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月に552時間の労働時間にヤクザまで使う日本の会社にイギリス人もびっくり!-レインダンス映画祭

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安藤和津(左)と土屋トカチ監督(右)
安藤和津(左)と土屋トカチ監督(右) - Photo:Yukari Yamaguchi

 10月10日(現地時間)、ロンドンで開催中のレインダンス映画祭で、土屋トカチ監督のドキュメンタリー映画『フツーの仕事がしたい』のイギリス・プレミアが開催された。月に552時間働かされたトラック運転手の闘争を追った本作、上映後、監督に日本の労働状況についての質問が相次いだ。

 1日に換算すると働いていない時間はわずか5.6時間。睡眠はもとより、食事、入浴にも満足な時間がとれないシフトを組まれ、住友大阪セメントからセメント運送を請け負う会社の下請け会社で働いたトラック運転手、皆倉信和さんがユニオン(労働組合)の扉をたたいたことが、本作の始まりだった。暴力沙汰を予測したユニオンは、証拠として残すための撮影を土屋監督に依頼、映画として始まったわけではなかったという。予測は的中、皆倉さんを組合から脱退させようとする会社はヤクザを使って脅しにかかる。闘争を続け、住友大阪セメントを動かすことにまで成功する皆倉さんだが、腸に穴が開き入院、ほかの病を併発していることも見つかる。

 驚くべき状況が続く本作だが、同じような過酷な労働を強いられている人をたくさん知っていると監督は話す。そんな日本からそのまま輸出された言葉、KAROSHI(過労死)が、質疑応答中、普通にイギリス人の間でも使われていたのが印象的だ。

 先日、本映画祭で初監督作映画『カケラ』のワールド・プレミアを終えた安藤モモ子監督と、母でエッセイストの安藤和津もそろって鑑賞に訪れていた。華やかな映画の世界に身をおく安藤親子には縁のない話かと思いきや、「とんでもない! 映画の世界も過酷。アシスタント・ディレクターなんて、時給換算したら100円位になっちゃうかも。大変なのよ」と和津。動物愛護運動にかかわっていることもあって、次の作品が撮影者として参加した動物愛護のドキュメンタリーだという土屋監督に、二重に共感を示していた。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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