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【私的映画宣言】第87回アカデミー賞 賞レース予想

第87回アカデミー賞候補には、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『グランド・ブダペスト・ホテル』が作品賞を含む最多9部門、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』が8部門、異色の『6才のボクが、大人になるまで。』『アメリカン・スナイパー』が6部門にノミネートと今年も予想が難しい賞レース! アカデミー賞の前哨戦となるゴールデン・グローブ賞をはじめ、ロサンゼルス映画批評家協会賞ボストン映画批評家協会賞など、数々の映画賞での結果がどのように響くのか? 今年もパーフェクトを狙う私的映画宣言ライターの皆さまに、主要6部門の賞レースを予想してもらいました!

森直人

森直人

現時点では(例によって)未見の作品が多いのですが、鑑賞した候補作だけでいっても、全部がそれぞれハイクオリティー!(これも例年通り)。例えば『フォックスキャッチャー』なんか、スティーヴ・カレル(主演男優賞)&マーク・ラファロ(助演男優賞)のみならず、ノミネートされていないチャニング・テイタムを含めて、みんなオスカー級のレベルだと思います。ここでは下馬評に従って『博士と彼女のセオリー』エディ・レッドメインを主演男優賞に置きましたが、思えば『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』でノミネートされているベネディクト・カンバーバッチは、以前テレビ映画でホーキング博士を演じてたなあ……。個人的に『6才のボクが、大人になるまで。』は別格の名作だと思いますが、ともあれこれだけ趣向が拡散していると、もはや受賞結果=優劣の問題ではないのは確かでしょう。

私的ダークホース

地味かもしれませんが、この作品のデュヴァル御大は本当に素晴らしかったので。プロフェッショナルの見本のような仕事でした。あと主演女優賞を『ゴーン・ガール』ロザムンド・パイクが取ったらうれしいなあ。

相馬学

相馬学

今年も思い入れ抜きの“当てにいく”予想。ゴールデン・グローブ賞はオスカーを占う上で重要な賞といわれているが、この賞を境にオスカーの有力候補が変わることが、しばしばある。ここ3年の作品賞はゴールデン・グローブ受賞作と直結していたが、さらにさかのぼれば直結しないケースも多い。今年が傾向の変わり目とみて、全米プロデューサー組合(PGA)賞を受賞して勢いづいた『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を推す。作品賞と一致するケースの多い監督賞だが、12年かけて『6才のボクが、大人になるまで。』を撮ったリンクレイターの鋭意に敬意を表するアカデミー会員は少なくないだろう。助演部門は男女優ともにカタそうだが、主演はどちらも混戦で難解。男優は映画人の共感を集めそうな役を演じたマイケル・キートン、女優はノミネートばかりでそろそろ受賞してもいいジュリアン・ムーアとみた。

私的ダークホース

イーストウッド監督作品としては最高の全米興行成績を収めており、今なお記録を更新中。この勢いは侮れない。

山縣みどり

山縣みどり

アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の大ファンではないけれど、個人的には『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』推しで、作品賞も演技賞も全部にあげたい。でも『6才のボクが、大人になるまで。』も捨て難く、悩みどころ。映画製作の概念に新風を吹き込んだ画期的な作品でもあり、作品賞と監督賞は受賞すべきとも思っている自分がいるからね。主演男優の本命はキートンで、次点がエディですね。ここは鉄板。主演女優は悩みどころで、ジュリアン・ムーアロザムンド・パイクの対決。演技的には互角だけど、ハリウッドへの功労という意味でジュリアンかな。個人的にはマリオン・コティヤールは候補に挙げるほどでもないと思うよ。『セルマ(原題) / Selma』カーメン・イジョゴ を選ぶべきだったのでは? あ、小じゃれた作風でわたしの心を奪った『グランド・ブダペスト・ホテル』にはぜひ、脚本賞を受賞してもらいたてもらいたく、素晴らしさに心打たれた『セッション』には脚色賞をぜひぜひ!

私的ダークホース

ゴールデン・グローブ賞以降、風向きはエディ。でも保守的なアカデミー会員が「まだまだ若造じゃ」とベネディクトに投票する可能性もあるかも。

中山治美

中山治美

3DとかVFXといった技術に走った時代は落ち着き、リアリティーにこだわった作品が並んだという印象。作品賞8本のうち実話が4本。さらにショービジネスの舞台裏を赤裸々に描いた『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に、同じ俳優を12年にわたって追った『6才のボクが、大人になるまで。』も。そんな年を象徴する『6才のボクが、大人になるまで。』が作品賞を受賞するのが流れとしてはキレイかなと。個人の好みは別としてね。何より、この手法に嫉妬と羨望(せんぼう)を抱いた映画人は多いと思う。注目は主演男優賞。ブラッドリー・クーパーにぜひ! 『世界にひとつのプレイブック』(2012)、『アメリカン・ハッスル』(2013)とここ数年のアカデミー賞をこんなに盛り上げている人はいないよ。その貢献度も含めて……ねッ!

私的ダークホース

J・K・シモンズの上腕二頭筋と、マイルズ・テラーに壁ドンして家庭環境を聞き出し、それをネタに精神的に追い詰める腹黒さ。そして全編を貫く緊張感がたまらん。受賞ならずとも記憶に刻まれること間違いナシ。

前田かおり

前田かおり

今年は実話にフィクション、コメディーと作品賞のノミネート作は色とりどりだし、俳優、監督もルーキーが多くて、彼らがどんな表情で授賞式に現れるのか、とっても楽しみ。作品賞は『6才のボクが、大人になるまで。』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のガチ対決と思っていたら、『アメリカン・スナイパー』の猛烈な追い上げ。さすが反骨のイーストウッド、84歳になっても、映画を通してモノ言うゾ。そんな彼が作品に込めた思いに加え、ムダに長くてうるさいエンドロールが多い中、数分間、音楽なしで作品を熟考させる点も評価して、あえてこれを推してみた。演技部門では、どれが実物に近いか合戦のような主演男優賞で、実は生々しい夫婦の話なのに、素晴らしい驚きと感動を与えてくれたエディ・レッドメイン推し。ただ心配なのは、新婚ホヤホヤな彼、スピーチでゴールデン・グローブ賞クルーニーみたいな嫁自慢だけはやめてね。

私的ダークホース

実人生とかぶり過ぎ。初代バットマン好きとしては、ブリーフ一丁姿もさらしたキートンに取らせてあげたい気も。

小林真里

小林真里

今年の作品賞ノミネート本数は、ルール改訂後最少の8本。実話ベースとフィクションが4本ずつときれいに二分された。今年は文句なしに、テキサスに住む少年とその家族の12年間の軌跡とアメリカ社会と文化の変動を、天才的ダイアローグとそれぞれの年にマッチした最高の音楽でつづった奇跡的名作『6才のボクが、大人になるまで。』の年なわけです。が、弱小インディペンデントのIFCフィルムズ製作ということで、残念ながら強力なパイプと資金力があるメジャー会社のプロモーション攻勢とロビー活動に負ける可能性が高そう……。アカデミー会員の平均年齢は63歳らしいのですが、それもあってか『フォックスキャッチャー』『ナイトクローラー(原題) / Nightcrawler』という、ダークながらハイクオリティーな映画たちが作品賞候補から漏れたのは残念至極。

私的ダークホース

最初は本命に入れていたのだが、今の流れからするとエディ・レッドメインが勝つ確率が高そうなので急きょ変更。

斉藤博昭

斉藤博昭

今年は主要6部門の予想が楽勝……と思い込んでいたら、全米プロデューサー組合(PGA)賞で『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が作品賞を受賞し、大ヒットの勢いに乗る『アメリカン・スナイパー』も猛追で、作品賞の行方は混沌(こんとん)としてきた。『アメリカン・スナイパー』は監督賞に漏れたので同情票も入る、なんてうわさもあるが、同情票で作品賞が決まっちゃダメでしょ! というわけで初心忘るべからず。12年の歳月が奇跡の映画となり、実際に自分が栄誉にふさわしいと信じる『6才のボクが、大人になるまで。』を推します。その分、マイケル・キートンジュリアン・ムーアで堅い主演男・女優賞は冒険しちゃいましょう。演技の「技術点」レベルは最高値で、全米映画俳優組合(SAG)賞も制したホーキング博士役の逆転に、そして他部門で無視をくらった『ゴーン・ガール』代表の大番狂わせをひそかに期待。助演男・女優賞は冒険の余地ナシ。100%間違いないです(断言!)。

私的ダークホース

エドワード・ノートンとの新旧「ハルク俳優」対決も実現。サポート演技という点を冷静に評価され、本命を脅かしてくれ!

高山亜紀

高山亜紀

うすうす気付いていたことなのだが、ここ数年で、 アカデミー会員の映画オタクが占める割合がずいぶんと高くなってきた気がする。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と同数とはいえ、 『グランド・ブダペスト・ホテル』の最多ノミネートって衝撃的。マリオン・コティヤールダルデンヌ兄弟の作品で候補になっているのも新鮮だ。彼女はもちろん、特に俳優陣たちは実に吟味(ぎんみ)されて候補になった印象。誰が取っても不思議じゃない、素晴らしい仕事の数々だ。これまでのように、「えっ、なんでこの人が?」的な人は、これからはもう出てこないのかも。とはいえ、今回、一人だけ、頭をひねった人がいる。J・K・シモンズ! 彼の存在感はもはや主演男優賞級。場の空気、全部、さらっちゃって、完全にサポートの枠、はみ出していますけど。

私的ダークホース

シモンズの「ドヤ顔」の一瞬の破壊力。誰も勝てないだろうが、デュヴァルの心揺さぶる演技も捨て難い。

今祥枝

今祥枝

今年は『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『セッション』を偏愛し過ぎて予想の目も曇りがち。『6才のボクが、大人になるまで。』で決まりかなと思っていたけど、終盤の追い風ムードが『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』にある気が。逆に、主演男優賞は大本命マイケル・キートンから流れはエディ・レッドメインに来ているので、勢いに乗って受賞しそう。気持ちはキートンだけどコメディー系の壁は厚い。難しいのは監督賞。イニャリトゥリンクレイターアンダーソンで迷う。アンダーソンがさらっと持っていったりしてねと思うと、今回一番読めないのは『グランド・ブダペスト・ホテル』かも。脚色賞に『ゴーン・ガール』が入らなかったのは納得できない。新顔としては『セッション』のデイミアン・チャゼルに大注目。脚色賞あたり受賞もあり得る? 今回、最も受賞してほしい&受賞したらうれしいのはJ・K・シモンズ

私的ダークホース

パトリシア・アークエットが鉄板の助演女優賞。オスカーで突如浮上したローラ・ダーンは役柄もかぶるけど、捨てきれないものがあるかも。

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