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水嶋ヒロ&剛力彩芽
『黒執事』
腹が立つぐらい完璧です
『黒執事』水嶋ヒロ&剛力彩芽 単独インタビュー

取材・文:大小田真 撮影:吉岡希鼓斗

全世界累計発行部数1,700万部を誇る人気コミック「黒執事」が実写映画化。女性であることを隠し、両親を殺害した犯人を探す幻蜂伯爵家4代目当主・清玄と、彼女の魂を食らうことを条件に絶対的な主従関係を結んだ悪魔の執事・セバスチャンが謎の怪死事件を追うミステリーだ。知性&運動能力共に完璧すぎる執事像を作り上げた水嶋ヒロと、男装の令嬢(清玄=汐璃)という難役に挑んだ剛力彩芽が、共演時のエピソードを語った。

■キャラクターの魅力が作品の大きな柱

Q:それぞれの役について、どのような部分に惹(ひ)かれましたか?

剛力彩芽(以下、剛力):わたしが演じた清玄は、とても人間らしい人間だと思っています。普通なら、心に傷を負っていることを隠して立ち止まってしまうかもしれません。でも、彼女はたくさんの傷を抱えながらも、それを強さに変えられるところがかっこいいんですよ。

水嶋ヒロ(以下、水嶋):僕はセバスチャンのひねくれているところが好きですね。悪魔の価値観からすると普通なのかもしれないけれど、人間から見るとひねくれすぎているんです。そのギャップは面白いと思います。

剛力:セバスチャンは、腹が立つぐらい完璧ですよ。でも、主人に対して少し毒づいてみたりするひねくれっぷりがいいですね~(笑)。ちょっとかわいいですもん。リハーサルで水嶋さんの演技を見たときに思わず笑ってしまったこともありました。「あっ、本物のセバスチャンだ!」って(笑)。

水嶋:剛力さんが演じた清玄は、本当に難しい役だったと思います。それを見事に演じ切っていたからすごい。セリフの端々から、ちゃんと彼女が抱える痛みが感じられました。名前などは原作と違う設定になっていますが、作品で描かれている心の軸はぶれていませんでしたよ。

■遅すぎた楽屋訪問

Q:水嶋さんは共同プロデューサーとしても作品に関わっていますが、製作スタッフの立場から剛力さんと打ち合わせをしたことはありましたか?

水嶋:全くなかったですね。頼もしいと思っていましたから。むしろ、僕自身の役への入り方が剛力さんにとってやりにくいんじゃないかと心配したことはあります。それで一度、彼女の楽屋に「やりにくくない?」って聞きに行ったんです。

剛力:あっ! そんなことがありました! 確か結構、終盤だった気が……。

水嶋:そう(笑)。ある程度の撮影が終わっちゃったタイミングで、「今さら聞くのもなんだけど……」って切り出した覚えがあるよ。芝居を一緒に作って行く中で、ずっと気に掛かってはいたんですよ。それで、やっぱりちゃんと確認しようと思って楽屋に伺ったんです。

剛力:お芝居についてはほとんど打ち合わせをしていなかったから、急に聞かれてビックリしました。わたしとしては、ものすごく自然に主人と執事の関係を作れていると思っていたので、「全然問題ないですよ」って。よく考えると、二人の関係はかなり複雑なものなんですけど、水嶋さんが演じるセバスチャンに対しては全く違和感なく演じられました。もし、わたしがあのときに「もう少しお芝居を変えてください!」ってお願いしていたらどうされました?

水嶋:もちろん、きちんと受け入れようとは考えました。ただ、撮影がだいぶ進んでいたから……正直、笑顔でお返事いただけたのでほっとしました(笑)。

■瞳とアクションで“魅せる”二人の力

Q:清玄の眼帯&青い目、セバスチャンの赤い目はとても印象的に映し出されていますが、目がクローズアップされる上で何か工夫したことはありますか?

剛力:左目だけで演技しなきゃいけなかったので、ちょっと難しい部分はありました。自分の気持ちを表情に出さない役なので、目だけでいろんな感情を表す必要がありましたから。とにかく強い気持ちで訴え掛けるということは心掛けました。セバスチャンとしてはどんなことを意識しながら演じたんですか?

水嶋:彼はベラベラしゃべるタイプではなく、目で語るタイプということかな。大きなスクリーンに映し出される映画だからこそ、微妙な目の動きでもお客さんに伝わる。そのちょっとした動きの中に意味を持たせることができればいいなと考えたんです。一番気を使ったのはまばたき。劇中では、ほとんどまばたきをしなかったつもりです。

剛力:ものすごくこだわられていたんですね。水嶋さんは、アクションも本当に素晴らしかったです。現場で思わず「すごい!」って声が出ちゃったぐらい。段取りを確認するだけのときでも、完璧に動いていらっしゃいましたよね。わたしも『ガッチャマン』でアクションシーンを経験したので、少しは難しさをわかっているつもりでした。でも、そんな自分の感覚とは全く違うレベルのアクションを見させていただきました。

水嶋:アクションだけで4か月も特訓したからね。

剛力:その成果が十分すぎるぐらい発揮されていましたよ。セバスチャンだからこそできる、悪魔的なレベルの動き(笑)。

水嶋:でも、剛力さんも敵に追い詰められて殴られたりする場面があったでしょ。アクションって、受けの方が難しかったりするんです。一連の流れで長いアクションをやる大変さもあるけど、剛力さんが演じたのは各場面で瞬間的に入ってくる点のような動き。あれって、針の穴に糸を通すような作業だったはずだけど、本当にお見事でした。

■今作での経験を生かした続編は?

Q:この作品で学んだこと、今後の活動に生かせそうなことはありましたか?

剛力:感情を表に出さずに自分の内面を表現するお芝居に挑戦できたのは大きな経験です。もちろん、今後はもっとアクションもやりたいですし、まだまだ男装の役もありですよ(笑)。水嶋さんからは、細部にまでこだわることの大切さを教えていただきました。ご覧になる方はひょっとしたら気付かないかもしれない……というぐらい小さなことまでしっかりと作り上げ、その積み重ねの結果、役が単なる役ではなくて存在として成立するんだなぁって。

水嶋:製作スタッフとしてもこの作品に深く関わらせていただきましたから、本当に細かい部分まで意見を言わせてもらったんです。その中で改めて感じたのは、自分が前に出てスポットライトを浴びるよりも、土台を作り上げて、その上で輝いている人を見ることの方がずっと好きなんだということ。今後もそういう仕事をやっていけたらという思いはあります。

剛力:それもステキですね。

水嶋:僕は清玄のアクションシーンが見たいな。メイドのリン(山本美月)と老執事の田中さん(志垣太郎)も含め、幻蜂家が総出で戦う場面なんて面白いと思う。

剛力:田中さんのアクション、見たいですね~。原作だとすごく強いですもんね。背負い投げしたり(笑)。

水嶋:構図としても、全員が一丸となって戦うシーンはワクワクするでしょ? 清玄はきっと今回の作品で自分の弱さを知ったから、武術とかを身に付けると思う。2作目のオープニングはその訓練シーンから始まる……っていうのもいいかもしれないね。

剛力:すごい! もうイメージが出来上がっている(笑)。

水嶋:どんなアクションをしたいか一応聞いておこうかな。

剛力:……拳銃がいいなぁ。

水嶋:じゃあ、続編は射撃の訓練シーンからスタートしましょうか(笑)。

対談中にせき込んだ剛力に「大丈夫? 少し待つから落ち着いて」と優しく声を掛ける水嶋の姿は、まさに主人を思う執事のようだった。交わす言葉の端々にお互いに対するリスペクトとプロフェッショナルとしての誇りが垣間見られ、作品の完成度の高さを裏打ちする対談となった。こだわり抜いて作り上げられた世界の中で、華麗かつ力強く生きるセバスチャン&清玄の姿に注目だ。

ヘアメイク:亀田雅(aiutare)
スタイリスト:徳永貴士

(C) 2014 枢やな / スクウェアエニックス (C) 2014 映画「黒執事」製作委員会

映画『黒執事』は2014年1月18日より全国公開

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