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『マイノリティ・リポート』は何がすごかったのか…実は続きも!

 触れることができるホログラム、網膜認証システム……新たな技術が開発されるたびに、「『マイノリティ・リポート』の時代が近づいている」「リアル『マイノリティ・リポート』だ!」と“近未来の代名詞”として話題に上がる『マイノリティ・リポート』。なぜ映画公開から14年たった今でも社会に影響を与え続けることができるのか。同作を検証する。(編集部・井本早紀)

◆『マイノリティ・リポート』が予測していたテクノロジーの未来

 『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』ホバーボードが商品化されるというニュースが報じられた時、世の中の反応は「まさか!」「夢だった!」と驚きの声が多く上がった。しかし『マイノリティ・リポート』のアイコン的ガジェットでもある、空間で操作できるホログラム技術が登場したときには、驚きよりも「ついにこの時代が来たのか」と感慨にひたる声の方が大きかった。なぜか。その秘密は『マイノリティ・リポート』の冒頭20分が描く未来のリアルさにある。

マイノリティ
『マイノリティ・リポート』といえばやっぱりこれ

 犯罪が予知できる近未来に、殺人犯になると予知されたトム・クルーズ演じる刑事が犯罪予防局の手から逃げる姿をスタイリッシュに描いた本作。注目すべきは、劇中で登場している数々のガジェットだ。指揮者のように空間で手を動かすことで自在に操作できる映像ソフト、磁気で浮く完全自動操縦の車(マグ・レブ)、クリスタルメディア、警察用ジェットパック、音声を認識する家具……と、スティーヴン・スピルバーグ監督らが想像した近未来の科学がギュッと詰め込まれている。

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近未来的ガジェットの一つ、ジェットパック

 最先端のガジェットが描かれる一方で、近未来SF映画では定番の、ワープ技術やタイムトラベルなどは描かれておらず、眼鏡や自転車、新聞配達などの「アナログ」なガジェットも登場する。そのため劇中に登場する技術は「夢のような遠い存在」ではなく、今の生活の延長線上にある「将来開発されうるもの」かのように想像が膨らむ。

 実際、劇中の技術は、「最高のSFは事実や未来の事実に基づいている」と考えたスピルバーグ監督によって集められた全米の専門家・学者たちに検討されて生み出された。遺伝学的なミスと科学が絡み合って偶然誕生したと明言されているプリコグ(未来予知者)以外の技術は、理論的に可能なものばかりだ。プリコグたちの脳内を可視化するモニターだって、マサチューセッツ工科大学の協力の下で理論を組み立てられている。

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網膜認証ロボット「スパイダー」

 映画では未来的に映っていた網膜や虹彩といった瞳を使った生体認証は、スマートフォンのロックシステムにも取り入れられるような身近な存在になり、個人に向けて展開される広告はインターネットを開くたびに常に味わえるようになった。犯罪予知システムに関しては、過去の犯罪履歴などのデータを基に危険人物を予測するソフトウェアをロンドン警視庁やマイクロソフト社が開発中と報じられている。『マイノリティ・リポート』の“預言者”ぶりには、今だからこそ衝撃を受ける部分もある。

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『マイノリティ・リポート』ブルーレイに収録されている製作当時のインタビューで、スピルバーグ監督はGoogle Glassのようなウェアラブルデバイスの登場を予知するような興味深いことも語っていた

◆新たなSFエンタメの教科書にもなりつつある『マイノリティ・リポート』

 『マイノリティ・リポート』の面白さは、信ぴょう性のある近未来世界観だけではない。設定や内容が複雑になりがちなSF作品に対してストーリーを明確にして、ギャグ・人間ドラマ・アクションを加えて、ライトなエンタメ作品に仕上げていること。その上で、現実崩壊感覚を得意とした原作者フィリップ・K・ディック氏(1928~1982)ならではのダークな側面を生かし、進歩した技術によって個人の行動や志向などの情報が管理されてしまったディストピア的要素をきっちりと描いていることにもある。

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ジェットパックの火でハンバーグを焼くユニークなシーンも

 また、俳優たちの真に迫る演技もスピルバーグ監督のこだわりがみえる。監督はブルースクリーン&CG技術が当たり前になった2000年代に、本物の環境下で演じてほしいとセットにこだわり、俳優陣を最大限フォローした。

 よってライト層も楽しめるエンタメ作でありながら、クリエイターやエンジニアの心を動かす作品になった。同作に携わった Oblong Industries 社が、撮影終了後も空間で手を動かすことで操作できる映像システム「g-speak」の開発に精力的に取り組んだことからも、『マイノリティ・リポート』がいかに作り手に影響を与える作品であったかがうかがえるだろう。もちろん影響を受けたのはエンジニアだけではない。本作にインスパイアされたような映画・ドラマ・アニメが2002年以降世界中で製作され続けたことからも、SF映画の金字塔になったことは周知の事実である。

◆映画には続きがあった…約13年越しにドラマで明かされる謎

 『マイノリティ・リポート』は、まだ終わってはいなかった。約13年越しにドラマ「マイノリティ・リポート」として続編が作られていたのだ。ドラマ版でも技術が発達した今だからこそ創造できた40年後のタッチパネルや運命の相手を探せるDNAシステムなど、リアリティーのある未来技術は健在。

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再び集まってしまった3人のプリコグ

 さらにプリコグたちの3人の本当の役割、犯罪予知システムによって逮捕された未来殺人犯たちが映画後にどのように扱われていたのか、映画版では明かされなかった謎が、ドラマ「マイノリティ・リポート」で明かされている。未来予知者は予知から逃れることはできない。スピルバーグが製作総指揮に参加した「マイノリティ・リポート」は、再びわたしたちに近未来とエンターテインメントが融合した世界を与えてくれる。

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『マイノリティ・リポート』DVDは発売中 税抜き価格:1,905円
「マイノリティ・リポート」はデジタル配信中、DVD発売中、レンタル開始中
DVDコレクターズBOX(5枚組) 税抜き価格:8,000円

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