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大島優子
『それいけ!アンパンマン ミージャと魔法のランプ』
コンプレックスだった声を自信に変えてくれた一言
『それいけ!アンパンマン ミージャと魔法のランプ』大島優子 単独インタビュー

取材・文:須永貴子 写真:尾鷲陽介

アンパンマンシリーズ第27作『それいけ!アンパンマン ミージャと魔法のランプ』のテーマは、ズバリ「仲間」。魔法のランプから飛び出した精霊ミージャが、初めて出会った仲間たちと困難に立ち向かう中で、アンパンマンの強さと優しさを知り、成長していく物語だ。本作のために作られた新キャラクター、ミージャの声優を務めるのは、出演作がめじろ押しの大島優子。「自分に似ているところがたくさんあります」というミージャについて振り返り、これからの仕事への意気込みを語った。

■ミージャはわたしの生き写しのような存在

Q:大島さんにとってのアンパンマンシリーズとは?

小さいころからテレビアニメでずっと観ていました。かなりキャラクターの数が多いから、全員が映画に登場するわけじゃないのに、ミージャという新しいキャラクターの声を担当することができて、ものすごく光栄です。いつかわたしに子供ができたら、「お母さん、アンパンマンで声やったんだよ」ってこの映画を観せたいです。

Q:子供に観せたいと思う理由は何でしょう?

絶対に教育にいいですもん! でも、大人も教えられることがたくさんありますよね。今回お仕事をいただいて大人になってからあらためて映画のアンパンマンを観て、テレビアニメよりもストーリーが長いから、世界観の深さにものすごく感動したんです。大人になるにつれて身に付いた余計なものは取り払って、シンプルに素直に世界を感じ取ればいいんだよ、と言われたような気がしました。ミージャとしてこの作品の世界に入ったことで、ものすごく心が洗われてすがすがしい気持ちになりました。

Q:ミージャにシンクロする部分があったのでしょうか?

あて書きではないんですけど、みんなに「ミージャに似ているよね」って言われます。気が強いところとか、おてんばなところとか、負けず嫌いなところとか、確かにそう思います(笑)。

Q:ミージャは魔法の腕輪の力を使えば何でもできると思っている。でも、それが壊れてしまったときに、自分自身に何ができるかを見つめ直します。

自分の力を過信していますよね。誰かが助けようと手を差し伸べても、「一人でできるもん!」と頼らない。わたしにもそういう時期はあったので、すごくよくわかります。

Q:それはいつごろでしょうか?

グループ(AKB48)の最後のころですね。いろいろなことを経験させていただいていたこともあり、全部自分でやれると思っていましたし、周りの手助けは要らないと思っていたこともあります。とても視野が狭くなっていたんだと思います。卒業して、一人で仕事をするうちに自分の力量がわかりましたし、もっと人にちゃんと頼ろうと思いました。

Q:大島さんにとって、グループはある意味、ミージャにとっての魔法の腕輪だった?

……確かに、そうかもしれないです。「もう誰も守ってくれないんだ」と自覚したからこそ、誰かに手をつないでもらうことでもっと違う自分を引き出してもらえるし、幅が広がるんだと気付くことができました。自分の間違いに気付いて、仲間の大切さに気付いたミージャに共感しました。

Q:魔法の腕輪は、ある人にとってはお金かもしれないし、家柄かもしれない。

シンプルなお話だからこそ、たくさんの人の想像力や考え方にリンクしやすいんだと思います。深いですよね。

■自分の声がコンプレックスだった

Q:ミージャをどう演じましたか?

「そのままでいい」と言われたんです。「大島さんがテンションの高いときに声を張っている感じで」って。感情表現がストレートな子なので、ずーっとテンションが高いときの自分でしゃべりながら、喜怒哀楽をつけました。自分の感情をそのまま乗せたので、ミージャはわたしの生き写しのような存在です。

Q:『メリダとおそろしの森』のメリダとの違いは?

メリダは人間だったので、口の動きに合わせるのが大変でした。でもミージャは、セリフの始まりと終わりのタイミングさえ合っていればOKでした。アフレコ前は「どうやったらいいんだろう?」といろいろと考えていたんですけど、いざ始まってみたらNGが少なくスムーズに進んでいって、3時間くらいで終えることができました。

Q:超スムーズですね! 声の仕事はどんな経験になっていますか?

実は、これまでは自分の声があまり好きじゃなくて、コンプレックスだったんです。でも、こうしてアンパンマンの映画に抜てきしていただいたことで、コンプレックスをチャームポイントや個性に変えていただいたと思っています。

Q:それもまた子供たちに伝わるといいですね。でも、なぜ好きじゃなかったんですか?

ハスキーな声が好きじゃなくて。しかも、自分ではハスキーだと思っていないから、人から「ハスキーだね」と言われると、「え!?」と違和感があるんです。でも、映画『紙の月』に出演したときに、宮沢りえさんから、「声がいい! その声だったらいろいろな役ができるよ」って言っていただいたこともすごく自信になっています。

■一つ一つの結果が、未来の自分を作っていくレールの基盤になる

Q:『紙の月』以降、出演作品がめじろ押しですね。気持ちの変化は?

今までも全力投球でやってきたつもりですけど、それ以上の力でやらなきゃいけないんだなと思わされました。70パーセントから100パーセントの力を発揮するのは当たり前、120パーセントの力を発揮できたら最高という気持ちでやっていたんですけど、ここ1年くらいは、常に120パーセント以上でやらなきゃいけないと思っています。なぜなら、一つ一つの結果が、未来の自分を作っていくレールの基盤になっていくので、自分の技術力、精神力を上げていかなきゃいけないんだな、ということを感じながらやっています。

Q:秋には初めての舞台に挑戦しますね。

まだそんなに実感はないです。ステージには立っていましたし、芝居も映像でやらせていただきましたけど、舞台で芝居をすることは未知の領域なので、想像がつかないです。ずっと憧れていた白井晃さんの演出なので、稽古からものすごく楽しみだし、また新しいチャレンジをさせてもらえることへの好奇心もあります。でも正直、今はまだ漠然とした不安のほうが大きいです。大きな壁になりそうな気がします。

Q:舞台はやりたいと思っていましたか?

こんなに早く舞台をやることになるとは思っていませんでした。俳優の先輩方が皆さん「舞台はやれるなら早くやって場数を踏んだほうがいい」とおっしゃるので、大変なのはわかっているんですけど、やることに決めました。仕事は全てご縁だと思っていますので、これが、わたしが次にぶつかるべき壁なんだと思っています。

Q:壁にぶち当たり続けたいですか?

ドラマの「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」では、自分の持っていない色の芝居をしたので、すごく大変だったし、毎日疲労がすごかったんです。魂を削ったからたくさん得ることができたと思います。でも、ここまで魂を削る芝居は3年に1回でいいかなって堤(幸彦)さんに言ったんですね。そしたら「これからは1個1個の仕事をその濃密さでやっていかなきゃだめだし、俺は(大島優子と)そうやっていくよ」と言われました。その場では「やだー!」って返しましたけど(笑)、その通りだなと思います。

Q:全ての仕事で魂を120パーセント削っていくんですね。

自分の性格的にも、どうしても削ってしまうというか、削らずにはいられないと思います(笑)。

ミージャと一緒に冒険するキャラクターは、コキンちゃんとクリームパンダちゃん。ミージャ&コキンちゃんのガールズパワーに押され気味のクリームパンダちゃんについて、「すっごくかわいいですよね。アンパンマンに憧れて、それを目指して努力する姿に愛嬌(あいきょう)がある、愛されキャラです」と絶賛しつつ、「リアルにこういう男性がいたらどうですか?」という質問には「目標に向かって努力するのはカッコイイですが、泣き虫ではあってほしくないですよね(笑)」と笑い飛ばす。写真撮影中はスタイリストに「この服かわいい! 食器みたいな柄がいい!」と言って周りを笑いで包み込む。素直であっけらかんとした大島優子、確かにミージャはハマり役だ。

(C) やなせたかし/フレーベル館・TMS・NTV (C) やなせたかし/アンパンマン製作委員会2015

映画『それいけ!アンパンマン ミージャと魔法のランプ』は全国公開中

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