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ゴミとヤル人々『トラッシュ・ハンパーズ』早熟の鬼才ハーモニー・コリン監督-ロンドン映画祭

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鬼才ハーモニー・コリン監督
鬼才ハーモニー・コリン監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 第53回ロンドン映画祭に参加している『トラッシュ・ハンパーズ』(原題)のハーモニー・コリン監督に話を聞いた。暴れまくる3人の老人を主人公に、ヒステリックに笑う子ども、自転車につながれて引きずられていくお人形と、悪夢のような映像が続く本作は、好むと好まざるに関わらず本年度参加作品の中で最も強烈な印象を残す作品の1本だ。

予定調和的映画には飽き飽きしているのか「今時の映画の99%はあまり好きじゃない」というコリン監督の、脚本なしという本作は「ユニコーンとかが出てくるような映画と思われたりしないように、そのまんまのタイトルにしたんだ」と言うように、文字通りTrash Humpers=ゴミとやる人々。ゴミ箱をドラムのようにたたきまくって大騒ぎしたかと思うと、抱え込んでズボンをおろし腰を動かしたりする老人トリオだ。老人と言っても、老人のようなマスクをかぶった3人のうち、男性の1人は監督自身で、女性は監督の妻。「妻は理解してくれてるよ。でも(二人でマスクをかぶって演じるのは)変な感じだったけどね。子どももいるんだけど、それがそのへんをチョロチョロしてるもんだから、よけい変だったよ」と撮影時をふり返る。

 ハンドカメラで撮ったという映像は画質も荒く、それが独特の雰囲気となっているが、万人向けとは言い難い。だが、商業的な成功は無視して、アート作品を目指したのでもないようだ。「ショッピング・センターのようなところで、マイリー・サイラスみたいな女の子たちが僕の作品を見てくれたらいいなって、そんな夢はいつでも持ち続けてるよ」と笑う。どうして本作のような作品を作るのかについても「それほどロジカルに考えてやっているわけではないんだ。本作については、いろいろ聞かれて、まるでパブリック心理分析をされてるみたいな感じだよ(笑い)。もっと直感みたいなもので作ってる」と話すコリン監督は、18歳で映画『KIDS/キッズ』の脚本を書きあげた早熟の才人。音楽家として次のCD制作も待ち受けており、写真家としても活動中と、その独自の才能を映画という枠を超えて発揮している。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

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