはあったんだけど……あ、そうだ。ゲーム(「TIZ -Tokyo Insect Zoo-」)のときに共演しているよね。そうか、このシリーズが初共演じゃなかったんだ(笑)。

石塚:そうだよね。昆虫の役で、僕がカブトムシだった。

田中:僕はカミキリムシ(笑)。でも、そのときから声の演技って難しいことを実感していたんですよ。台本と時間を見ながら、覚えてもいないセリフを、口の動きに合わせて……って、本当に人間業じゃない! って思っていたんです。しかも、このシリーズはディズニー / ピクサー作品でしょ? プレッシャーですよ!

石塚:ディズニー / ピクサーの作品って長い間愛される作品になるものだからね。

田中:その上、(相方の)太田(光)がピクサー大好きなんですよ。だから「俺がやる仕事だ!」って嫉妬していたから、余計にプレッシャー。出来上がったのを観ても「こんな下手くそな吹き替えはない!」って言われちゃうし。

石塚:そんなこと言われたんだ。でも、太田さんが吹き替えをやりたかっただけだよ。嫉妬、嫉妬(笑)。

田中:でも、幸い評判が良く、みんなに愛される作品になったおかげで、出演させてもらえてよかったと後から思えるようになりました。

石塚:僕はサリーをやらせてもらえて、子どもたちやその親御さんから声を掛けられることが増えましたね。子どもたちに「さてはランドールの仕業だな」とかサリーのセリフを言うと、顔がパァ~ッと明るくなるんですよ。お笑いでもなく、食レポートでもなく、全然違ったところで好きになってくれる人が増えたことはありがたいなと思っています。

田中:支持層が広がったよね。石塚さんはこのキャラだから、サリーをやる前から子どもに好かれていただろうけど、僕なんかはそれまで子どもたちとは無縁だったから、その変化はすごく感じる。

石塚:でも、それまで僕のことを知っている子どもって、小学校でも高学年以上だったから、このシリーズを機に幼稚園くらいの子どもから声が掛かるようになったんで、やっぱり変わりましたよ。でもね、そういう子を持つお母さんが「子どもが大好きなんです。DVDにサインしてください」っていらっしゃったときって「サリーのサインがいいのか、僕のサインがいいのか」って悩みますね(笑)。確実に子どもたちはサリーのサインが欲しいんだろうから。

田中:作品とキャラクターがこれだけ愛されていると、僕らまで尊敬されているような扱いをされるのは不思議だよね。僕らは演じただけなのに(笑)。

石塚:マイクとサリーに出会えて、僕らは運が良かったんですよ。今ではサリーを見ると、自分の分身みたいに感じるもの。

二人ともお笑いの世界では別々の仕事をしているのに、この作品のこととなるとまるでマイクとサリーのようなコンビネーションに。そして、このシリーズに出演したことで、ディズニー / ピクサー作品に関わったことによる影響の大きさや、子どもたちに夢を与えることの素晴らしさを実感していることがひしひし伝わってきた。実際、数あるアニメの吹き替えキャストの中でも、マイク&サリーはハマリ役と評判。しかも、完璧すぎるエンディングだった前作だけに、続編企画が難しかった今作で、名コンビの再タッグが観られたのはまさにラッキー&良縁。ぜひとも彼らの大学時代の話も思い出しつつ、劇場で楽しんでもらいたい。

(C) 2013 Disney / Pixar. All Rights Reserved.

映画『モンスターズ・ユニバーシティ』は7月6日より2D・3D同時公開

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