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アンジェリーナ・ジョリー
『マレフィセント』
子供たちがわたしに幸せをもたらしてくれる
『マレフィセント』アンジェリーナ・ジョリー 単独インタビュー

取材・文:南樹里 写真:高野広美

ディズニーの名作アニメ『眠れる森の美女』の二面性をはらむ物語に着眼し、自然を愛する妖精を主演に据えたファンタジー映画『マレフィセント』。彼女はなぜ幼いオーロラ姫に呪いをかけたのか? マレフィセントの視点から真実を探求した本作では、オスカー女優アンジェリーナ・ジョリー自身の信条を反映したキャラクターが誕生した。アンジェリーナが、そんな本作での役づくり、そして家族について語った。

■真実の愛を知ってほしい

Q:真実の愛が本作のテーマの一つになっていますね。

マレフィセントは、強い正義感を持っているの。強いハートがあり、自分の考えの善悪をしっかり見極めていたけれど、その後で迷ってしまうのよ。マレフィセントという役を演じたことを誇りに思っているし、彼女は力で屈服させる男性的な方法ではなく、母性に基づく愛の力を選んだことが素晴らしいと思う。多くの人に真実の愛を知ってほしいと思っているわ。真実の愛を知れば、人間は愛でつながり、理解し合えるはずだと信じたいから。

Q:人道活動をなさるあなたの信条が反映されていますか?

女性は生まれながらにいろいろな可能性を持っているもの。けれども環境や成長の過程ではばまれてしまうと、自分がなるべきものになることをやめてしまいがち。女性が団結してサポートし合うのは大切なことだと思うわ。それと同時に励ましてくれる男性がいることも。そういう方々への感謝を忘れないことが大事ね。優しさや女の子らしさ、深い思いやりといった女性ならではの複雑な特質を持ちながらでも戦士になれるということを知ってほしいわね。

Q:そういえば、マレフィセントのそばにはカラスのディアヴァルがいましたね。

二人はまるで成長するオーロラを見守る奇妙な夫婦みたいね。マレフィセントはオーロラや彼女にまつわるあらゆることを高慢に扱うけれど、ディアヴァルはもっと温かく見守っているのよ。

■悪役マレフィセント誕生秘話

Q:マレフィセントのビジュアルはアニメを意識されたのですか?

わたしは、子供のころからマレフィセントが大好きだったわ。ディズニーのキャラクターの中で一番のお気に入りだったのよ。本作の場合は、オリジナルの『眠れる森の美女』に敬意を払うことがとても大事だったから、特殊メイクアーティストの第一人者であるリック・ベイカーがメイクを担当してくれて本当に良かったわ。顔にシリコンを付けて頬骨をかなり強調したけど、美しいラインになったしエレガントでしょ。顔のアップになればわかるけど、彼女の奥歯がとがっていたり、ヤギの目をベースにしたコンタクトレンズを着けたりして細部にまでこだわっているのよ。

Q:声色はどのようにして決めたのですか?

どうしようか迷ったわ。それで子供たちに物語を聞かせる時、いろいろな声を試したところ、笑ったりはしゃいだりして最もリアクションが得られた声に決めたのよ。とても美しいストーリーなだけに、邪悪なことを楽しむ彼女の感覚を失わないようにしたかったの。

Q:威厳ある声ですし、時折怖かったです。

まさにそれを狙ったの! 実は発声方法が違うのよ。通常の映画では普段と同じぐらいの声量だけど、今回は演劇スタイルの腹式呼吸でせりふを言っているのよ(と、実演)。基礎をしっかりさせるために、コーチのレッスンを受けたわ。発声練習ははだしになってね。そういうことをしたのはわたしがまだ10代のころ、演劇学校に通っていた時以来のことよ。

■ブラピも一緒に撮影へ

Q:本作では末娘のヴィヴィアン・ジョリー=ピット(以下、ヴィヴ)ちゃんと母娘共演をされましたね。

ええ。他の小さな子はわたしの見た目を怖がって、誰一人わたしに抱き上げさせてくれなかったから、結果的にそうなったの。でも、本作に出演しているのはヴィヴだけではなくて、オーロラ姫の洗礼式のシーンに(次男の)パックスと(長女の)ザハラも出ているわ。ただ、親として子どもたちを俳優業に進ませることには積極的ではないの。演技って、そうそう簡単にできるものではないでしょ。だから正直に言って複雑な気持ち。うちの子はあの年齢で働いたんだわ、って。

Q:撮影時のことをお聞かせください。

ヴィヴの撮影は一家総出だった。スタジオには父親はもちろん、兄と姉が見守る中で、遊ぶようにして撮ったの。チョウチョと戯れるシーンでは実際にチョウチョはいなくて、先端にボールが付いた棒を追い掛けるのね。演技をするなんて無理だから、ヴィヴの遊び心をくすぐったわ。それに崖から落ちるところではヴィヴは父親(=俳優ブラッド・ピット)の胸に向かってジャンプしているのよ(笑)。だから子供たちにとっては、すごくいい思い出になったみたいよ。

■女優として、母として

Q:アンジェリーナさんにとって、やはりお子さんの影響は大きいのですね。

わたし自身、子供ができてすごく変わった。彼らがわたしに幸せをもたらしてくれるから、自分が傷つけられることがあったとしても、耐えて乗り越えて前に進めるけれど、もしも子供たちが傷つけられたりしたら、それは母親として耐え難いことだわ。

Q:監督経験を生かして、6人のお子さんが総出演する映画を撮ることに興味はありませんか?

彼らの今を映像として残しておくのはいいアイデアだと思うわ。機会があればぜひ撮ってみたいわね。ただ、冷静に考えてみると、お仕事としてはどうかしら? 子供たちには世の中のいろいろなことを見て、学んで、地に足の着いた生活を送ってほしいと考えているの。そういう中で本人が強く望んだとしたら、そのときに考えるのが今はベストだと思うわ。

Q:ところで、女優引退という発言の真意を教えていただけますか?

今は引退を考えていないわ。これからは監督業、脚本家、人道活動に注力したいから、これまでのような一意専心にはしないと思う。だからこそ、一つ一つの作品を慎重に選んでいきたいわね。

Q:今後も楽しみにしています!

どうもありがとう!

アンジーがいるだけで場が華やぐし、皆の視線が彼女に集中する。エレガントな彼女をさらに魅力的にするのは、その知性だ。落ち着いたトーンの口調で持論を交えつつ、主演作に込めた思いを丁寧に述べていく姿は慈悲深さを感じさせる。愛すること、受け入れ許すことを知ることの大切さなど、本作にはアンジーの母性や人権活動の礎となる魂が宿りながらも、万人が楽しめるエンターテインメントに仕上がった希有(けう)な作品だ。

(C) 2014 Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.

映画『マレフィセント』は7月5日より2D / 3Dで全国公開

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