あの重要人物が帰ってきた！新たな未知の集団の存在が不気味
今週のウォーキング・デッド
第13話の今回は、アーロンとゲイブリエルが、コモンウェルスの要望に応じて新たな任務に参加。しかし、その任務が意外な展開に!? そして、あの人物が帰ってくる!!（平沢薫）
※ご注意 この記事は「ウォーキング・デッド」シーズン11についてのネタバレが含まれる内容となります。視聴後にお読みいただくことをおすすめします。
今週のウォーキング・デッド～シーズン11第13話
今回は、前2話とはガラッと雰囲気が変わり、舞台はコモンウェルスの外。コモンウェルスによる新たな集団との接触任務に、アーロン（ロス・マーカンド）とゲイブリエル（セス・ギリアム）が参加するが、ここで予想外の事態が勃発。そして、その騒動の中で、コミュニティーから去ったあの人物と再び出会うことになるという、怒涛の展開だ。
今回一番のビッグイベントは、この人物、ニーガン（ジェフリー・ディーン・モーガン）の再登場だろう。彼は今シーズン第9話でコミュニティーを去ったが、すでにニーガンとマギー（ローレン・コーハン）が主人公のスピンオフ・シリーズの製作が発表されており、復帰は予測されていたが、こんなに早いとは。マギーはまだニーガンを信頼していないが、それが変化する出来事が、これから描かれるのに違いない。
そして、このビッグ・イベントに続く今回の注目ポイントは、時制に技アリのストーリー展開だろう。まず、負傷した正体不明の人物がヒルトップに来て死亡するところから始まり、「1週間前」「1週間と1時間前」「現在」「12時間前 襲撃の最中」「現在」と時制を行き来しながら、実際は何が起きていたのかが明かされていくストーリー構成は、見応えあり。さらに、アーロンたちと共同住宅のリーダーとの対面時の、事態の急変もショッキング。そこで脚本家は誰かと思えば、シーズン10第19話「あと1ヵ所」、アーロンとゲイブリエルの物資調達業務が予想外の緊急事態に陥るあのエピソードのコンビ、エリック・マウンテンとジム・バーンズ。このコンビは、アーロンとゲイブリエルがお気に入りなのかもしれない。
また、ストーリー面では新たな事実がいくつか判明した。まず、未知の集団の存在だ。今回初登場した共同住宅に住む集団がコモンウェルスの武器を奪った疑いをかけられたが彼らは盗んでいないということは、それを盗んだ集団は別に存在するということだ。彼らがこのまま描かれずに終わるのか、それとも新たに登場するのかは、今後の展開を待つしかない。
そして、ランス・ホーンズビー副知事（ジョシュ・ハミルトン）が、ますます危険人物であることが判明。彼が元CIAのトビー・カーソン（ジェイソン・バトラー・ハーナー）に共同住宅住民の抹殺を指示した根拠が、事実ではなく、彼らが武器を盗んで人員を殺したからという推測に基づいているところが、まず危険。しかも、彼の指示は、集団のためではなく、自分の采配ミスを上司パメラ・ミルトン知事（ライラ・ロビンズ）から隠すためのもの。彼が権力者にへつらう姿は、シーズン6から登場したヒルトップの元リーダー、グレゴリー（ザンダー・バークレイ）を連想させたりもする。小物が大きな被害をもたらすのは、このシリーズのお約束？
また今回も、今後のドラマの種子がたっぷり。イライジャ（オケア・エメ＝アクワリ）のリディア（キャサディ・マクリンシー）への片思いはどうなる？ ゲイブリエル神父の「終末前の世界は、わたしたちが目指す道ではない」という説教は、ミルトン知事の価値観とは真逆だが、これが何かの火種になるのだろうか。そして、今回起きている、アーロンたちとカーソン率いるコモンウェルスのチームとの戦いは、その勝敗とは別に、コモンウェルスに何らかの波紋を呼ぶのではないか。これからも、まだまだ予想外のドラマが起きそうだ。
