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山田孝之&綾野剛
『闇金ウシジマくん Part2』
同じ景色を見てしゃべることで、微妙な距離感が生まれる
『闇金ウシジマくん Part2』山田孝之&綾野剛 単独インタビュー

取材・文:斉藤由紀子 写真:奥山智明

真鍋昌平の人気漫画を映像化した「闇金ウシジマくん」シリーズの映画化第2弾が完成。カウカウファイナンス社長の丑嶋馨(山田孝之)、ナンバー2の柄崎(やべきょうすけ)、丑嶋の幼なじみで情報屋の戌亥(綾野剛)らドラマSeason2でおなじみのメンバーに加え、菅田将暉、窪田正孝、中尾明慶、柳楽優弥ほか、いま旬の若手俳優たちが参加し、闇金VS債務者の壮絶なドラマを繰り広げる今作。プライベートでも親しいという山田と綾野が撮影時のエピソードを明かした。

■綾野にコスプレを見られている気分!?

Q:ドラマSeason2に引き続き、情報屋・戌亥が登場する本作。山田さんにとって、綾野さんの参加は心強いものだったのでしょうか?

山田孝之(以下、山田):以前から何度も仕事を一緒にやっていてよく知っているので、そういう面ではやりやすかったです。ウシジマと戌亥の関係は特殊で、元同級生だからお互いの親も知っているんだけど、(戌亥は)カウカウファイナンスの人間ではないし、情報屋なので情報をもらうときはお金が発生する。微妙な距離感があるんだけど、他の人間よりは絶対に近い。そんな関係は築きやすかったですね。

Q:その反面、気恥ずかしい部分もあったそうですが……?

山田:ウシジマという役はコスプレっぽいというか、人間として演じているよりもキャラクターを作っている感じなので、そのキャラで彼と芝居をするのは気恥ずかしい部分がありました(苦笑)。

綾野剛(以下、綾野):孝之が気恥ずかしく思っていたのは知っていました。

山田:撮影が始まる前に何回か言ったんだよね。「何か嫌だな、ウシジマでおまえと一緒になるの」って。

綾野:それは、コスプレしているところを見られる感覚だったんじゃないですかね。でも、本当の孝之はウシジマよりも人間っぽい人だし、自分的には気恥ずかしさは全然なかったです。

Q:綾野さんは、ダークな「ウシジマくん」ワールドにすんなり入っていけましたか?

綾野:すでに世界観が出来上がっている作品なので、その世界に素直に入っていくことが重要だと思っていましたし、自分としてはスムーズに入っていけた気がしています。それに孝之がウシジマをさらに洗練させて作ってくることがわかっていたから、やりにくいはずがない。そんな感じでした。

■幼なじみだけど利害関係のある微妙な関係

Q:ウシジマと戌亥の2ショットシーンは、駄菓子屋前の横並びの会話など、ほとんど目を合わせないで進行していく独特の空気感が印象に残ります。

山田:監督の山口(雅俊)さんからは目を合わさないでくださいとは言われていないんですけど、座り位置は決まっていたので、向き合うのではなく同じ景色を見てしゃべるという意図があったみたいです。ドラマのSeason2でも、ウシジマが柄崎に何か言うところって並んでいるんですよ。柄崎もウシジマの同級生なので、部下なんだけど昔から知っている仲という微妙な距離感がある。それは、並んでいる方が出しやすいのかもしれません。

綾野:孝之とはほとんどノールックでもどんな表情で芝居しているのか容易に想像がつくんです。僕も戌亥とウシジマの関係は作りやすかったです。ただ、ウシジマはウシジマとして独立している存在だから、ウシジマがどう動いていても戌亥は戌亥としての対応をしているというか、どっちが受け身とか、どっちが放つ側とかはなかったような気がします。

Q:戌亥はウシジマをどう見ていたのでしょう?

綾野:お互い会社を持っていて利害関係がある。ここぞってときは助けるけど、助けることにも利害関係があるわけです。昔から知っているからこそ裏切れる相手。友人だから裏切れない、という関係ではないと思います。

Q:そんな特殊な関係を出すに当たって、お二人が個人的に打ち合わせをしたこともあったんですか?

山田:打ち合わせは特にしていないです。昔からのなじみだからこその空気感って、出すぎると良くないと思うので、僕は監督すら気が付かないくらいのことしかやっていないんです。よく「ウシジマと戌亥のシーンは和む」とか、「二人の距離の近さが見えた」って言われるんですけど、駄菓子屋の前で水鉄砲を飛ばしていたりするので、状況だけでそう感じるんじゃないですかね。

■おしぼりの位置にもこだわる山口監督の演出方法とは?

Q:山口監督は演出が細やかな方だと評判ですが、綾野さんはどう感じましたか?

綾野:確かに演出も指示も多かったような気がします。それをクリアしていくのが面白かったのですが、「あ、ここなんだ」という独特の感じもあって。人間としての感情は役者がつくってくるものなので、全然違うところで「あ、ここか」みたいなところがありました。

山田:焼鳥屋で二人が会話するシーンのお客さん全員のおしぼりの位置とか。

綾野:そうそう。

山田:その演出意図は、山口さんじゃないとわからない(笑)。

綾野:わからないよね。

Q:視覚的なこだわりが強い監督なのでしょうか?

山田:いや、感情表現の演出も多いですよ。ウシジマはもうキャラが出来上がっていただけで、今回の映画で参加した門脇麦ちゃん(ホストにハマる藤枝彩香役)や高橋メアリージュン(ウシジマのライバルである女闇金・犀原茜役)などは、「過去の生い立ちがこうだから、こんなふうな食べ方をしてください」とか、相当話し合っていたみたいです。キャラクターをつくる段階もそうだし、細かい動きなどの演出もかなりされていました。

■お金は人を生かすことも壊すこともできる

Q:本作の重要な要素であるお金について、お二人はどう捉えていますか?

山田:「お金との距離感を誤ると破滅する、それだけの威力がお金にはある」という考え方はこの作品に関わってからずっと変わらないですね。

綾野:お金は人を生かすことも壊すこともできるもの。血が通っているものではないので、持つ人によってお金の威力って変わると思うんです。それだけ侵食性があって、人によっては牙をむくし、逆の場合もある。どちらにも転がるものだから、持つ人の意思が重要になってくるんだと思います。

Q:プライベートでご一緒していて、お互いの金銭感覚は近いと思いますか?

綾野:金銭感覚は似ている方じゃない?

山田:まあ、そうかもね。ただ、使うところって限られるからなあ。食事とか?

綾野:孝之は大勢でいるときは自分で出しちゃう方かもね。

山田:時と場合によるけどね。先輩たちが大勢いたら、逆に出すことが失礼になっちゃうこともあるし。「この間は出してくれたから、今日は俺が出すよ」「そうだね」っていう感じですかね。

綾野:使うときは使うし、使わないときは使わない。まあ、言ってしまえば普通です。

山田:外食がちょっと続いたなと思ったら、家で済まそうとも思うし(笑)。

Q:そんな普通の金銭感覚を持てない債務者たちの複雑な群像劇が見事に終結していくのも本作の見どころですよね。

山田:全体で言うと、個性的なキャラクターがいっぱい出てきて、みんなが面白い動きをするので、見ていて飽きないんですよね。そこが今回の映画ならではの見どころなんじゃないかと思います。

綾野:ぜひ、ラストに待ち受ける独特の爽快感を味わってほしいです。

債務者を暗い空洞のような目で追い詰め、非情に取り立てる闇金ウシジマ役の精度を、回を追うごとに上げていく山田。そして、ウシジマに債務者の情報を提供する戌亥をクールに演じる綾野。裏社会で生きる盟友同士の微妙な関係を“あうんの呼吸”で表現してみせた二人は、なれ合いとは明らかに異なる信頼関係をのぞかせながら作品への熱意を語っていた。本作には他にもダーティーな役柄で新たな魅力を開花させた若手俳優が多数登場しており、その変貌ぶりにも注目だ。

(C) 2014真鍋昌平・小学館 / 映画「闇金ウシジマくん2」製作委員会

映画『闇金ウシジマくん Part2』は5月16日より全国公開

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